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019.【Mリーグこぼれ話】視聴者として、いち麻雀ファンとして、『あの失言』への向き合い方を考える
※この記事は風茶の価値観が多分に含まれます。あくまで視聴者目線での考えを述べたものになります。ご了承ください。
※1/31追記:記事中にて誤った表記がありましたので、追記修正いたしました。リサーチ不足でした。大変失礼いたしました。
どうも、風茶でございます。
お久しぶりです。
最近投稿が出来ておらず申し訳ありませんでした。
投稿が途切れた中でも密かにMリーグをはじめ麻雀の放送対局などもちらほらと観てはいました。
やっぱり麻雀は自分がやるのも面白いし、プロの対局を観てると勉強になります。
さて、そんな中で2025年がスタートしたわけですが、早速といいますか、少し気になる事件がありました。
BEASTマイナス1000?いえいえ。
堂岐さんの役満放銃&2試合連続放銃(未遂)?いえいえ。
「麻雀のことわからんくせに」事件です。
先に言っておきますが、この件について当事者を一方的に非難、あるいは擁護という形で論ずるつもりはございません。
というより、いち視聴者としては(ここ重要⚠️)、この件自体については当事者の謝罪、双方の対応がそれなりにあるならそれで終わらせるべき話だと思ってます。
プロとしてという部分は、後に紹介させていただく堀プロのコラムをご覧いただけたらと思います。あくまで僕の方では、いち視聴者としてこの件とどう向き合うべきかという観点でお話ししたいと思っております。
僕が今回言いたいのは『事件』の後に懸念されることについてです。
現状すでに危ない部分が顔を出しかけてると感じたので、久しぶりに舞い戻ってきた次第です。
🔥発端
事件が起こったのは1月24日(金)のMリーグ。
第1試合を終え、トップをとった渋谷ABEMAS・日向藍子選手のインタビューのさなか、YouTubeで行われたKADOKAWAサクラナイツのオンラインパブリックビューイングでその様子が放送されました。
日向選手とインタビュアーの伊藤友里さんの問答が繰り広げられる中、その前のチームメイト・堀慎吾選手のインタビューを聞き終えたサクラナイツ・岡田紗佳選手が自身のスマホを触りながらポツリとある言葉を呟いたのです。
「パキパキしゃべれんかね」
「麻雀のことわからんくせに」
内容からもプロではないインタビュアーの伊藤さんに向けた言葉ではないか、というのが何となく想像できましたが、その瞬間はチームメイト、監督も楽屋内のモニターでインタビューを見ていたこともあり、発言に対しては特別何らかの反応はありませんでした。
岡田選手といえば、猛者のひしめくMリーグの中でも若手でありながら、歯に衣着せぬ正直な物言いもひとつのキャラクターとして浸透しているのかなと思います。
もしもではありますが、「パキパキしゃべれんかね」で止まってれば、正直言ってそこまで炎上レベルにはならなかったと思います。
しかし、今回はもう一言多かった。
「麻雀のことわからんくせに」は、プロでない伊藤さんに対しての言葉としては、あまりに辛辣で下に見た発言でした。
🎤異色の存在・伊藤さん
Mリーグのリポーターは現状3人(Mトーナメントでの新榮プロを含めれば4人ですが)。初期からのメンバーとしてまつかよこと松本圭世さんが務めていました。
彼女はてんパイクイーンでも決勝に進むなど実力も確かで、プロではないものの、その語りと雀力に基づいた質問力でMリーガー達への質の高いインタビューを今も我々視聴者に届けてくれています。
また、もうひとり、最近リポーターとしては連盟所属の襟川麻衣子プロも加入。こちらは言わずもがな、プロとして麻雀の内容にもしっかり切り込める人物なので、プロ初の抜擢となりましたが、滞りなくインタビューをされている印象です。
対して伊藤さんについては、他の2人と比べてゆったりとした話し方が特徴です。それもまた彼女の魅力でもあります。
ただ、先述の2人に比べると麻雀との関わりがあまり表に出ない人で、かつ当人はXをされていないこともあり、情報が視聴者に届きにくい人物でもあります。
実はかつて多井隆晴プロの麻雀教室『たかはる塾』に姿を見せるなど、麻雀を学ぼうという姿勢は見せていたようですが、どうしても先の2名と比べてしまうと、麻雀の知識的な部分では追いついていない部分はあるのかも知れません(と言いつつも、インタビューができる程度には知識をお持ちだとは思います)。
💭ふと出てしまった『上からサヤカ』
さて、話を戻します。
問題のシーン。
