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旅に美味しいという調味料をかければ楽しい思い出ができる。

人間というものは、日常で見ていたり感じたりするものに対して特別に「楽しい」や「感動する」という感情を抱きにくいもの。

そんな日常を一旦外に置き、非日常を味わえるものが「旅」というものだ。

寺社仏閣、大自然、インスタ映えスポット、キャンプ、ドライブ。様々な旅の目的はあるが、必ず付随してくるものがある。

それが「食べること」である。

食べることも旅の構成要素のひとつであり、旅の中では決して外せないイベントのひとつだ。

美味しさの度合いはもちろん、作ってくださった方やお店の方との会話、食べ物のインパクトやどのタイミングでどんな話の中で食べたのか、食べた後の気持ちもすべて「食事の思い出」になる。

では、食べたご飯が美味しければ美味しいほど思い出に強く残るのかと言えば一概にそうではないと考える。

もちろん、有名店の○○という方が作った~とか、地元で大人気の~とか確実に美味しそうと思えるものを食べ、大きな満足を得るのもひとつの食事の思い出だが、「楽しい、嬉しい、感動といったプラスな気持ちの中で食べるごはん」というものが「美味しい」を引き出し、楽しい思い出として残るのではないだろうか。

そう思う理由を、私の体験を元に挙げていこう。


高校卒業したある年の3月末に、昔から仲の良かった友達3人と共に京都旅行に行った。

私の希望で京都旅行になったのだが、みんな納得して始発の電車に乗り、京都旅行を満喫した。

道中友人のカメラが壊れたり、私が泊まったホテルの部屋の中でガラケーを紛失しかけたりとハプニングがありつつも楽しい寺社仏閣巡りが出来た。

そしてその日の夜、晩飯何を食べようかとホテル周辺を探した。

高校生という事もあり、たくさん食べたいけど金銭的に京料理とかは難しい…と思いながら探していると、ご飯お替りし放題で値段も安価な定食屋のチェーン店を発見した。

このチェーン店、全国展開されているがこの時の私は入店をしたことがなかった。どんな味なのか、どんなご飯が出てくるのか未知の領域だった。

定食屋と言えば唐揚げじゃないかと思っていたのか、唐揚げ定食を注文した。

えっ……うまっ!!!

サクサクジューシーの唐揚げに美味しい胡麻ドレッシングがあえてあるサラダ、温かいみそ汁、そしてお替りし放題のご飯。

こんな定食屋あったんだ!

美味しいご飯をかき込みながらその日の思い出やハプニングの笑い話、高校生活の思い出を語らい、とても楽しい時間が過ごせたことを今でも覚えている。

初めての体験、面白い語らいの時間、幸せな気持ち。

ここに美味しいご飯が揃って「楽しい思い出」が作られたのだ。

余談だが、このことがきっかけで好きになり、今でもこの定食屋のチェーン店に足を運んでいる。


旅の中で味わえた美味しいと楽しいが組み合わさり思い出となった。

旅だからこその時間や空間、そこに美味しいが加わると楽しくて大切な時間になることを、今回のテーマを見た時に思い出した。

満腹感と非日常(旅の時間)を味わうという両方の幸せを文字通り噛みしめることができるのは楽しい食事の時間である。

今はまだ旅が満足にできない状況ではあるが、また楽しい時間と美味しいご飯をどこかに味わいに行きたいものだ。


「おいしいはたのしい」


そんな思い出を、もっとたくさん作っていきたい。

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