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生成AIに向けてDELLとNVDAが新製品開発

Dell Technologies (NYSE:DELL) とNvidia (NASDAQ:NVDA) は、Project Helixと呼ばれる、生成AIを始めるためのプロセスをより簡単にするために特別に設計された製品をまとめた。Project Helixは、フルスタックのオンプレミス型生成AIソリューションの構築に重点を置いており、企業は自社のデータを活用して、新しい生成AI基盤モデルを構築したり、既存の生成AI基盤モデルをカスタマイズしたりすることができる。

ジェネレーティブAIサービスの利用を開始した企業ですぐに浮上した問題の1つは、社内IPの漏洩である。実際、サムスンや最近ではアップルなど複数の企業が、この問題に関連する懸念から、従業員がChatGPTなどを業務で使用することを防ぐポリシーを導入している。

この懸念の理由の1つは、事実上すべての初期の生成AIは、巨大なクラウドベースのデータセンターでしか実行できず、その多くは、促成入力されたデータを収集しているからである。しかし、生成AIアプリケーションの根底にある基盤モデルの目も当てられないほどの速い進化の中で、こうした懸念の多くはすでに解決されている。最も大きいのは、ハギング・フェイスのようなマーケットプレイスから、膨大な種類のオープンソースモデルが提供されるようになったことである。これらのオープンソースモデルの多くは、適切な設備を備えたオンプレムデータセンターのような、より合理的なコンピューティング要件で非常に効率的に実行することができる。さらに、大手ハイテク企業の中には、自社のモデルを走らせる場所に関するルールを変えようとするところも出てきている。また、オンサイトで動作するように最適化された、より小さなバージョンのモデルを作成するようになってきている。

さらに、Nvidiaを含むいくつかの企業が、企業向けアプリケーションに特化したモデルを提供し始めている。Nvidiaの動向は、いくつかの点で興味深い。まず、同社は確かにジェネレーティブAIと強く結びついているが、それはもっぱら同社のハードウェアによるものだという事実だ。同社のGPUチップは、現在のジェネレーティブAIのアプリケーションやクラウド上のサービスの大部分を支えている。しかし、3月に開催された同社のGTCカンファレンスでは、ジェネレーティブAIに関連するソフトウェア全般を発表し、多くの人を驚かせた。特に、LLM(大規模言語モデル)フレームワーク「NeMo」や、不要な話題をフィルタリングする「NeMo Guardrails」など、業界に特化したソフトウェア基盤モデルやエンタープライズ向けの開発ツールなどを発表した。意外でなかったのは、これらのモデルがNvidiaのハードウェア上で動作するように最適化されていたことだ。

Project Helixで、デルとNvidiaが行ったのは、Nvidia H100 GPUとNvidiaのBluefield DPU(データ処理ユニット、AIワークロードが要求するサーバー間の高速インターコネクトに使用)ラインを含むDell PowerEdgeサーバーシステムを揃え、NvidiaのエンタープライズAIソフトウェアとバンドルした点である。さらにデルは、PowerScaleとECS Enterprise Object Storageラインから、この種のAIワークロードに最適化された複数の異なるストレージオプションを提供している。その結果、企業が生成AIモデルの構築やカスタマイズを開始するための完全な「ソリューション」となる。潜在的な顧客は、Nvidiaの基礎モデル・オプションのいずれかを使用するか、希望すれば、Hugging Faceのオープンソース・モデル(または他の技術プロバイダーのソリューション)を選択して、プロセスを開始できる。

付属のNvidiaソフトウェアには、ドキュメント、カスタマーサービスでのチャット、ソーシャルメディアへの投稿など、組織の既存のコーパスデータをインポートする機能があり、それを使って新しいモデルをトレーニングしたり、既存のモデルをカスタマイズしたりすることができる。トレーニングプロセスが完了したら、推論を実行し、新しくトレーニングされたモデルを活用した新しいアプリケーションを作成するために必要なツールも含まれている。また、デルのバンドルには、これらのモデルの作成/カスタマイズやツールの構築プロセスを支援するための設計図や、さまざまな技術サポートサービスも含まれている。何より、この作業は社内で行われるため、Project Helixは、多くの企業(生成AIツールに取り組み始めた企業でも)が懸念しているIPリーク問題の管理を支援できる。

Project Helixのもう一つの重要な利点は、企業がよりユニークでパーソナライズされた方法でジェネレーティブAIの活用を開始できることだ。現在利用できる汎用ツールは、ある種のアプリケーションや環境には間違いなく役立つが、ほとんどの企業は、ジェネレーティブAIの真の競争力はカスタマイズにあることを認識している。その結果、企業独自のデータをこれらのツールに組み込むことに大きな関心が集まっているが、その具体的な方法については、またしても多くの混乱がある。

ジェネレーティブAIの「簡単キット」を用意したからといって、多くの企業が自社のデータとテクノロジーを活用して必要なソリューションを生み出す上で、課題に直面しないとは限らない。ジェネレーティブAIの背後にある概念はまだ非常に新しく、非常に複雑な技術であることを忘れてはならない。しかし、Project Helixは、必要なハードウェアと、動作確認済みのソフトウェア、そしてそのプロセスに関する情報を同梱しているため、このエキサイティングな新世界に飛び込むことを熱望し、あるいは競争力を感じている組織にとって魅力的な選択肢になりそうである。

※当資料は、投資環境に関する参考情報の提供を目的として翻訳、作成した資料です。投資勧誘を目的としたものではありません。翻訳の正確性、完全性を保証するものではありません。投資に関する決定は、ご自身で判断なさるようお願いいたします。

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