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Resistance5

2019年11月、転院先の心療内科へ初めて行った。前の主治医みたいな人だったら、どうしようという不安な気持ちと、もしかしたら、治るかもしれない!!という謎の期待を持って、診療室のドアを開けた。

初診は1時間ぐらい話していたと思う。若い先生だった。前の先生と比べると、話を聞いてくれる先生のような印象があった。実際に話は聞いてくれた。抗うつ剤の使用も勧められたけど、嘔吐恐怖症なので、飲み始めに起こる副作用の吐き気がこわくて、どうしても飲むことが出来なかった。母に「先生が勧めてくれた薬、飲んでみれば良いでしょう?」と言われたけど、嘔吐恐怖症で吐くのがこわくて、飲めないことは言えなかった。理解してもらえる気がしなかったし、吐くのがこわい…と言うのが恥ずかしかった。

2019年12月13日、朝、吐き気で目が覚めた。この日から、食べ物はもちろんのこと、水分すらとれない状態が続く。この日から本格的に精神が崩壊し始めた。余命のある病気なら、どれほどよかったのだろう?いつまで生き地獄の中を歩いていかなければいけないのだろう?止まらない吐き気を止めるには、自分を殺すしかないんだ…

親が精神科へ電話をし食べれない状態で家で過ごすのは無理という相談をしたが、精神科の病院も満床のため入院はできないとのことだった。入院できる精神科を親は必死で探してくれた。

2019年12月27日、入院先が決まった。街中にある精神科。今、通っている精神科の入院で、空きが出るまでという期限付きの入院となった。偶然、個室しか空いてなく、私は運良く個室に入院できることになった。その頃、食べれてなかったせいか、1日最低でも3回は下痢をしていたので、部屋の中にトイレがあることも、とても良かった。入院した翌日、起きてすぐ、水下痢をした。何も食べてないし、お水も少ししか飲んでないのに。ここでの入院は2020年2月14日くらいまで続いた。コロナは流行していたが、その時はまだ家族との面会は出来ていた。
入院中は死ぬことばかり考えていた。また、長い夢を見ている気がしていた。これは夢で目が覚めたら、元気でたくさん食べていた私に戻れるんじゃないかって、そんな気がしていた。
個室で良かったなと思ったことは、もう一つある。私は毎日、毎晩、泣いていた。吐き気が止まらなくて、食事がとれなくて、つらくて泣いていたのもあるけれど、寂しくて泣いていた。家族と一緒の時間を過ごしたかった。3年前が本当に幸せすぎた。
お仕事をして、母と一緒にご飯を食べて、TVを見る。そして、ゆっくりお風呂に入って、寝る。今はそれが全てできない。お風呂も下痢のせいで不安になりながらシャワーを入っている。寝ることも、家ではないので、とても不安な気持ちで、睡眠薬なしでは寝れなくなってしまった。でも、前回入院してたときは、早朝に叫んだり、泣いたりする患者さんはいたけれど、この入院先では、そういう人は一人もいなかった。だから、前回よりは寝やすい環境ではあった。

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