AIトレーディングについて考えてみる

　AIが昨年以降の市場を支え続けている感があるが、AIを金融上で利用し、ボタン一つで手早く簡単に収益を見つけようとする動きは世界的に多くの投資家が試している。仮想通貨のトレーダーには、5秒後、1分後の市場の動きの99％を正確に予測すると吹聴するものも見かける。AIが叫ばれるようになり、ますますこうした金融商材の宣伝文句を見かけるようになった。はたして、AIを利用した「AIトレーディング」とはどうのように利用し活用されるのかを、いま一度考えてみたい。
　テキスト、画像、動画を生成する人工知能の専門知識を考えると、こうした「賢い」アルゴリズムが金融市場に急浮上したら何が起こるか、様々な憶測が飛び交っている。
　一般の人々にとっては、AIを搭載したロボット・インベスターに金融の意思決定を委ねることがついにできるようになるという見通しは、彼らの夢に対する答えのように聞こえるかもしれない。 驚異的な経済的リターン、比類のないリスク・コントロール、完全な経済的自由、そしてそれに付随するすべてのものだ。
　しかし、理論的にはAIトレーディングには利点があるが、実際にはまだすべてが実現されているわけではない。AIの能力は鉄壁であるという初期の迷信のようなものは、すでに淘汰され始めている。