夜に考える ~『全盛期』について~
今日も今日とてぼっちな29歳男性な私の徒然日記、6回目です。
新シリーズ「夜に考える ~○○について~」の初回ですが、『全盛期』について徒然と考えてみたいと思います。
そういえば先日、読者である my 母 から
「あんまり徒然って文章じゃないよね」
と言われました。
ところで徒然な文章ってどう書くんでしょうか?
さて話を戻しまして、この『全盛期』という言葉、スポーツ選手とかでよく使われるのですが、私の最も嫌いな言葉の1つです。
この言葉を使う際は決まってその前後の期間、『全盛期』と捉えた時期の過去・未来との比較がされており、特に全盛期「後」に対するマイナスなイメージを感じさせます。
どんなものに対しても栄枯盛衰はあるもので、脂のノッた時期を過ぎると徐々に勢いも落ち着いて行き、未来永劫続くように感じさせたあの時間が遠い昔のように感じてどこか儚さと懐かしさを感じさせます。
ただし、私は声を大にして言いたいのです。
「例え最強の時期が過ぎ去ったとしても、終わりに向かっている今この瞬間も全力で戦い続けているのなら、やはり輝いて見える。『全盛期』などという簡単な言葉で語らないで欲しい」
と。
プロテニス選手でイギリスのアンディ・マリーという現役の名選手がおります。
彼はウィンブルドン含むグランドスラム3度の優勝、男子初となるオリンピック2大会連続優勝、シーズン最終戦のツアーファイナルの2016年優勝者、世界ランキング1位経験者という、素晴らしい経歴の持ち主です。
しかし2017年から徐々に不調の兆しが出て、最初は臀部の負傷と言われておりましたが、その後は股関節の負傷と判明、2019年1月に行われる4大大会・全豪オープンの直前に引退宣言をしました。
この頃の彼は既に靴下を履くのにも一苦労なほどに股関節のダメージが溜まっておりましたが、全豪オープン1回戦で敗れるものの棄権せず戦い切り、会場からはスタンディングオベーションで称えられました。。
その後彼は宣言通り引退をするつもりでしたが、直後に運命的な出会いに恵まれて「人工股関節置換術」を知り、これを受けます。
無事手術を終えてその回復具合から希望を見出した彼は医師に、
「人工股関節になってからもテニス選手を続けたい」
と言いましたが、医師からは笑われたそうです。
しかし彼は不屈の闘志でリハビリを続けで同年の2019年内で見事ダブルス・シングルス共に復活、シーズン後半に開かれたATP250 アントワープで見事シングルス優勝を果たしました。
彼はその後も戦い続け、ついに今年の全豪オープン終了後に、2024年ウィンブルドンで引退するかもしれないと宣言をしまして、その後の彼の動向には注目が集まっております。
成績だけを見れば、マリー選手の『全盛期』と言われる時期はおそらく2016年を指すのだと思われます。
たしかに最も華々しい成績を上げた時期です。
しかし、それではその後の彼の選手生活は見劣りするものだったのか?
彼は、人工股関節というプロのシングルス選手には最大のハンディを背負い、年齢も30台半ばに入り、それでと自分の持てる力の全てを出し続けています。
しかも、チャレンジャー大会に出れば優勝して、世界ランキングも最近まで50位内に入っておりました。
記者会見などで自身のハンディキャップを憂いるような発言は聞いたこともありません。
このような選手、今後果たして見ることがあるでしょうか?
誰しもいつかは終わりを迎えるもの。
私は、『全盛期』などという簡単な言葉で選手の過去を語らず、今も必死に戦い続けているならその『今』に価値を見出し、応援をしたいと思うのです。
『全盛期』について、徒然なるままに語ってみたこの夜です。