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小さい仕事「だからこそ!」意義がある

毎日の仕事の内容は、あなたの「自信」に大きな影響を与えています。

「あまり重要そうに見えない仕事」をしていると、自己重要感が下がって、自信満々ではいられなくなってしまうことがあります。
他の人は会社のメインになるような重要な仕事を任されているのに、自分は地味な仕事ばかり・・・そうやって仕事をしていたら、日々を生きる「意義」や「意欲」がうすくなってきた・・・。

・・・という人には、ちょっと視点を変えてもらいたい。
そのために、ぜひ読んでほしい「詩」があります。

それは、誰もが人生で一度は愛した『アンパンマン』の作者であるやなせたかしさんが書いた『パン屑の幸福』という詩です。
この詩は、ほんっとうに優しい詩です。わたしたちのことを、そっと肯定してくれる言葉があります。
詩というとむずかしいイメージがある方もいるかもしれませんが、とてもカンタンな言葉で書かれているところも魅力です。

私は大学生のとき、文学部で近代文学をやっていたのですが、詩ってどうもピンとこなかったんですね。
なので、本屋さんで「すごいカンタンそうな詩集がある!」と思って、やなせたかしさんの『幸福の詩集』という詩集を買いました。
そうしたら、すっごくカンタンで、わかりやすく、そして優しい詩ばかりだったんです。
「アンパンマンの作者の人って、こういう詩も書いてるんだ」と発見するとともに、「詩が読めた」という自信も得ることができました。
大人になってからまた、やなせたかしさんの優しさと愛を感じることができたのは、たいへん喜ばしいことでした。

お待たせしました。それでは、『パン屑の幸福』を紹介しましょう。

こぼれたパン屑は
とてもちいさい
もう何の役にも
たたないようにみえる
でもちいさな蟻にとっては
ありがたい
ちょうどいい大きさだ
これで運びやすくなった

『幸福の詩集』やなせたかし サンリオ

はぁ、優しいなぁ。。大人になると忘れてしまいがちな「小さきもの」への愛ある目線を思い出させてくれます。
そして、この宇宙の中で構成されている生命の輪の中で、すべての生き物がつながっているということを感じさせてくれます。

少し分析してみましょう。
この詩の中では、「とてもちいさい」と「ちょうどいい大きさ」が対比されています。
とても小さいパン屑、それは、人間にとっては「役に立たたない」ものです。
でも、小さな蟻にとっては「ちょうどいい」。「役に立つ」ものなのです。
「ちいさな蟻にとってはありがたい」・・・「あり」にとって「あり」がたい・・・ダジャレですね。さすがのユーモアセンスです、ね?やなせ先生?

そして、もうひとつの対比があります。
それは、人間の目線がある「高い世界」と蟻たちが生きている「低い世界」です。
「高い世界」は、派手な生活をして人生を謳歌する人たちが形成する「華やかな世界」を思わせます。
華やかな世界の人たちは、「大きな仕事」をしていてたくさんの収入があることでしょう。たくさんのお金とたくさんの人付き合い。それらを楽しんでいます。
一方「低い世界」は、そこからこぼれ落ちてしまった人たちの世界です。
「こぼれたパン屑」のように、派手な世界とは縁遠い世界です。
また、低い世界の住人は、地味でつまらない「小さな仕事」をしていることでしょう。
その仕事は、誰からも感謝されないかもしれない。
毎日同じことの繰り返しかもしれない。
もらえるお金も少ないかもしれない。
もしかしたら、「将来AIに代替されてしまう仕事なんだろうな」と、思っているかもしれない。

ですが、そんなこぼれたパン屑も、ちいさな蟻たちにとっては、「ありがたい」ものなのです。

この資本主義社会において、小さな仕事をせっせとこなしている私たちは、もしかしたら、「ちいさな蟻」なのかもしれません。
ですが、その蟻たちによって、毎日食べるものがつくられ、着るものがつくられ、住む場所がつくられ、水道が引かれたりゴミが処理されたり、インターネットができたり、、、生活の土台が築かれているのです。
世界が維持されているのは、「小さきものたち」のおかげです。
私たちが安心して暮らしていられるのは、小さい仕事をしている人たちのおかげです。
世界を維持することって、とてつもなく尊いことではありませんか?

そんな蟻たちに役立った「こぼれたパン屑」には、どれだけ深い意義があることでしょう。
蟻は、自分の体より大きなものは持てないけど、自分にできることをせっせとやって、仲間たちの役に立っています。
蟻って不思議ですよね。あんなに小さいのに、自分たちの何倍もある迷路みたいな巣を地面に掘ってつくっちゃうんですから。
そう思ってみたら、人間も不思議なものです。ひとりひとりの小さな仕事の積み重ねで、人間の何倍も大きな建物をつくってしまって、そこを訪れる人を喜ばせているのですから。

どんな小さな仕事でも、世界を維持する人たちの役に立っている。
視点を変えれば、あなたの日々の生活も、あなたの日々の仕事も、
誰かの役に立っている
誰かを笑顔にしている
誰かの幸せを支えている

そうやって世界はつながって、回っています。
大きいから良いとか、小さいからダメだとか、そういうことは、神さまは考えていないのです。

私たちは、そんな世界のつながりの一部です。
そこから抜け出てしまっている人なんていません。
だからあなたには価値があります。
あなたは役に立っています。
実際、そうなんです。そんな事実を冷静に受け止めたら、
小さい仕事してる自分、むしろイケてるじゃん!
って、思えてきませんか?
もちろん、大きな仕事をしている人にだって、いろいろな苦労があると思います。大きい仕事だって、尊いことに変わりありませんから。

小さな仕事だとしても、「自分はこの程度の仕事しかやれないんだ・・」と悲しいことを思って生きるより、「この仕事をコツコツやってるわたし、最高にイケてる」「おれイケてる」とゴキゲンなことを考えて仕事をしていたら、だんだんと仕事も楽しくなってきますし、気分もあがってきます。
今いる場所に満足できたら、今よりもっといい場所にもつながってきます。
そうでなかったとしても、毎日の仕事をキゲンよくできたら幸せです。ほとんどの人の一日の大半は、小さな仕事の積み重ねですからね。

どんな仕事をしていても、日々生きていると、自分が至らないように感じることもあると思います。
ですが、あなたはそのままで大丈夫、完璧です。
ちょっと苦しくなったら、「小さな仕事をして人の笑顔に役立ってる自分、イケてる!」ということを思い出してください。
『パン屑の幸福』の詩も、いつもあなたを見守っていますよ。

あなたはそのままで、あなたの花を咲かせてください。

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ひふみ国師(身、心、神)
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