尾瀬で食べるということ(前編)
ー尾瀬では人が遭難すると、
その夜山小屋でステーキが振舞われるそうです。ーそんな噂を聞いてから尾瀬への関心が強まっていた………。
嘘です。
そんな噂とは関係なしに今年の夏はどうしても尾瀬に行きたいという衝動に駆られていた。
至仏山に登った時に山の麓を歩いたことがあったが、山の上から尾瀬を眺めたときに、尾瀬の広さには驚いた。ほんの一角を掠めただけだった。
それから一度は尾瀬の湿原を歩いて夏の清々しさを感じてみたいと思っていた。
また、尾瀬に魅力を感じていたもう一つの理由として、尾瀬小屋の料理にあった。
尾瀬では何箇所がまとまって山小屋があり、そこでは各々食事をすることができる。
その山小屋の一つに尾瀬小屋というところがあり、そこでのステーキ丼に憧れがあった。
夏の尾瀬歩きを満喫
今回の尾瀬歩きは戸倉からバスで鳩待峠まで向かい、尾瀬の木道をひたすらに進んで尾瀬小屋でステーキを食べて帰ってくるというコースにした。
往復で約18キロ。楽ではないが頑張ればいけると思い予定を立てた。
よく考えてみたら尾瀬を横断することになっていて、後々少しハードだったなと思った。
夏真っ盛りの8月上旬。
尾瀬では気温が21度ととても涼しかった。
湿原の植物が青々と育ち風でそよいでいたのがとても気持ちよかった。
また、辺りにはプロポリスキャンディーのようなハーブの様な甘いような香りが漂っていて、これが尾瀬の匂いか!と驚くほどにに強い香りがしていた。
帰ってから調べてみるとシナモンの様なハーブのような香りはヤチヤナギの香りだった。
植物には詳しくないので普段の山歩きではそこまで植物には気をかけていなかったが、尾瀬では匂いで現地の植生を感じられてよかったと思った。
クマを目撃
湿原のエリアに入って数分もしないうちに前方を歩いていたら人たちがクマがいる!と騒いでいた。クマはその声に驚いて逃げていった。
一瞬ちらっと影が見えたが思っていた以上にそばまでクマが来ていて怖かった。
本当は騒いではいけないのだが、実際にその距離で遭遇したら適切な対応は難しいと改めて思った。
尾瀬はクマの目撃も多いため至る所にクマよけの鐘があり、いつクマと鉢合わせてもおかしくはない。また訪れる人はみな熊鈴を鳴らして歩き各自対策はしている。
クマの棲家に人間が遊びにいかせてもらっているため、その辺はきちんとわきまえていつクマにあっても良い覚悟ではいたが、いざクマと対峙すると人間はあまりに非力で生かしてもらっていると思った。
クマだって闇雲に人間を襲うわけでなく驚いたときに防衛として襲ってくる。
なので、人間もクマを排除するのではく脅かさない様に節度を持って行動することが大切だと思った。
尾瀬レポートは長くなりそうなので前後編で分けてみようと思います。
前編、後編と読んでいただけたらと思います。