未来パパ|妄想教育家

まだ生まれていない未来の赤ちゃんに細々とメッセージを綴っています。

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  • 拝啓 まだ、生まれていない君へ。

    まだ生まれていない未来の赤ちゃんにメッセージを書いています。

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拝啓 まだ、生まれていない君へ。

1. 学校1-1. 勉強ってなんだろう 1-2. 良い大学に入れば人生上がり? 1-3. 自由を奪う場所としての大学 1-4. 偏差値で良い大学と頭の良さを測れるのか 1-5. 年収1000万より年収500万が高給? 1-6. 理系より文系が偉い? 1-7. 学校より協調性を育むのに優れた場所 1-8. 自分の頭で考える? 1-9. 考えるのは本当に自分の「頭」? 1-10. 職人さんの方が東大卒サラリーマンより考える力がすごい? 1-11. あらゆる問題

    • 親の檻をぶち壊して出て行ってくれ

      俺の教育目的である「幸福、自由、意味を創造できる人間になってもらう」ために考えていることを伝えてきた。 もう伝えることは伝えたつもりだ。 最後に、手短に1つだけ伝えよう。 それは、これまで俺が伝えてきたことは、ほとんど、あるいはすべて、君にとっては正しくないかもしれない、ということだ。 「最後の最後になんだよそれ」という感じかもしれないけど、俺が君に伝えてきたことは別に正解や答えじゃない。1人の人間の考え方でしかない。 だから、君はここで聞いたことを鵜呑みにするんじ

      • ニヒリズムから意味の創造へ

        人生というテーマの下、最後に伝えたいのは生きる意味についてだ。 俺は本来、生物には生きる意味はないと思ってる。生物は目的を持って誕生したわけではない。俺がこう考えるのは典型的な生物学を学んでいるのが大きく影響しているだろうから、君が違うと考えたってもちろんいい。とりあえず、生物はDNAという複雑な分子が、増殖しようとする力学が物理化学のレベルで生じ、その結果として生物というより不思議な存在が生まれたのだと思う。つまり、生物はDNAという化学物質の乗り物にすぎず、増えるための

        • 何からの自由を目指し、何からの不自由を受け入れるか

          自由になりたい こういうことを言う人は多い。けど、いったいなにから自由になりたいんだろうか。たぶん、自由を創造するためには、何からの自由を目指し、何からの不自由を受け入れるかということを考えなきゃならない。 生物は長い時間の中で、少しずつ自由を広げてきた。はじめは海の中でただ流れに身を任せて漂う存在だった。人間には想像がつかないくらい長い年月をかけて、波に逆らって自由に泳ぐことができるようになった。 植物がつくりだした酸素でオゾン層ができ、地上に降り注ぐ紫外線が大幅に少

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        拝啓 まだ、生まれていない君へ。

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          38本

        記事

          夢を守らないと自由を失う時代

          自由は、「自分の意思で好きに夢をみられること」だと言えるかもしれない。 夢とは、周りの目を気にすることなく、君の心の底から自分はこうなりたいと願う理想像のことだ。別に仕事としてお金を稼ぐことに結びついている必要はない。だって好きなことを極めることができれば、まず間違いなく、十分なお金は入ってくるようになるから。 世の中には「夢なんて子どもの持つものだ」という考えを持っている人が多い。不幸であり厄介なのは、そういう人がその考えを他人にも強制しようとしてくることだ。 君は大

          夢を守らないと自由を失う時代

          反抗、詩人、共有

          人間を不正に投獄する政府のもとでは、正しい人間が住むのにふさわしい場所もまた牢獄である。 これは、俺にとって自由な人の1つの象徴であるソローという人が残した言葉だ。ソローは市民的不服従の先駆者として知られる人で、彼は奴隷制度を認める州に対し税金を払うことを拒否し投獄された。彼は自分の正義を信じ、巨大な組織に対してもその正義を貫いた。彼の勇敢な行動は後にガンジーやキング牧師につながっていった。つまり、インドや黒人が獲得した自由と切り離せない人物だ。 ソローは2年と少しの間、

          起業という奴隷への道

          最近は「起業」がブームになっている。これは一見、自由の象徴的活動にみえる。でも、実はそうではない。起業してうまくいったとする。すると君の企業はどんどん大きくなる。従業員も取引先も増えてくる。君はある時点で気づく。君の人生が君の企業を中心に決定されていることに。ポール・グレアムという人は、「マーク・ザッカーバーグはフェイスブックを運営していると同時に、フェイスブックに運営されている」という発言をしている。 起業は、ただ突き進んでいけば自分の企業の奴隷になってしまう。自由になる

          起業という奴隷への道

          お金の奴隷のお金持ち

          前回:余白のデザインと感謝、愛、創造 3. 仕事 3-8. お金の奴隷のお金持ち感謝、愛、創造、連続と非連続、差分と余白。幸福の文脈でそんなことを話してきた。君に幸福を創造できる人間になってほしいという目的に対しては、きっと十分なことを伝えられたと思う。 そういうわけで次は自由について話したい。けど「自由とはなにか?」なんてやってたら哲学や政治、経済の思想史を読み解いていかなきゃならなくなる。それはこの手紙には荷が重すぎる。とは言っても、自由とはなにかについての部分的な回

