『僕をみつけて』から始まる創作note
こんばんは。かわいいコンビニ店員飯田さんの池内風です。
今回、2月に行う公演『僕をみつけて』に際し、創作noteを書いていくことに致しました。
不定期でありますが、体力の続く限り書きたいと思います。
創作noteについて
こちらの記事は有料とさせていただきます。
そしてこの記事で頂きましたお金(購入時に『チップ』として追加くださった金額も含め)は、noteシステム費、手数料を除いた全て『僕をみつけて』の俳優の出演料に上乗せする形で、均等に分配させていただきます。
この創作noteでは『僕をみつけて』の公演を通す中で、最近演劇の活動を行う上で考えている業界のこと、演劇そのもの、演出、脚本、演技についてなどお話しできたらと思っております。
テーマ
今回はどうせならこのテーマです。
『俳優への出演料について』
これは小劇場では常に物議を醸し出すトピックです。
私は主宰でもありますので、予算を組んでどうやったら黒字になるかを考えます。
このBlackboxに焦点を当てると思っただけでじわじわ汗が出ますが、せめぎ合いの中で組まれていくこの予算。
フルキャパでのチケット総数に合わせた収入に対して大体65〜70%くらいの支出で抑えられれば理想的だなと思っております。
しかし現実はそうもうまく行かず、クラウドファンディングの際にも話した通り、消費税も上がり、電気代も上がり、物価も上がり、人件費も上がりとなるとこれまで70%で収まっていたものは当然収まることもなく、時には90%を超えることもあります。
どれだけ削ってもこうなることがあり、予算組みが悪いと言われればそうかもしれませんが、削れるところはかなり削ってもこうなります。
それでも、一番創作の時間を費やす俳優へのギャラを少しでも上げたいという気持ちが最近は特に強くなり続けています。
俳優への出演料を上げる理由
最大の理由としては、現実問題として活動を続けていくことが困難になるからです。
魅力的な方も強烈な才能がある方もお金がなければ活動できません。
俳優がいなければ、小劇場界自体が終わっていくかもしれないと常々思います。実質的なお金の不安は、時に貪欲さを生み出したりすることもあると思いますが、それによって突き進める時間にも限界があると思います。
僕は演劇を始めたのが遅いので芸歴はまだ14年程度です。
その中でも過去には赤字で瀕死になり、クレジットカードの限度額まで借りたこと、公演を打つ度にバイトの時間が長くなること、書いても書いても広く認められないこと、家から出たくなくなることなど、少ない活動期間の中で「辞められたら楽だな」と思ったことは星の数ほどあります。
それを、全てハングリー精神で乗り越えたというわけではありません。
人との巡り合わせで『運が良かった』という部分も多かったです。
期待してくださり、応援してくださり、手を差し伸べてくださる方がいて、その方の期待を裏切りたくないなと思ったり、簡単に辞めて自分を嫌いになりたくないなと思ったりと。でも目的を失い、闇を彷徨う中でただただなんとなく続けた時期もあります。
『お金の不安があると人間は、ありとあらゆる選択肢を奪われる。』
これは前回の作品『空腹』を描く上で重要なポイントの一つでした。
今作っている作品『僕をみつけて』にも、やはり貧困と社会の厳しさを痛感しながら生きている登場人物がいます。
今回の作品はもっともっとポップでふざけた内容ですが、人物造形を俳優と話していく中で心がどす黒く曇る瞬間が幾度もあり、この作品でも『貧困はあらゆる選択肢を奪っていく』と感じております。
ですので、貪欲さを担保にしたモチベーションの維持は賞味期限があり、少しでも環境を整えないと志の高い方も辞めざるを得ない状態になってしまうと感じております。
ですので、創作に一番関わる俳優に少しでも出演料を増やすことをしないと小劇場界自体が厳しい状態になるのではと考えております。
製作側から見た悩み
さぁしかし、ここでアンビバレントなのは、製作側からすると人件費を上げ続けるというのは赤字額が大きくなり、逆にこちらの活動が出来なくなる可能性が高まるといことです。それはまさしく本末転倒であり、予算を組むときは常にその折衷的な箇所をとって全体の俳優のギャラを決めることが多いです。
現在かわいいコンビニ店員飯田さんは俳優の出演料の総額を150万〜200万で組んでいます。ちなみに助成金はとっていません。
同規模の団体で予算に関わる方からしたら驚かれる方もいるかもしれません。まぁそんなもんだろと思う方も多いともいますし、意外と少ないなと思う方もいるかもしれません。しかし、今、僕らの規模で組める予算としたらこれが限界です。これ以上は破綻です。普通に。
ここで簡単にチケット代金を引き上げても、そもそもお客さんが足を運びづらくなり総収入はほぼほぼ変わらない状態になります。
そうした中で、今出せる総額がこの150万〜200万です。
でもしかし、だからと言って、今のこの金額が俳優にとって満足のいく金額かと思うときっとそうではないことも十分すぎるほどわかっており、ここからはチケット代以外での収入を得ていく必要があると考えております。
これはそれぞれの団体が常に苦労の末に見つけたやり方で収益を上げていっていると思っており、団体の特色によって異なります。
では僕らにあった方法はなんだろうかと考えた結果、創作の中でお金を得ていくことが大事なのではという考えに行きつきました。
改めて創作ノート有料化について
ですので、今回はこの創作noteで記載した収益と上演台本、および演出指示が記載された『プロダクションノート』(私が所属するもう一つの創作団体avenir'eが作成する作品の地図のような台本に演出指示の記載されているノート)を作成し、その売り上げを全て俳優の出演料に均等に分配しようと思っております。
どれほどのことを、それほどの頻度で書けるかもわかりませんが、一つ一つの記事を有料化していきますので、もしよろしければご購入いただけましたら幸いです。
以下から有料記事になりますが、内容は購入してくださった方への感謝の文章です。
では何卒よろしくお願い致します。
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