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「ソフトウェアレビュー勉強会 レビューワーク11 ~最新のレビュー観点導出手法をやってみよう!」に参加してきました

2023年6月26日(月)に開催された「ソフトウェアレビュー勉強会 レビューワーク11 ~最新のレビュー観点導出手法をやってみよう!」に参加してきましたので、その内容を共有します。

おことわり

  • 今回のレポートは非公式的なものであり、自分なりに整理したものです。

  • 「こんなこと言っているんだな~」と思ってみていただければと<(_ _)>

まとめ

  • SAKE Methodはステークホルダーの関心事からレビュー観点を導出する技法で、広く洗い出したいときに活用できる

  • アプローチとしてレビュー観点を導出するフェーズと補充するフェーズがある

  • はじめての人やレビューに慣れていない人はベテランレビューアとモブワークすることでドメイン知識の向上を図れる

テーマ:「SAKE Method」~ ステークホルダーのアクションと関心事に着目した観点導出手法

  • 今回はソフトウェアレビュー観点導出技法である「SAKE Method」を使ってみる会でした。

イベント概要

今回は、2022年のSQiPシンポジウムで Best Paper Future Award を受賞した「SAKE Method」をご紹介します!
SAKE Method は、ステークホルダーの関心事やアクションに着目して、レビュー観点を導出する手法です。
論文の執筆者の一人である樋口さんをゲストにお招きして、手法を説明して頂きながら、実際に手法を段階的にワークにて体験して頂きます。

レビューワーク11 ~最新のレビュー観点導出手法をやってみよう!~ イベント概要(一部)

SAKE Methodとは何か

SAKE Methodは「Stakeholder Action Kanshingoto Extraction Method」の略で、ステークホルダーが活動するときに抱える関心事からレビュー観点(※)を導出する技法です。
レビュー観点を広く洗い出したいときに活用します。
SQuBOKで言うと、技術的な観点の技法になりますね。

(※)レビュー観点≒レビュー対象がどうあるべきか


私はソフトウェアシンポジウム2022で拝聴し、活用したことがありました。(その時は自分が作成した成果物のセルフチェックで使いました。)

個人的には抜け漏れを発見できたため、効果的な技法だな~と思っています。

SAKE Methodのレビュー観点導出アプローチ

大きくわかって2Stepあります。

  • Step1:レビュー観点を導出するフェーズ(本勉強会で取り上げた部分

  • Step2:レビュー観点を補充するフェーズ

Step1:観点導出フェーズ

① ステークホルダーの抽出

さまざまな視点からレビュー観点を考えたいため、対象のソフトウェアにかかわりがあるステークホルダーを洗い出します。

プロジェクトの体制図、対象ソフトウェアのライフサイクルにかかわる人や意図しない結果を生み出すユーザー等があげられます。

② アクションの抽出

各ステークホルダーが対象ソフトウェアを使って、目的を達成するために行うアクションを洗い出します。
ここの粒度としては、ユースケース単位が望ましいとのことです。

③ 関心事の抽出

各ステークホルダーがアクション実施時に抱く関心事を洗い出します。
以下のポイントを意識して、関心事を洗い出します。

  • アクション前にどんな状態であってほしい/あってほしくない

  • アクション中に気にすること

  • アクション中にどうなってほしい/どうなってほしくない

  • アクション後に何がしたい?

  • アクションの動機/目的

  • 疑問(○○とは何か、○○はどうだろうか)

この辺りはユースケース記述の事前条件/事後条件に近いところがあり、洗い出しやすそうだなと思いました。

④ レビュー観点の導出・粒度調整

③で洗い出した関心事からレビュー観点を導出します。
レビュー観点の粒度は、レビューアが該当箇所とあるべき状態を想起できるレベルが良いとのことです。

自分はついつい「○○の検知機能の詳細条件が正しいか」みたいなことを書いて、明日には詳細を忘れることがあるので、ここは気を付けたい所です。

Step2:観点導出フェーズ

ここでは導出したレビュー観点を体系的に整理し、レビュー観点特性表を活用して補充します。

  • ① レビュー観点の体系的整理

  • ② レビュー観点の補充

このステップは本勉強会では紹介していません。
詳細は参考資料の論文や発表資料を確認してください。

論文や発表資料には他のレビュー技法(Role Based Review、Perspective Based Reading)との比較も記載していました。

SAKE Methodの補足

本勉強会ではSAKE Methodに関する質疑応答や補足説明もありました。

この技法ではステークホルダー、レビュー観点の優先順位付けは行わない

あくまでもレビュー観点を導出するための技法のため、SAKE Methodの後(レビューアに観点を割り当てる時など)で優先順位付けを実施するとのことです。

レビュー観点導出フェーズではマインドマップを推奨

さまざまな関心事を洗い出すため、スプレッドシートより発散しやすいマインドマップを使うと良いとのことでした。
自分も以前使ったときはマインドマップでしたね。

レビューがはじめて/慣れていない人はベテランレビューアとモブワークすることを推奨

はじめての人がいきなり、ステークホルダーや関心事を広く洗い出せないため、最初はベテランレビューアとドメイン理解をしながら、実施すると良いとのことでした。

ワークショップ

本勉強会ではSAKE MethodのStep1を仮想の製品で体感するワークショップを参加者全員で実施しました。

お題が宇宙で使う時計とのことで、いつも扱っている業務とまったく異なるため、レビュー観点の導出が難しく感じました。
ただ参加者の方々がいろいろあげていて、「なるほどそういう関心もあるな~」と思うことが多く、皆さん優秀だな~と。。

このワークを通して、ソフトウェアレビューではドメイン知識がないと効率的なレビューはできないなと感じました。

また、SAKE Methodはいろんな人の考え方や足りないドメイン知識を知る良い機会になりそうと感じました。
(補足であげていたモブワークを推奨する理由もなんとなくわかりました。)

おわりに

本勉強会はいろいろありましたが、個人的にはいろんな人の意見も聞けたり、実際に使うことでSAKE Methodのメリットも実感できたりととても有意義だったなと感じました。

また別のレビュー技法も聞いてみたいです。
次回は7月か8月とのことでしたので、日程が合えば参加したいと思います。

参考資料

SAKE Methodについて

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