旅の記憶 ~ GRⅢxと歩く函館 ~
12月、講習会のために一人函館へと旅立つ。
一人でJRに乗っての長旅なんていつ以来だろうか?
もともと電車は好きだ。
札幌-函館間はおよそ4時間、昔の記憶では社内販売や、途中の駅で駅弁売りがあるなどあった記憶があったが、現在はなくなってしまったらしい。
そして、列車内も土曜日だというのに空きが目立つ。
そして乗っているのほとんどが海外の旅行者であるようだ。
時代とはいえ、少しセンチメンタルな気分になった。
しかし、何度も函館には行っているので車窓からの風景も見慣れたものなのだが、海沿いを走る列車の景色はなんどみても気持ちがよい。
講習会で使う資料を整理しながら、本を片手に4時間の列車の旅を楽しんだ。
無事、講習会も終わり、夜は懇親会に参加した。
参加者やスタッフの質問攻めに圧倒されながらも楽しい時間を過ごした。
ホテルに戻り、開けたカーテンから五稜郭タワーが輝いていた。
翌日は昼の電車だったので早起きして、函館の街を歩いた。
日曜であったが、午前中は観光地も閑散としており、冷たい浜風が身体に染みる。
海辺の街は市電がよく似合う。
石畳の坂を登って景色を堪能し、大きく息を吸い込む。
お目当てのパンやの開店まではまだ少し時間があったので、近くのアンティーク雑貨屋さんへ立ち寄る。こけしの間抜けな顔に癒やされる。
以前、函館に来たときに立ち寄って、とても美味しかったパン屋さんへ向かう。ちょうど店主が看板を出したところであった。
ハード系のみであるが、ワインにもよく合う。
札幌にあれば通い必須なのだが、残念。
函館最後のご飯は何にしようか。
迷ったあげく超有名ご当地バーガーであるラッキーピエロへ。
GRⅢを持ってから旅先で歩くのが楽しくなった。
何気ない被写体もどこか自然にエモくしてくれるそんなカメラである。
短かったけどギュッと濃縮された函館の時間を堪能し、駅へ向かった。
車窓を眺めながら、耳にはミッシェルガンエレファントが流れていた。
千葉ユウスケのがなり声が耳に響く。
私の青春。
さようなら。 ありがとう。