見出し画像

心に余裕がなくなると人の話を聴くのは辛いが自分の話は聴いて欲しいと思う

嫁さんと出会ったのは、1997年の12月。
福岡赴任から3年ぶりに帰ってきて、再び復帰したスポーツクラブのトライアスロンサークルの忘年会だった。

詳しいいきさつは過去の記事に任せる。

まあ、その後、トライアスロンサークルも顔を出すようになったし、スポーツクラブで泳いだりしていると、たまに顔を合わせるようになった。

いきなり遠距離でスタート

せっかく仲良くなりつつあったのだけれども、嫁さんはすでに翌年の三月で会社を辞めて生まれ故郷の長野に帰ることが決まっていたのだ。

長野に帰る前に、半分ヤケクソになった彼女のほうが(ヤケクソという表現は正確かどうかはわからない。ダメ元といったほうがいいかもしれない。)捨て身の告白をしてきた。

僕としては、遠距離になるのはわかっていたのだけれど、それを受け入れてお付き合いがスタートすることになった。

ところがだ、このnoteにもずっと書いてきたんだけど、この年僕は、人生について悩んでしまっていたことと、いわくつきの仕事を引き受けてしまたことで休日もなく働く羽目になってしまったことで、メンタル的にまったく余裕がなくなってしまった。
精神的に追い詰められてしまった。

遠距離が辛くなってしまった

そんな時に、遠距離でお付き合いをしていくというのが、僕にはとても負担になってしまったのだ。
当時はLINEなんてものは無いし、彼女はパソコンができなかったからメールもだめで、手紙と電話でやり取りをしていたんだけど、それがとても負担になってしまったんだ。

しかも、出会って間もないわけだし、お互いにどういうスタンスで付き合っていいのか、その距離感もわからないまま、遠距離になってしまったので、彼女との連絡やそのやり取りに僕のほうが参ってしまった。

人間メンタルを病むと、他人に気を使ったり、距離感を測りながら会話したり、相手の話をじっくりと聴いたり、つまり、思いやりをもって人と付き合うことができなくなる。
それに、冷静な判断なんて全くできない。
そういうことは、ある程度の余裕がないとできないんだよね。

それで、彼女の相手をするのが辛くなった僕は、そのことを正直に話した。
辛いから、もう別れようって。

その後、彼女がどう反応したのか、正直に言って覚えていない。
おそらく余裕が無さ過ぎたんだと思う。
でも、しばらくは連絡がなかったような気がするし、僕の方からも連絡をしなかった。

涙がボロボロこぼれてきて止まらなくなった

ある時、僕はいつものように残業をしていた。
時間は深夜で、オフィスには誰もいなかった。

その時に、不意に彼女のことを思い出した。
彼女と飲んだ時、結構楽しかったな。
なんでこんなことになったんだろう。

そう思ったら、不意に涙があふれてきて止められなくなってしまった。
人間、あんなに泣けるもんなのか、って思うほど涙が出た。

いったい俺は何をやっているんだ。
なんのために働いているんだ。
なんで、こんな夜中まで、一人でオフィスにいるんだ。
なんで、あんなひどいことを言ってしまったんだ。

これをきっかけに、ことあるごとに涙が大量に出るようになった。
これはメンタルが相当いかれていることを表していると思う。
今はもう、あの頃にように涙が出ることは無くなった。
でも、あの頃の泣きっぷりはやっぱ異常だったと思う。

耐えられなくなってこちらから電話をした

もうそのころは、家に帰って酒を煽らないと眠れなくなっていた。
酒を煽って、泥酔して意識を失うように布団に入らないと、ずーっと考え事をしてしまう。

普段はそんなに飲まないのに、ウィスキーの瓶がほぼ三日に一本空くくらいのペースで飲んでいた。

そして、ある時、どうしても彼女の声が聴きたくなって、甘えていることは重々承知していたのだけれど、もう誰かの力を借りないとダメなことろまで来ていると思って、こちらから電話をしたのだ。

それからというもの、酔っぱらって電話をすることが多くなった。
あの頃、どんな話をしていたのか、今となっては思い出せない。
酔っぱらって電話しているわけだから、ほとんど記憶に残らない。

でも、誰かに話を聴いてもらえるということは、僕にとって本当に大切なことだったんだと思う。
彼女が話を聴いてくれるようになったことで、僕な徐々に落ち着きを取り戻していったんだ。

でも、相変わらず、僕は自分を支えるのが精いっぱいで、彼女ことなんて考えていなかったように思う。
彼女に思いきり甘えていたし、僕はそれまで誰かに甘えるということができなかったのだけれど、そこまで追い込まれていたということだろう。

いつも酔っぱらって電話をかけてくる奴の話を、どんな気持ちで聴いていたんだろうかと後から思ったけれど、当時はそんなことを考える余裕はなかった。
我ながらひどい奴だと思うけれども、その電話に救われていたことは事実だ。

人間には余裕が必要だ

人間、追い込まれて余裕がなくなると、ロクなことはない。
他人の話を聴くことはできなくなるし、他人の気持ちを思いやることができなくなる。

わがままになるし、人を傷つける。
そんな状態では幸せな人間関係を作ることはできない。

余裕は持つということは、とても大切なことなんだ。

(つづく)

いいなと思ったら応援しよう!

渕脇たけし@心と身体のコンディショニング
自分がうつ状態に陥って、そこから這い上がってくる過程で考えたことなどを書いています。自分の思考を記録しておくことと、同じような苦しみを抱えている人の参考になればうれしいです。フォローとスキと、できればサポートをよろしくお願いします!