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本当にふと、何の気なしに。
そんな風に見えました。
いわゆる失言というのは、得てして気の抜けた瞬間、ふと自然に出た言葉だったりするものです。
だからこそ、それが本心と言われてしまったりもするのでしょうが……
先程も申し上げた通り、一言で済んでいれば、
「おかぴー相変わらず言うねえ」
で笑って終わりのはずでした。
しかし今回はもうひとつ内側に秘めていたものが出てしまった。
人によっては『気の強さ』、人によっては『上から目線の嫌な部分』に映ってしまった。そんな話だと思います。
嫌味な言い方になったと思いますし、発言については本人も後に『自分が悪い』と認めています。
しかし昨今、特にSNSにおいてはそこを突っつく人間が一定数います。
前期は大きなプラスを作った『岡田様』も、今期は年を越えてもノートップ。苦しむアフロディーテが、チームメイトがラスを引いてチーム状況が悪くなる中ポロリとこぼした一言。
そこに転がった火種に油を撒こうとする連中が、しっかりこの話に食いつきました。
彼らは『人のミスをあげつらう』ことには天才的なスキルと使命感を持っていますので、いざ標的になれば燃え尽きるまで矛先を向けられます。
この話はやがてネットニュースにもなり、その火はみるみる広がっていきました。
📃公式コラムにみる堀プロの思い
後日、岡田選手のチームメイトでもある堀慎吾選手が公式のコラムを公開しました。
このコラムは全文無料という形で公開されていますので、僕もXに投稿されたリンクより拝見いたしました。
※当該リンクはサクラナイツのXにてポストされてますので気になる方はご覧になってください。
堀慎吾プロ。
実績、安定感、時に見せる考えられないほどのファインプレー。卓上を飄々とコントロールする彼の姿を見た者は、彼を天才と呼びます。
そんな彼は、思ったことをストレートに、愛と毒をもって伝える、唯一無二のキャラクターの持ち主です。
自分の姿は、業界の後輩である岡田選手にとって『悪い見本になってしまった』と彼はコラムで語っています。
自分のキャラクターを傍で見続けた後輩に、少なからず影響を与えてしまったと。
加えて、岡田選手の発言への炎上はなぜ起こったか、彼なりの思考で言及されてました。
内容についてはここで詳しく紹介するのは控えますが、決してチームメイトの岡田選手を過剰に非難したり、逆に擁護するのではなく、彼らしい言い回しも含めながら、プロとしてあるべき姿はこうではないか、と冷静に状況を分析しながら語っておられました。
僕は思うのです。
そんな堀選手だからこそ、今回の件についてここまで言えるのではないかと。
今回の件に関して、「岡田、気をつけないといけない部分がわかっただろう」と言っていいのは、近い所にいて、かつ、その線引きを理解し、倒れた仲間の手を引っ張ってあげることができる人物です。
堀選手は、岡田選手の発言に矛先が向いたこの状況において、その手を引く役を自分たちがやらなくてはならないと言っているような気がします。
もちろん、チームメイトである内川幸太郎プロや渋川難波プロ、森井巧監督も含め、チームで前に進むという意思表示にも見えました。
📺視聴者としてどうあるべきか
1月28日のMリーグにて、岡田選手が登板。結果は4着で、インタビューエリアに立つ機会がありました。
そこで岡田選手自身から、伊藤さん、そして視聴者に対して謝罪が行われました。
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あくまで所感ですが、僕はいったんなすべきことは行われたと思います。
ただ、まだ伊藤さんと直接のやりとりがないので(この日のリポーターは襟川プロでした)、後日我々の目に見える形で再度謝罪が行われるか、あるいは当事者間で話し合うのかはわかりませんが、とりあえず自身の置かれた状況とやるべき事は理解し、それを実践した姿は見せていただいたと思います。
今一度言います。
視聴者としては、これでこの件はいったん終わりです。
もし追加で直接の謝罪の機会があっても、直接言えてよかった、で充分です。
この件に限らず、こういったトラブルにおいては必ず一定数、世の中大勢の中にいて気に食わぬ者、自身が悪と認めた者に対して、何らかの制裁を加えることを望む人が存在します。
彼らは信じているのです。
自分達の目の前にいる人物は自身の抱く理想の姿を維持するべきだと。
そこから逸脱した者は罰を受けるべきであると。
相手が悪なのだから鉄槌を下すことは正義であり、それを行う自分には正当性があると。
