見出し画像

NASDAQとアップル株の株価とボラティリティの関係??おかしい。

 NASDAQ100指数とCBOEが発表しているVXNボラティリティ指数の関係をちょっとだけ細かく見てみました。同様にアップル株(AAPL)についても同様に見てみました。
 先週のNASDAQ指数やアップル株の値動きはダラダラと下げていました。通常であれば、ボラティリティー・インデクスは上昇するはずですが、なぜかボラティリティー・インデクスは下げています。

NASDAQ100指数(NDX)とVXNインデックスの1時間足チャート
(7月14日~10月19日東京時間)

画像1

アップル株(AAPL)とVXAPLインデックスの1時間足チャート
(7月14日~10月19日東京時間)

画像2

チャートはYahoo.comを拝借しました。

 8月末には、ボラティリティー・インデクスが上昇してから、指数株価は下がりました。8月以降、クジラとか個人投資家のオプション取引が盛んになっており、ボラティリティー・インデクスの動きがこれまでとは異なっており、説明がつかなくなっています。先週はNASDAQ、アップルとも下落したのにもかかわらず、ボラティリティー・インデクスが下がっています。
 10月6日から10月13日の間に、NASDAQ100指数先物で大きくショート・ポジションを取っていたその他投資家(事業法人のはず?、クジラ?)はショート・ポジションをすべて買い戻したようです。
※別レポートを参照 https://note.com/future_research/n/n355eaa446169。
 
 8月に取ったコール・スプレッドのポジション(11月がエキスパイア)も一緒に外した可能性もあります。しかし、アップル株のオプション市場の先週の動きを見る限り、オプションのオープン・インタレストはあまり変化が無いようです(下記リンク参照)。
https://www.nasdaq.com/market-activity/stocks/aapl/option-chain
 9月に噂になったコール・スプレッドは11月20日エキスパイアのコール・オプションでした。ストライクは、$115、$120、$125でオープンインタレスト(OI)が大きいままです。12月18日エキスパイアのコール・オプションでは、$100、$105、$125、$130でOIが大きくなっています。12月エキスパイアのコール・オプションのOIが増加してきています。
  株価指数や株価が下がっているにもかかわらず、ボラティリティー・インデクスは下がっています。ひょっとすると、クジラのような大口投資家は、先物を買い戻して新たに12月エキスパイアのコール・スプレッドの逆(ベア・コール・スプッレッド)を始めたのかもしれません。オプションを売っていないとボラティリティーは下がらないはずです。他の個別株のオプションも見てみる必要があります。
 因みに、他の大型ハイテク銘柄では以下の通りのオプションのOI積み上がり状況です。
マイクロソフト(MSFT)でOIが大きいが、11月20日エキスパイアで、$220、$240です。12月18日エキスパイアで、$220、$240です(12月はそれほど大きくない)。
フェイスブック(FB)でOIが大きいのは、11月20日エキスパイアで、$279、$295です。12月18日エキスパイアで、$280、$290、$310です。1月15日エキスパイアで、$265、$280、$300、$315です。
セールス・フォース(CRM)でOIが大きいのは、11月20日エキスパイアで、$230、$250、$260、$280です。
グーグル(GOOG)でOIが大きいのは、11月20日エキスパイアで、$1550、$1600、$1620、$1640です。12月18日エキスパイアでは、$1500、$1640です。

 なんとも不思議なマーケットになってきました。クジラが先物やオプション市場でのポジションをスクエア―にしていたのが10月になってからの値動きとして説明できるのかもしれません。VXAPLは引き続き見ていく必要がありそうです。

VIXインデックスとは?
CBOEボラティリティ指数(英: CBOE Volatility Index)。シカゴ・オプション取引所(CBOE)が、S&P 500を対象とするオプション取引の満期30日のインプライド・ボラティリティを元に算出し、1993年より公表しているボラティリティ指数。
VIX指数は今後30日間のS&P 500の予想変動範囲を表現している。ただし現実にはS&P 500が下落する場合はVIXは上昇する傾向があり、VIXとS&P 500のパフォーマンスは負の相関関係にある。その統計的傾向から俗に恐怖指数とも呼ばれる。

VXNインデックスとは?
CBOE NASDAQ-100 Volatility Index (VXN)。シカゴ・オプション取引所(CBOE)が算出・公表する。米国を代表する株価指数の一つであるナスダック100指数(NASDAQ-100)のオプション取引価格から算出される指数で、米国の投資家心理や株式市場の不確実性を反映するように設計されている。一般的に数値が高いほど投資家が相場の先行きに不透明感を持っているとされる。

VXAPLインデックスとは?
CBOE Apple Volatility Index (VXAPL)。シカゴ・オプション取引所(CBOE)が算出・公表する。米国を代表する株価であるアップル(AAPL)のオプション取引価格から算出される指数です。

※当資料は、投資環境に関する参考情報の提供を目的としてFuture Researchが作成した資料です。投資勧誘を目的としたものではありません。当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、情報の正確性、完全性を保証するものではありません。ここに示された意見などは、当資料作成日現在の当方の見解であり、事前の連絡なしに変更されることがあります。投資に関する決定は、ご自身で判断なさるようお願いいたします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?