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企画室にて 室長との対話:近未来のペインって?

ある日の室員の頭の中

起業の勉強会で、ペイン、ペインってペイン探しをした。この先端技術は何に使えるかな、って考えに考えた。

現在のペインを考えたら、バックキャスティング思考にならない。なぜならば、現在のペインを考えたら、それを解決する策を練ることになりそれはフォアキャスティング思考。もしかしたら、それを解決する策を練っている間に、ほかの人がすごい技術を見つけてしまうから。
テック系起業では、他よりずば抜けた技術を持っていることが前提。その技術を使った起業をするために、今その技術で解決できるペインを探す。
一方、バックキャスティングは、未来を現実化するための技術を考える。未来っていつを考えたらよいのだろう?10年後、20年後、いや、30年後?30年後ってどうなっていてほしいかを考え、その30年後のペインを考え、そこから現在できることを考えるのが、バックキャスティングなのか?
近未来のペインについて、例えば、近未来、月で住むことになる、月での自給自足は可能か、月で長く住むことで身体はどうなるのか、から考えることなのか。。。「未来において、獲得出来たら素晴らしいという状態をイメージする・・」と室長は書かれているが、月で健康に自給自足できている状態のイメージから、未来ペインを考えたらよいのか?

🐱室長から

「こうありたい」と「こうなったら嫌だ」と「これは不具合だ」と。ペインって「障害」とか「リスク」とか「課題」とか「悩み」とか「不安」と捉えると、未来のペインって、未来はどうなってしまうのだろうという漠然とした不安がイメージされるのだけれど、未来において「こんなことは出来るのかしら」とか、「こうありたい」という願望として捉えたらどうでしょう。

今、技術的に不可能だけど、構成する3つの要素技術が仮に必要だとして、その1つは今出来ていないとする。その1つが4つの要素技術から出来そうだとして、その内2つが現在の技術の発展として3年後に出来そう。それが出来ると、更にもう1つが出来て、それらが揃うと4つ目が出来る。技術の階層を考えて、階層の相関関係と因果関係を考えていく。漠然とした不安を具体的な願望に移し替えていくと、未来のペインを考えることも楽しくなるのでは無いかな?

室員 考える・・・

願望をどのようにしたら叶えられるか、と捉えて考えると、、、
月にあるホテルで2週間くらい、ぼーっと、地球と宇宙を見てのんびりしたい、ということが旅行として当たり前である未来とした場合、
月までの往復が飛行機程度の安全レベルと気軽さ
空気、食料やエネルギーの残量を気にせず滞在できる(ということは、空気、食料やエネルギーが自給できる)
何かあったときに地球と通信でき、助けてもらえる(地球との通信を遮断したい気持ちになることはあるかもしれないが、、)
月から地球を眺めるのだから、眺める地球がきれいである
かな?
ということは、未来のペインは、
月までの移動
自給自足
通信
地球の美しさ
か???
ペインというよりは願望・・・・。
これが、室長が仰っていた具体的な願望なのか?

🐱室長から

漠然とした不安を具体的な願望ということであれば仰る通りですよ。具体的な願望になっています。ただ、この願望に何故そう願うのですかという回答が付記されていない。漠然と月に行きたいと願って、それではチケットを上げますと言ってくれる人はいない。それを強く強く願う理由があって、その理由に共鳴する者が現れると、その実現に具体的に必要な要素が見出されてくる。その「必要な要素が今は無い」ことがペインであって、その実現の為に「今ある」もの「今無い」ものに分けてみる。「今ある」ものも、過去においては無かった要素であって、それが強く求められた理由があったはず。「今無い要素技術」が「今の技術では不可能」なのか「可能」なのか?不可能であっても「何故その願望が生まれたのか?」が強烈であると、不可能が可能になる期間が短くなるかもしれない。

願望と共にそれを強く願った理由に他者が共鳴してくれると、自分では出来ないけれど他者が実現してくれる可能性が高くなる。願望を叶えることは嬉しい事だけれど、その願望が強くより具体的で定量的でないと叶えようと頑張ってくれる人が集まらないかもしれない。

室員 悩みが増す

月に行きたいという願いは、リゾートに行ってみたいという感じで漠然としていた・・・。
では、例えば、治療で水中でのリハビリ治療があるように、月面でのリハビリが良いということが出てくるかもしれない。その際に何が必要か、ということにしていくのはどうだろうか。。。そうなると、月で治療したい、と強く願うことになることにつながるのではないか。。。

🐱室長から

正しいバックキャスティングです。未来でこうありたいが明確になると、途端に漠然が具体に変化します。月面着陸部隊が水中トレーニングを行ったように、それはあり得ます。空気に満たされた快適空間だけれども1/6グラビティが達成できていることによって、快適リハビリ空間を獲得できる。宇宙空間で滞在していると、健常体にとって不具合ばかりが語られますが、地上でのリハビリが困難な者が、近未来に月面トレーニングセンターで体幹を整えて地上に戻り、地上で追加のトレーニングで地上での健常体に復帰して活動できるようになる。

未来の具体的なありようをイメージして、月を選ぶ。未来における「何故、それが欲しいか」に到達すると開発するべきベクトルが整ってくる事例ですね。

室員 希望を持つ!

方向性は間違っていなかったのかも!
自分らしく生き続けるため、月でリハビリが選択できたら、面白そう!
ということは近未来のペインは、こうありたいの願望。
ペインを考え出すというよりは、未来に「何故、それが欲しいか」を考えているうちにペインが見出されるということのようだ。
月でリハビリ、「何故、それが欲しいのか」を考えてみる!