CFTC 金融商品(為替、株、金利) 投資家別ポジション シカゴ先物 6月9日時点
相場は、基本需要と供給で決定します。景気や金利、国際収支といった、経済の基礎的な要因(ファンダメンタルズ)によって、為替相場(為替レート)の動向が変わっていくというファンダメンタルズ分析は重要な要因です。ただ、ファンダメンタルズ要因によってのみ為替相場が決定するものではありません。投機筋のポジションが為替相場の決定要因としてどのように影響を与えているかを分析する判断基準として、CFTCでのポジション報告は注目している市場参加者も多いようです。相場のセンチメントを反映しているので興味深い動きをしています。
新フォーマットのうち、レバレッジド・マネー、アセット・マネージャーのポジションと対象商品の価格(金利)をグラフ化しています。別途旧フォーマットの、商業、非商業(投機筋)の報告も適時報告していきます。
日本円先物
日本円先物は、日本円/米ドルで取引されているため、一般の為替レートは逆数になるので、ネット・ポジションは、売持ー買持で計算しています。
日本円先物に関しては、レバレッジマネーよりもアセットマネージャーのポジションの方が相場に対して先行しているようです。3月以降、アセット・マネージャーの円ロングが増加しており、過去80円近辺で推移したレベルまで円ロングが増加しています。この先の円高が心配です。
過去2年間の価格との相関係数(2020年6月9日まで)
レバレッジマネー 0.751
アセットマネージャー 0.550
過去5年間の相関係数
レバレッジマネー 0.642
アセットマネージャー 0.558
日本円ロングは4月以降増加しています。ひょっとすると、ドル円のベーシススワップのスプレッド逆転が影響しているのかもしれません。3月末までは邦銀がドル資金を調達するには、スプレッドというコストを余分に払っていました。3月末にFEDが日銀(ECBも)経由で大量にドル資金を供給したことで、外銀のドル調達は容易になりました。特に本邦の場合、4月以降はドル調達が終わったので、裸の為替のヘッジを増やしているのかもしれません。FEDと日銀で相場を作ってますね。
参考 fred.stlouisfed.org/series/TEDRATE
参考記事:
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60168490Z00C20A6EE8000/
ユーロ先物
ユーロの先物はこれまでレバレッジマネーのポジションが先行していましたが、この2か月間はこれまでとは違った動きとなっています。
過去2年間の価格との相関係数(2020年6月9日まで)
レバレッジマネー -0.006
アセットマネージャー -0.467
過去5年間の相関係数
レバレッジマネー 0.706
アセットマネージャー 0.348
豪ドル先物
豪ドルもレバレッジマネーよりもアセット・マネージャーの方が先行しているようです。
過去2年間の価格との相関係数(2020年6月9日まで)
レバレッジマネー -0.426
アセットマネージャー 0.215
過去5年間の相関係数
レバレッジマネー 0.588
アセットマネージャー 0.568
英ポンド先物
英ポンドもアセットマネージャーの方が先行しているようです。
過去2年間の価格との相関係数(2020年6月9日まで)
レバレッジマネー 0.326
アセットマネージャー 0.602
過去5年間の相関係数
レバレッジマネー 0.426
アセットマネージャー -0.077
カナダドル先物
カナダドルもアセットマネージャーの方が先行しているようです。
過去2年間の価格との相関係数(2020年6月9日まで)
レバレッジマネー 0.168
アセットマネージャー 0.460
過去5年間の相関係数
レバレッジマネー 0.522
アセットマネージャー 0.558
メキシコペソ先物
過去2年間の価格との相関係数(2020年6月9日まで)
レバレッジマネー 0.413
アセットマネージャー 0.795
過去5年間の相関係数
レバレッジマネー -0.006
アセットマネージャー -0.092
南アフリカランド先物
スイスフラン先物
過去2年間の価格との相関係数(2020年6月9日まで)
レバレッジマネー 0.407
アセットマネージャー 0.812
過去5年間の相関係数
レバレッジマネー 0.399
アセットマネージャー 0.427
S&P500(E-mini)先物
S&P500のポジションでは、アセット・マネージャーが特徴的です。過去ロング・ポジションが800,000枚~1,000,000枚に達すると、相場が調整しています。一方調整局面で400,000枚まで減少したところは、相場の調整局面が終了しています。この3か月の動きも同様のパターンとなりました。
アセット・マネージャーのロングが伸び悩むなか、レバレッジマネーのショートが増加しています。
過去2年間の価格との相関係数(2020年6月9日まで)
レバレッジマネー 0.212
アセットマネージャー 0.723
過去5年間の相関係数
レバレッジマネー -0.253
アセットマネージャー 0.630
DOW(E-mini)先物
過去2年間の価格との相関係数(2020年6月9日まで)
レバレッジマネー 0.212
アセットマネージャー 0.723
過去5年間の相関係数
レバレッジマネー -0.253
アセットマネージャー 0.630
NASDAQ(E-mini)先物
過去2年間の価格との相関係数(2020年6月9日まで)
レバレッジマネー -0.179
アセットマネージャー 0.653
過去5年間の相関係数
レバレッジマネー -0.602
アセットマネージャー -0.443
ラッセル2000(E-mini)先物
過去2年間の価格との相関係数(2020年6月9日まで)
レバレッジマネー 0.102
アセットマネージャー 0.801
過去5年間の相関係数
レバレッジマネー 0.416
アセットマネージャー 0.733
日経シカゴ(円建て)先物
過去2年間の価格との相関係数(2020年6月9日まで)
レバレッジマネー 0.155
アセットマネージャー 0.248
過去5年間の相関係数
レバレッジマネー -0.185
アセットマネージャー 0.018
米国債2年先物
過去2年間の価格との相関係数(2020年6月9日まで)
レバレッジマネー -0.032
アセットマネージャー -0.104
過去5年間の相関係数
レバレッジマネー 0.415
アセットマネージャー -0.504
米国債5年先物
過去2年間の価格との相関係数(2020年6月9日まで)
レバレッジマネー 0.591
アセットマネージャー -0.699
過去5年間の相関係数
レバレッジマネー 0.295
アセットマネージャー -0.450
米国債10年先物
過去2年間の価格との相関係数(2020年6月9日まで)
レバレッジマネー 0.408
アセットマネージャー -0.630
過去5年間の相関係数
レバレッジマネー 0.146
アセットマネージャー -0.289
米国債ウルトラ10年先物
米国債ロングボンド先物
過去2年間の価格との相関係数(2020年6月9日まで)
レバレッジマネー -0.930
アセットマネージャー 0.818
過去5年間の相関係数
レバレッジマネー -0.727
アセットマネージャー 0.536
米国債ウルトラ・ロングボンド先物
ユーロダラー(3か月)先物
ビットコイン先物
2018年はレバレッジマネーのショートが増加して価格が暴落しました。価格が上昇すれば、ショートカバーが入りました。2019年も同じ傾向でした。
アセットマネージャーのショートもこのところ増えて来ています。この1週間で若干ショートが増えています。両方合わせると大きなショートポジションになっています。
ポジション一覧表 2020年6月9日時点