シリーズ:コロナと激動の消費者心理【7-9月期調査⑤】男性の働いている時間はついに増加傾向へ転換か。女性は減少傾向を維持
企画・製作 株式会社矢野経済研究所 未来企画室
このシリーズでは、WEBアンケート定点観測調査(年4回実施)をもとに、日本の消費者の消費・心理・生活がコロナ禍でどのように変化したのかについて、気になるトピックを調査ごとにお届けしています。
当シリーズ投稿の趣旨や出典元の消費者調査につきましては、初回の記事でご紹介しておりますのでご覧ください。
働いている時間の変化
「働いている時間」の四半期前(3か月前)からの増減とその見通しを、「増えた」「変わらない」「減った」の3段階で調査し、時間の使い方のDI値を算出した。下図は性別の結果を示している。
今回7-9月期調査の働いている時間のDI値は、男性が49.9とほとんど50に近い値となった。来期の見通しとしては転換点である50を上回る50.3となっており、働いている時間が、今期から来期にかけて減少傾向から増加傾向に転換する見通しとなった。一方、女性の働いている時間のDI値は前回から0.2ポイント低下し、47.7となった。緊急事態宣言の対象拡大の影響を受け、サービス業等の対面接触を伴う業種での就業機会の減少の影響を受けたものとみられる。来期の見通しとしては、50.1となっているが、実現は厳しい模様だ。男性は一足先に増加傾向に転じる見通しだが、女性の働いている時間は依然として減少の影響を受ける見込みとなっている。
働いている時間の男女差
働いている時間DIの男女差は、2回目の緊急事態宣言が出された今年1-3月期と今回で大きくなっている。いずれも、対面接触を伴う業種での就業機会の減少を受け、女性の就業機会が減少し、その影響をあまり受けず順調に回復している男性に対して、後れを取る形となっている。就業機会回復には、ワクチン接種等による感染拡大の抑止が必須となるが、ワクチンの効果が疑問視されるなど、先行きが不透明な状況が続く。