          お金の奴隷のお金持ち

          余白のデザインと感謝、愛、創造

          前回:差分のデザインと幸福 3. 仕事 3-7. 余白のデザインと感謝、愛、創造メモや落書きを一生懸命しているノートにも、なにも書かれていない白いスペースがある。小説には、段落と段落の間に空白のスペースがある。映画には、クライマックスの後に音のない真っ黒い画面がしばらく映されたりすることがある。そういうのが余白だ。 デザインにおいて余白は、認識を容易にしたり、情報をより際立たせりする効果がある。小説や映画では、心を動かされた人に余韻を味わう時間を提供することで感動をより印

          余白のデザインと感謝、愛、創造

          差分のデザインと幸福

          前回:非連続を連続にすることの幸福 3. 仕事 3-6. 差分のデザインと幸福差分と余白。この2つは人生でデザインすべきことだ。この2つの設計が上手ならより幸福を生み出せる。今回は差分について。 差分ってのは、比べれる2つのものの差のことだ。例えば、俺の身長が180 cmだとして(本当はもう少し低いけど)、君の身長が150 cmだとする。そしたら、俺と君の身長の差分は30 cmだ。なにも難しくないよね。 幸福というテーマにおいて差分が重要になるのは、脳神経の仕組みのため

          差分のデザインと幸福

          非連続を連続にすることの幸福

          前回:創造による幸福 3. 仕事3-5. 非連続を連続にすることの幸福世の中は分類や区別、ラベリングにあふれてる。モノゴトを分類・区別して、それらに固有の名前をつける。このおかげで人間は高度なコミュニケーションが取れるようになった。けど、この分類とラベリングには罠もある。 人間は色々なことで対立する。ときには命を奪い合う。 白人と黒人 キリスト教とイスラム教 民主主義と社会主義 科学と宗教 健常者と障害者 健康と病気 いろいろな問題の多くが、分類とラベリング

          非連続を連続にすることの幸福

          創造による幸福

          前回:ノブレス・オブリージュと愛 3. 仕事3-4. 創造による幸福幸福を創造するための3つ目の鍵は創造だ。創造については仕事についての話の中で触れた。そこでは、競争の檻から脱獄するための鍵として話した。創造が素晴らしいのは、幸福を生み出すこともできることだ。 創造の起源を探れば、やっぱりこれも生存と繁殖に有利だったから育まれてきたということになると思う。高いところにある食べ物をとるとき、自分より力の強い動物を狩るとき、丈夫な住処をつくるとき、原始時代にも常に問題があふれ

          ノブレス・オブリージュと愛

          前回:感謝の閾値 3. 人生3-3. ノブレス・オブリージュと愛幸福を創造するものとして「感謝」について話した。次は「愛」だ。 これは一般に幸福と結びつきやすい概念かもしれない。「愛とはなにか」なんて考え出すとまた大変なことになるけど、簡単にいえば、「愛は、相手のためを真に考えた、見返りを求めない与える行為」なんだと思う。 例えば、俺が君を愛していると言ってプレゼントをあげた後に、なんらかの見返り(ハグとか肩もみとか?)を要求したら、君は俺の愛を疑うだろう。俺が君に好か

          ノブレス・オブリージュと愛

          感謝の閾値

          前回:偶然の産物にすぎない人間を救うもの 3. 人生3-2. 感謝の閾値幸福を創造する、というテーマでまず触れたいのは「感謝」だ。感謝ってのは「ありがとう」という気持ちを持つことだ。 人間は感謝すると幸福になれる。これは前に話した、創造することで幸福になれるのと並ぶ人間の素晴らしい才能の1つだ。人間が感謝をすると幸福になれるのは、人間が社会性生物として進化してきたからだろうけど、ここでもそんな起源は感謝が幸福を生む素晴らしさをなんら傷つけないはしない。 世の中には、いつ

          偶然の産物にすぎない人間を救うもの

          前回:世間の人生という牢獄のはじまり 3. 人生3-1. 偶然の産物にすぎない人間を救うもの学校、そして仕事にまつわることについて話してきた。この2つは、君が生きていくうえでふつう避けては通れないことだ。それらは決して悪者じゃないけれど、残念ながら良くない側面を持っている。そういうことに君が苦しめられないようにと願って、好き勝手に伝えてきた。 最後の章なので種明かしをすると、この長い手紙で君に伝えようとしたのは、君に「幸福、自由、生きる意味を自ら創造できる人間」になっても

          偶然の産物にすぎない人間を救うもの

          世間の人生という牢獄のはじまり

          前回:人工知能時代にもっとも大切な1つの感情 2. 仕事2-11. 世間の人生という牢獄のはじまりこれまで学校と仕事について色々な話をしてきた。結局、俺が君に伝えたかったことは次の言葉に集約される。 世間の人生を生きるな 他人や組織、社会がつくったモノサシやルールに自分を合わせるな。そんなモノサシやルールに縛られるな。常に、自分の内に問い、照らし、選択しろ。 きっと似たようなことをすでに言っていると思う。なんでしつこく言うか。人間として大切なことなのに、実は多くの人が

          世間の人生という牢獄のはじまり