「もう好きじゃないよ」ってどういう意味?【才の祭小説】
雪の降る街を一人歩きながら、溢れる涙を拭う。かれこれ20分以上止まらないそれは、頬に触れて溶けていく結晶よりもずっと温度が高いはずだった。そのはずなのに、つうっと流れては流れるほどにどんどん冷たくなっていく。衝突したのは他愛もないことだった。彼が私たちの関係を否定したのだ。それは私が最も言われたくない言葉であって、過去に最も傷ついたことだった。
足早に通り過ぎる駅前。行き交う人たちは誰も私のことなんか見ていない。それもそのはず、もうすぐクリスマスということで室内にはたくさん