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フューチャーリテラシー :「可能性の未来」を読み解くために

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本マガジンでは、2022/12/12に出版した、『フューチャーリテラシー Futures Literacy :過去から未来へ,「可能性の未来」を読み解くために』についての情報を掲…
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2021年6月の記事一覧

実世界と虚像が共進化する双子:デジタルツイン(2050年)

次節で「未来を読み解く」ための前提・背景として、各企業などで計画されている30年後の未来を概観する。 -------------------------------------------------------- Google検索、iPhone、Google Earth、 ストリートビュー、ポケモンGOが示した道筋の延長に、今後数十年の壮大な未来が計画されている。超高速ネットワークの上に多層に重なって広がるバーチャル・ネットワークをベースとして、実空間におおいかぶさり巨

【閑話】今ここにあるSF世界:M氏の休日(2021年)

 ヒトは変化をすぐに自然なものとして受け入れ、適応し、その存在をあたりまえのものとして認知する。数十年前にはありえなかった「今ここにあるSF世界」をあらためて体験してみよう。 ●目覚め 「朝だよ、おきて~」 休日の朝、スマホの声で目覚める。自動でシャッターが開いた窓から明かりがもれている。今朝は気持ちのいい晴れだ。 布団でまどろみ、服を着ている間に、スケジュールとニュースを、アシスタントに聞く。 ●体操と散歩アシスタントにラジオ体操を流してもらい軽い準備運動をして、そ

1994年から描く未来:曖昧な要望に応える通信サービスアシスタント(1994年)

第三章 1990年から描く未来  本章では「ミクロ・マクロ・ネットワーク」モデルとアイデア・プロセッシングのサンプルとして、1990年代に読み解いた未来(現代ではあたりまえとなったサービス・コンセプト)を例として紹介する。  今あるコミュニケーション、ネットワークをベースとして次のメタ・コミュニケーション、メタ・ネットワークを問い続けることにより、次の時代のサービスに気づくことができる。 3.2 アイデアとプロトタイプで描くもの  本節では、商品化にいたらなかったアイデアや

1992年から描く未来:社会変化に適応するバーチャル・オフィス/コ・ワーキング

------------------------------------------------------ 社会変化に適応するバーチャル・オフィス/コ・ワーキング ●背景: 携帯電話の人口普及率が1.4%[1]、日本で初めてインターネット・サービス・プロバイダがサービスを開始した1992年。インターネットの利用は大学や研究機関がほとんどで、静止画を扱うにも四苦八苦していた時代。 ●お題:   ⇒到達フェーズ:社内資料  オフィス研究を行っていたチームメンバーの各研究を統

1990年から描く未来、動的に適応する仮想コンピュータ

第三章 1990年から描く未来  本章では「ミクロ・マクロ・ネットワーク」モデルとアイデア・プロセッシングのサンプルとして、1990年代に読み解いた未来(現代ではあたりまえとなったサービス・コンセプト)を例として紹介する。  今あるコミュニケーション、ネットワークをベースとして次のメタ・コミュニケーション、メタ・ネットワークを問い続けることにより、次の時代のサービスに気づくことができる。 3.2 アイデアとプロトタイプで描くもの  本節では、商品化にいたらなかったアイデアや

日本最初期のレコメンデーション・エンジンを実現するまでの経緯(1995年)

第三章 1990年から観た未来 3.1 商品として具体化したもの ・パーソナル通信アシスタント: CardTerm with Mackun(1988年) ・気づきのあるネットワーク・サービス:AwarenessNet(1995年)  本章では「ミクロ・マクロ・ネットワーク」モデルとアイデア・プロセッシング活用方法のサンプルとして、1990年代に読み解いた未来(現代ではあたりまえとなったサービス・コンセプト)を例として紹介する。  今あるコミュニケーション、ネットワークをベ