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「えこひいき」して何が悪い!!
「本はワインのような商品になっていくのかもしれない」
これは、日経ビジネスの記事タイトルである。
本がワインのようなものになっていくとするなら、質が高く、内容の濃い本を読者に届けるには「ソムリエ」と「ワインリスト」が必要だろう。
ここでいうソムリエは、いわゆる独立系書店、そしてワインリストは店主の頭のなかにある知識だ。
ソムリエは、各々のワインの特徴、本質をつかみ、相手に一対一で最適なワインをすすめる。それと同様に、本のソムリエと名著がそろっている独立系書店に価値を見いだす動きは自然ともいえる。
トーハンが小規模書店(独立系書店)を支援するシステム「ホンヤル」を発表したことも、こうした書店ビジネスの方向性を示しているだろう。
独立系書店と出版社が、個人レベルでつながっていくこと、語弊を恐れずいうなら「えこひいき」がこれからの書店ビジネスのキーポイントになっていくように思う。
今や出せば売れる時代は終わり、どこの書店も「売れる本」、もっと正確にいえば「売れる確証のある本」を求めている。
売れる潜在力をもった本を探している書店員、売れる本にするための売り込みを必死にしている出版営業は、果たしてどれだけいるのか。本が市場に飽和している中、「売れる本」はもはや個と個のつながりでしかでてこないのではないか。
商売のためのコミュニティ(人付き合い)では決してないが、コミュニティの結果としての商売(本が売れる)に、書店ビジネスは大きく舵を切ると予想する。
書店は「平等」から「えこひいき」の時代に突入しつつある。