おねがいのふだをたてる
先日、つばた英子さん、つばたしゅういちさんの「ふたりからひとり〜ときをためる暮らし それから〜」を図書館で見つけて借りてきました。
小川奈緒さんの家が好きになるラジオで知った映画『人生フルーツ』のつばたさんご夫婦の暮らしの記録。
ずっと『人生フルーツ』を映画館で鑑賞したくて、月一回の上映スケジュールをチェックしています。ちょうど行けそうな日で狙っていても、前日に決定する開始時間が合わずに鑑賞できないこと数ヶ月。
ぴったり日にちと開始時刻が合う日が来るのがとっても楽しみなのです。
そんな中出会ったこちらの本。これまで何度も古本屋さんや図書館でも手に取るまではしていましたが、映画を観てからだなー、今じゃないな、と感じてお迎えしていませんでした。
しかし、今回は読んでみよう!と迷いなく借りてくることに決めました。今だ!というアンテナがたつ時ってありますよね。
タイトルからもわかるように、英子さんが1人で生活するようになったお気持ちや普段の生活の様子が詰まった本です。日記のような、お手紙のようなやわらかい文章に温かさを感じます。
控えめな英子さんですが、人生の大先輩として〝私はこんな生活で、特別なものはないけれど、どんなときも日々の何気ないことを淡々と丁寧に生活していくことが大切‘’と身をもって伝える貫禄のようなものを感じました。
しゅういちさんのお話やコメントもたくさん登場して嬉しくもなります。
お二人の丁寧で自然と季節を大切にする暮らしからは得るものばかりですが、その中でも心に残ったエピソードを一つ。
それは、しゅういちさんが夫婦仲良く生活する秘訣として、コミュニケーションボードを作って利用している、というお話。
英子さんがしゅういちさんに、何か頼み事ができた時には『しゅういちさんお願い』の札を立てて、お願い事を書いて貼っておくそう。
しゅういちさんはそれを見て、自分の気が向いた時、時間がある時に頼まれた作業をする。
そして、できたら『できたよ』の札を立てておく。
この程よい隙間が夫婦仲良しの秘訣だと書いておられました。
二世帯生活をしている私は、お義母さんとの程よい距離感は必要かなと思っていましたが、夫との程よい距離感をとることは、そこからすごい距離が生まれるのではと懸念して、あまり自信を持って必要と掲げてはいませんでした。
しかし、やはり夫婦でも程よい距離感は必要で、それはお互いを尊重するのに必要なものだと思えるようになりました。
自分の気持ちは伝えつつ、答えは相手のペースに合わせる。そして、必要以上に急かしたり、感情丸出しのままぶつけたりしない。それは親と子に対しても必要な距離感なのだなと思います。
相手を自分の今の状態と同じように考えてはいけないし、タイミングや目に見えない忙しさも人それぞれ。
お互いを尊重して、気遣いながら長年夫婦をしているつばたさんご夫婦が大切としている適度な距離感に、ものすごくしっくりときて、それでいいんだなと背中を押された気持ちです。
今我が家は、夫は平日単身赴任、週末帰ってくる生活。お互いに何かと伝え忘れたり、聞いても忘れたりが多くなってきたので、コミュニケーションボードを導入しようと思っています。
何かと忙しくなる夏休みもすぐそこ。子供達にもコミュニケーションボードを取り入れて、頼みたいことは『お願い』の札で、できた時には『できたよ』の札で楽しく過ごせたらいいなと少しワクワクしてきました。
今日も読んでいただいてありがとうございました。