バボのキママな日 #8 『昼にいっぱいギター弾いて夜に豚まん食べたから幸せ。』
今日は大変に充実した日だったと思える日がある。
そんな日は1日をとても濃厚に感じられる。まるで3日を1日に濃縮したような感覚だ。そう云う日を過ごせると頗る気分がいい。自分の人生を無駄なく楽しめていると思えるからだ。そして今日はそんな1日になった。
溜まったタスクと自尊心は反比例する。やらなければいけないことが山積みになってくるとどんどん自分が嫌いになってくる。
「この調べ物をしなければ。部屋の掃除もしなければ。あのメールに返事をしなければ。あの本を読まなければ。あの編集もしなければ。そろそろ家を出なければ。
洗濯物が溜まってきた。もう夕方なのにまだ何も食べていない。眠たい。でも何か1つでも終わらせないと眠れない。まだ終わらない。まだ寝れない、でもそろそろ寝なければ。寝れない。まだ寝れない、でもそろそろ起きて家を出なければ。」
こんな生活をしていて、どうして自分を好きになれようか。
でも、それと逆の生活をすると大変に気分が良くなる。自分を褒めてあげられる。
「綺麗な部屋であれも調べた。メールの返事もして、あの本も読んだ。編集も終わったけれど家を出るまでにはまだ時間がある。洗濯したての服を着てお昼ご飯でも食べに行こう。そしてご飯を食べた後に一眠りしてから家を出よう。」
雲泥の差である。よっぽどのひねくれ者でもない限り絶対に後者になりたいはずだ。僕もそうだ。前者のような1日を過ごすと本当に自分が嫌いになってしょうがない。でもきっと多くの人が前者のような1日を過ごしたことがあるはずだ。
だからのび太にみんな感情移入できる。誰だってドラえもんを呼びたくなる日があるに違いない。僕もそうだ。もし目の前に今ドラえもんがいたら出して欲しいひみつ道具が幾つもある。どこでもドアにタイムふろしき、かべ紙秘密基地も欲しいし狂音波発振式ネズミ・ゴキブリ・南京虫・家ダニ・白アリ・虫退治機も捨てがたい。
でも僕の机に引き出しはないし、僕のポケットには財布とスマホしか入らない。
だがしかしのび太は教えてくれた。ドラえもんの力を借りなくても一人でジャイアンに勝てることを。そう、僕らもドラえもんがいなくてたってタスクを片付けられるのだ。そして全てのタスクから解放された僕らは、遂に自由な時間を手に入れる。そしてその自由な時間で好きなことを好きなだけ自由にできる。
そんな日を過ごすと大変に人生が楽しくなる。
僕はやりたいことしかやりたくない。
冒頭に戻ろう。
今日は大変に充実した日だった。自由な1日だった。溜まっていたやらなければいけないことをさっさと終わらせた為、何の後ろめたさもなく好きなことをできた。
昼過ぎから自由になった僕はピアニストの友達と会って久しぶりにたくさん音楽をした。彼女とは大学時代にものすごい数のアイディアやデモを録音してきた。ジャンルレスでおもしろいと思う音楽をたくさん創った。でも結局世にはほとんど出していない。非常に勿体無いと思った。きちんと完成させて世に出さなければいけない。昔の自分たちに申し訳が立たない。だから今日は指の皮が捲れるまでギターを弾いた。たくさん音楽の話もした。音楽はやっぱり楽しい。自由に好きなだけやるのがいい。音楽は無限だ。少なくとも僕の人生と比べれば無限に等しい。死ぬまで音楽をしても決して終わるものではない。だから楽しいしやめられない。そんな気持ちを改めて感じられた。
もっと上手くなれる。もっと学べることがある。もっと色んな曲が創れる。もっと色んな人と演奏できる。もっと色んな曲が聴ける。もっと色んな演奏を見れる。もっと好きになれる。もっと夢中になれる。もっと大切にできる。
彼女とまた来週も音楽をする約束をして帰った。試したいアイディアがたくさんある。完成させたい曲もたくさんある。ワクワクする。こう云う日は頗る気分がいい。
今日もフツウキママに訪れてくれてありがとうございます。
美味しいご飯を食べた日も頗る気分が良くなるのできっと僕は単純な人間です。
<バボ>