モンスターペイシェントに思うこと。
いま、AT(アスレティックトレーナー)の資格取得に向けて勉強をすすめているところですが、最近コンフリクト・マネジメントについて学びました。
コンフリクト・マネジメントとは、いわゆる対人関係の衝突について対応するためのスキルになりますが、主な解決方法には協調的アプローチ(落とし所を見つけること)と競合的アプローチ(戦うこと)があります。
当然ながら協調的なアプローチのほうが平和的でよいと思いますが、それが難しい状況も現実的には多々あります。
特に私の働いている病院には時折大声で喚き散らしたり、怒鳴り散らしたり、病院スタッフに暴力的な態度の患者さんが現れます。
いわゆる「モンスターペイシェント」と言われる人物ですが、先日、リハビリ処方の出た、新患さんはそこまで怪物なわけではないですが、結構な方でした。
というのも患者さんは当院のお抱えの工務店のお偉いさんの人のようで、リハビリの説明段階でまったく話を聞かず、要点だけを言え、掻い摘んで話せ、大事なことだけ言えなどと女性スタッフに高圧的な態度を取っていました。
大事なことだから、要点絞ってちゃんと説明してるんですが、自分の主張を押し通すばかりでこちらの話をぜんぜん聞こうとしません。
その後、当院は患者さんの自主性と自己管理を促すために週2回程度の頻度としており、自宅でできる自主トレを毎回指導しているんですが、自主トレや自己管理に関しては「俺が治らなかったら自主トレしてなかったって俺のせいにするんだろ」「毎日リハビリ患者が入れろっていうんだから入れろ、予約枠ないなら昼休みでも、働け」などと自己中心的な主張を繰り返し、リハビリには150日と国に定められた期限があるのですが、それについても「患者の要求通りにリハビリを入れないでおいて150日で終了なんておかしいだろ、馬鹿にしてるのか!?」などと怒鳴っていました。
150日の期限についても医師の診断によって必要性が認められたら延長できることをちゃんと初回に説明してるんですけど、大事なことだけ言えとかいってちゃんと聞いていませんでしたよね?
うちの病院がお世話になっているどこかの会社の偉い人だか、当院の幹部職員の〇〇をよく知っているとか、ほんと私達にはまったく関係ないし、私達の上司でもないのに偉そうに、社会がどうとか常識的に考えてこうだとか、俺ならこうやって説明するとか言われてもほんと困ります。
困り果てた担当スタッフに呼び出され私が対応しましたが、繰り返し説明してもまったく人の話を聞かず一方的に話をするばかり。
とりあえず埒が明かないので、傾聴した上で、きちんと上司に報告させてもらいますと伝え、リハビリ回数に関しては、時間の範囲内で可能な限り入れることを伝えて、終了しました。
コンフリクト・マネジメント的には衝突する要因を「相手」と「自分」で分けて書き出してみることで、解決方法を探っていくのですが、例えば今回のケースだと、相手側の要因として「話を聞かない」「古い価値観」などが挙げれられ、自分側の要因として相手の立場や置かれている環境に配慮した説明ができなかったことなどが挙げられます。
このように「要因」を見える化することで、例えばもっと上の立場の医師や上司、幹部職員から当院のリハビリや病院のルールについて説明してもらうなどの解決方法なども思いつきます。
しかしながら今回のケースでは、あまりにも一方的に自分の価値観を押し付けてこようとするため、「競合的アプローチ」良いと思いました。
実際、クレーム報告書はあげましたが、上司や医師にはこれ以上、うちのスタッフに対して、いわれもない理由で威圧的で高圧的な態度を取るようであれば、医師に確認の上、当院でのリハビリを中止にするようにしてほしいとだけ伝えておきました。
ささいなことかもしれませんが、本当にこんなのがきっかけでスタッフは患者さんが怖くなってしまうし、萎縮してちゃんと伝えなくてはいけないことを言えなくなってしまいます。
貴方がどんなに偉かろうが、どんな立場だろうが、病院の中では患者さんであり、患者さんである以上は私たちも全力でその健康を守るため尽力しますが、それを超えた要求をしてくるのであれば、それはもはや患者さんではありませんので私たちが尽くす理由もないのです。
患者さんであることにそれ以上もそれ以下もありません。
と強く言いたいところですが、ときおり〇〇病院の医師だとか、〇〇の知り合いだとかカルテに余計な肩書がついてくるのも事実としてあるんですよね。
本当にそういうのは、もうやめたらいいのにって思います。
忖度することで、そのほうがスムーズに色々と進むこともあるけど、やっぱり色々と邪魔くさいし、今の時代や文化には完全にフィットしていません。
AIも忖度は学ぶのかな?
人間らしさは好きだけど、一般的な説明の作業などはAIに任せた方が、文句行っても仕方ないし、言った言わないの記録もとれるしいいかもしれません。
今回は少し愚痴っぽくなってしまいましたが、病院に限らず、真面目に働いている人がしっかり守られる環境を作っていくのが大切だと思います。
そうして守られた職員が自身の力を駆使して会社に貢献していくという好循環が生まれ、社会全体が健全になっていくのだと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。