相手が謝罪したということは罪を認めたのだから、自分もまた断罪する権利を得たと。
そんなわけねーじゃん。
視聴者は神様ではなくあくまでも部外者の域を出ない存在なんですよ。
ちょっとそこらで起こった問題に首突っ込んで、こぞって悪いと思った方をぶっ叩く権利なんて誰にだってあるわけがないでしょうが。
もちろん、問題が起こった時に声をあげることで、相手の気づきになることは多々あるでしょうが、せいぜいそこまでです。
起こった事に対して不快感を感じることもあるでしょうが、それを噛み砕くのはそれを感じた人間のやることであり、仮に相手がそれに気づいてそれなりの対応があったなら解決するレベルの話がほとんどのハズなのです。
相手を完膚無きまでやりこめて、果ては当事者の人間性にまで口を出すのは、明らかなマウント行為であり、やりすぎです。
昨今は特にSNSを中心にそのラインに足を踏み入れる『一般の誰かさん』達が増えてきているように感じます。
何も言うなと言ってるのではありません。
やり過ぎになるラインを見誤っちゃいけないよ、と言っているのです。
岡田選手の謝罪のタイミングでも、ABEMAのコメント欄には賛否の声が入り交じってました。それ自体は個々の価値観もありますし、それぞれの意見があってしかるべきだと思います。
しかし、それ以上に当事者たる岡田選手、チームメイトや関係者に対して、個人の感想の域を超えた中傷ともいうべき心無い言葉が浴びせられるなら、その権利は部外者たる我々視聴者にはない、とハッキリ申し上げます。
問題が起こった時、我々にできることは問題点を考察し改善できるように手助けするのみ。自ずと言葉も選ばなくてはいけなくなります。
ここぞとばかりに相手を下げる行動や言動があるなら、その目的は果たして何なのでしょう。果たしてそこに問題解決や現状の改善などという考えがあるでしょうか。
必要以上に攻撃的な発言をする人が何を考えているか、それが果たして本当に適正な言動なのか、少し考えればわかると思います。
これが僕が視聴者の立場ではこの件は終わりと言う理由です。これ以上はもう我々の口出ししていい領域を超えてしまう。それ以上踏み込む必要もなければ、踏み込んだところで余計な傷を増やすだけなのです。
ファンを名乗るなら、理想をただ相手に求めるのではなく、見守ることでも話を聞くでもいいから、前へ進む手助けをすべきです。
理想からかけ離れたから潰してしまえ、というのは個人の気を済ませたいだけで、そんなのはファンのすることではありませんから。
Mリーグのいちファン、いち視聴者として、岡田選手が、サクラナイツが、Mリーグが、今回の事を本当に糧にして前へ進めるように願うばかりです。
⚠️最後に
今回のような件は、今までで何度もあったことだと思います。
人、場所、タイミングが変わっただけで、何度も言葉のナイフがかざされ、酷い時は人が亡くなることもありました。
いつだってそこには誰かしらが傷つく結果が待っていました。
それでもなお、まだ顔の見えないのをいいことに同じ事を続ける『名も知らぬ人』がいて、不必要な傷だけを残して消えていく。
今回もその懸念がありましたし、実際にいろんな言葉がすでに投げかけられています。
確かに発言はされたし、言葉は元には戻りません。
それは、我々とて同じのはず。
やっちゃダメだと言うのなら、自分たちもその身を正した上で対応するのが当たり前だと思います。
さて、個人的には終わりとは言ったものの、ひとつだけ心配な点があります。
今回インタビューしただけで思わぬ火の粉を被る羽目になった伊藤さんについてです。
現段階(1月29日夕方現在)では関連のアナウンスはありませんが、当人も今の状況は把握していることと思います。
彼女からすれば自分に向けた言葉で仕事仲間が炎上している状態です。自分が思わぬ形でトラブルに関わることになった現状は、精神的にもあまりよくはないのかなと思います。
個人的には、しっかり和解してわだかまりもない、そんな姿を見せてくれたらこちらとしても安心しますが……まあ、それは彼女たちに任せようと思います。
さて、長々と話してしまいましたが、今回はこの辺にしておこうと思います。
僕も含めて、すべての人が至らぬ事を口にしてしまうことがあるかもしれません。
この記事においても、僕の舌足らずな部分もあったかと思います。
しかし大事なのはミスを次にやらないことですから、正しい対応はそれを支援することであり、間違ってもミスを引きずって半永久的に相手を抑え込むような真似だけはしないように。
ファンで、視聴者であるのならば。
それでは。
P.S.
誹謗中傷で気分が良くなるようでは、ぶっちゃけ人間終わりだよ?悪い事言わんから本当にやめときなね。