記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。

カーミラからリンバス7章を予想(予実差分析/考察)

リンバスカンパニー7章<上>のネタバレを含みます。


7章<上>感想

んん~~ついに始まりましたドンキホーテ回!正直はじめ1/3はいつもジェットコースターの登坂のようなものだと考えているので、やっぱりドンキの正義感だとか突っ走る性格だとか、前面に出ている感じがしましたね~。。まさかドンキソロ固定の負けイベがあるとは…(決闘)でも、この先ストーリーの中でそういう回が増えてもおかしくないですよね。どうしよう…屈折鉄道の如く、味方とドンキソロで戦う事になったら…絶対に面倒くさいぞ!(期待)

さて、ちょくちょく挟まるドンキホーテの昔の記憶と謎の劇中劇が印象的でしたが…原作のドン・キホーテに出てくる登場人物の名前もちょくちょく出てきたので、まずは予実差分析をしていこうと思います。

前回の予想についてはこちらから。↓

サンソン・カラスコ、早々に登場

予想通り、理髪師(床屋)は敵でしたね!まさか、あんな妖艶なお姉さんとは…(なんとなく例の太ももの太いお姉さんを思い出した)プロムンは凄いな!!個人的に理髪師の戦闘bgmがめちゃくちゃお洒落で好きです。衣装はフラメンコとかを意識しているのだろうか(スペインの話ゆえ)。理髪師うーちゃま、引きたすぎる。。

前回「(サンソン)カラスコ、絶対ラスボスだろ…」と呟いていましたが、早速登場しましたね。ただこやつ、やはり他の理髪師たちと目的を全く同じくしているかと言われると…微妙な所が有ります。。というのも、理髪師達はおそらく「ドンキを血鬼としての存在に戻したい」という考えで行動していますが、サンソンからは「騎士(冒険家?)としてドンキが活躍した記憶を植え付けたい」という目的が見え、時にはドンキの本来の記憶と乖離した劇中劇を体験させているような描写も見られるからです。時にはドンキの理想に沿ったシナリオにする事も…
そうなると、「なぜ月の騎士との冒険では、ドンキはあたかもお付きの者の如き描写がされていたのか」という所が気になりますが、それはおそらく月の騎士が本来はサンソン自身だからじゃないでしょうか。(原作ネタ)原作通りに行くとサンソンはドンキに対して執着を抱いているはずなので、ドンキの記憶が不完全であることを利用して自分の好きな方向に曲げようとしている可能性は捨てきれません。・・・てことは、今回は色欲に強い人格で行けば良いって事か~~?????

他にも、サンチョやドゥルシネアが名前だけ出てきましたが、声を出すことはありませんでした。また、ドンキの回想の中で①女の先生みたいな人(白文字)②多分人間との和平を目指した血鬼男(赤文字)③ドンキに靴をあげた村娘(薄い黄色)④青文字男(多分サンソン)が出てきましたが、正直どれがどの登場人物に当てはまるかは・・・わかりません。わんちゃんどれかが司祭なのかも?
そもそも、ドゥルシネアに至っては、原作ですら幻想の存在だったのに(ドゥルシネア姫はドン・キホーテの妄想上での思い姫。原作では、彼女のために旅を続けたと言っても過言ではない)都市でも存在しているとは…なんとなく、考え難いです。もし司祭・ドゥルシネア姫・サンチョパンサがこの回想の中に出てきたならば、血鬼=「原作でドン・キホーテの狂気を解きたかった人々」、それ以外=「ドン・キホーテの旅の助けとなった人々」という立場の違いを考えて、司祭=赤文字血鬼、ドゥルシネア=白文字先生、サンチョ=村娘 みたいな感じになるのでしょうか…。

そして、回想の中ではヴェルギリウスであろう声も出てきました。ヴェルおじが明確に「3番目の囚人」と「ドンキホーテ」を呼び分けていたことからも、リンバスカンパニーと契約をした人物が血鬼としてのドンキである可能性が濃厚になってきましたね…。

まだまだ分からないことが多いので、次回に期待ですね。

カーミラも必修科目?

さて、思ったよりも血鬼=吸血鬼という存在が今回の物語で強く前に出てくるので、カーミラを基に7章の予想をするとどうなるか、考えていきます。
(ワープ列車を終えた時は、吸血鬼ドラキュラが基か?と思っていましたが、EGOの発表でミルカラ・・・ってことはカーミラ元ネタか!と分かりました。。)

もしカーミラをご自身で読みたい場合はここから先、進まないでください。

カーミラとは何ぞや

小説「カーミラ」は、ローラ(お嬢さま)の家にひょんなことから美少女・カーミラが預けられることになるのだが、一緒に暮らすうちにカーミラの奇妙な性質が明らかとなり…という物語です。
さらに詳しく説明すると、カーミラと暮らすローズは徐々に衰弱します。ローラはなんと医者に「原因は吸血鬼だ」と診断され(もちろんそこまであけっぴろげではないですが)、娘が吸血鬼のせいでローラと同じく衰弱し、亡くなってしまったという将軍(ローラ父の旧友)とともに吸血鬼の原因を解決しに行きます。かつて吸血鬼が跋扈していたカルンシュタインの城で、ミルカラ(カーミラが人間であった頃の名前)の墓を探し出し、改めて心臓に釘を刺し、完全にミルカラ=カーミラを死に至らせることでローラの体調も戻り、救われる事となります。

カーミラは吸血鬼ですが、日中も活動し、表情は生き生きとしていて、怪物とは思えません。ただし、讃美歌を嫌い、八重歯(牙?)をからかわれると逆上し、時にはとんでもない怪力を持つ様子を見せます。
更に、カーミラは普段非常に虚弱ですぐに疲れてしまいますが、ローラなどの女の子から生気を吸い取るのか、相手が弱るほど生き生きとしてきます。
また、カーミラは元々ミルカラ(Mircalla)という名前でしたが、時にはMillarca、時にはCarmillaと名前をアナグラムで変え、か弱い女の子として匿われながら、家を転々として生き延びています。…ま、エスターみたいなものですね。ちなみに、小説の中で「吸血鬼には制約があり、例えばカーミラは名前がアナグラムでないといけない」とあり、これは吸血鬼の特徴のようなものと言われています。もしこのような設定が血鬼にも反映されていたら面白いですね。

さて、カーミラの物語から7章の人間関係を考えてみます。

やっぱりサンチョは死んでいる?

やはり考えたのは、「サンチョはもう生きていないのではないか」という事です。これは前回の記事でも書いたようにEGO名から推測できることなのですが、カーミラの設定がもし7章に反映されるならば、以下のような推測が出来ます。

サンチョは血鬼に呪われた存在

カーミラの中で、吸血鬼は以下のような特徴があると描写されています。

吸血鬼は恋情に似た一途な激しさで特定の人物に魅了される傾向があります。そうした相手を追い求める際には、不屈の忍耐力を持って果てしない策略を講じます。特定の対象に近づく際には種々の邪魔が入り得るからです。吸血鬼はその情欲を満たし、好きでたまらぬ犠牲者の生命を吸い尽くすまで、けしてやめることはありません。

カーミラ レ・ファニュ傑作選、光文社古典新訳文庫

カーミラの物語の中では、カーミラはローラに魅了された、と考えることが出来ます。(ローラはカーミラと6歳の頃に実は邂逅しており、ローラは夢だと考えるしかなかったのですが、おそらくその頃からカーミラはローラを狙っていたのでしょう。ちなみに、作中でローラは19歳になっています)
この「魅了された相手の命を吸い尽くす」というのを、ドンキとサンチョに当てはめる事も出来るのではないでしょうか…。もし血鬼時代のドンキがサンチョに魅了され、(意思にかかわらず)サンチョの生命を奪う結果となってしまっていたら。相手の命=血を武器に戦う、「ラ・サングレ・デ・サンチョ」の意味も通るかもしれません。

血鬼ドンキを倒そうとする存在?

また、カーミラはラストで吸血鬼カーミラを倒して物語が終了します。そこで、カーミラベースで7章が進むとしたら、ドンキの敵となり得る存在は以下の2通り考えられます。

①サンチョの父、あるいは保護者
これは、ローラ父の旧友・シュピールスドルフ将軍が、娘のベルタがミラーカ(カーミラの前身)に魅入られて殺され、吸血鬼カーミラを倒そうと躍起になっていたためです。もし、サンチョにベルタの設定が重ねられるとするならば、ベルタパパ的存在も出て来てもおかしくありません。動機がありすぎる。。

②血鬼時代のドンキホーテのパートナー…の子孫
カーミラは、ミルカラ(人間であった)時代に吸血鬼に襲われ、吸血鬼化ししまった存在です(物語の中で、このように吸血鬼化する存在は、大抵が墓の中で吸血鬼となるとされています)。彼女には恋人がいましたが、彼はミルカラが墓の中で吸血鬼化する疑いを掛けられて、死後の処刑を以て遺体を汚されてしまうという恐れを持っていました。そこで、恋人の彼はミルカラの遺体を遠い地に運ぶと嘘をつき、墓を隠すことにしました。しかし、自らの行動を深く悔い、恐怖と罪悪感に動かされて懺悔録を書くこととなります。この懺悔録が末裔まで受け継がれ、現代の子孫が記録を基に墓を暴き出し、実際にミルカラを死に至らしめることとなります。
なんだか…めちゃくちゃフィクサーにこういう人居そう!と思いました。代々吸血鬼を研究する家系とか、あってもおかしくなさそう。このような存在が、ドンキホーテの前に立ちはだかる可能性も、考えられます。

最後に

ワープ列車のラストで、吸血鬼?!聞いてないよ!!となり慌てましたが…正直、どのくらいカーミラがストーリーに絡んでくるかは、いまいちわかりません。。血鬼の設定に絡んでくるだけかもしれない。ただ、原作の中で描写された吸血鬼の設定は、書かれた時代にしては結構斬新で(怪力設定とか、美少女設定とか)かの有名な吸血鬼ドラキュラとは全く異なる印象を与えられます。吸血鬼を追求する一族の祖先が吸血鬼をかくまったとか、最近のアニメにも有りそうだし…。物語自体もどこか不気味なロマンチックさを湛えており、魅力的だと感じました。気になったら、原作を読んでみるのはいかがでしょうか。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?