バイク模型を面白くしてくれる本『kota scale model / archive book』
先日、東京ビッグサイトで行なわれた全日本模型ホビーショーで待望のオフロード車「ホンダ XLR BAJA(MD22)(1991)」が発表され、さらなる盛り上がりの兆しを見せるバイク模型。最新車種や、往年の銘車への注目度の高さから、ここ10年安定した人気を保っているジャンルですが、さらなる飛躍がなかなか起きないのは”バイク模型がとても難しいから”という理由がとても大きいです。
バイク模型の難しさは、フル塗装仕上げまでの工程が複雑なことと、その仕上げの質感が一定ではないこと(カウルはツヤツヤだけど、エンジン部分はドライなど)、キットのままではリアルさに欠ける部分がありクオリティを上げるためには改造しなくてはいけないなど、いろいろあります。しかも実物モチーフのスケールモデル。追求しだすとキリがありません。
そこで紹介したいのがこのMOOK。
YouTubeやTikTokでバイク模型の製作動画をアップして多くのフォロワーを獲得しているkota scale modelさんをフィーチャーした1冊。
以下のような動画をアップしている人なのですが、
見ていただくとわかるように、動画内では作業内容を一切説明しておらず、テンポよく組み上がっていく様子だけをお届けしているんです。ただ、製作内容自体はただキット通りに組んでいるのではなくて、しっかり改造しているし、塗装もしています。本書は、その内容を動画からの切り出し画像とともに改めて細かく解説した内容で構成されています。
そして、その作業工程自体が、プロモデラー特有の超絶技巧ではなく、今日初めてバイク模型触りますという方でも真似しやすいものであることが最大のポイント。
実はkota scale modelさんの作品のほとんどがフル塗装ではないんです。特にエンジンの大部分は無塗装状態から墨入れ塗料のみでエイジング風に仕上げていたり、メッキパーツもメラミンスポンジで磨いただけ。ただこれがリアリティのある仕上がりになっているので、思わず真似をしたくなります。
ケーブル類も、キット同梱のものだと太くてリアリティに欠けるため細いものに置き換えたいのですが、最適な径がわからなかったりしますよね。kota scale modelさんが使うのは1種類のみ。しかもタミヤ製なので手に入りやすく、置き換えにキットのケーブルを使うので、これもまた真似しやすいです。
バイク模型製作の鬼門ともいえるスポークの張替えも、特殊な治具などを自作することなく行える結構なパワープレイ(笑)ですし、使う金属線の種類もすべて公開されているのでとても参考にしやすいです。
あとは、作風ですね。全部キット通りに作られておらず、自分の好みのスタイルに合わせて改造されているものばかり。実車を追うことが基本なバイク模型シーンではかなり珍しいことなので、こういう楽しみ方も有りなんだという勇気を貰えると思います。
中身を読むとわかりますが、本の周りにある工具や材料を買っておけば近い雰囲気のバイク模型に仕上がる……はず? 左のハイグレード模型用という接着剤は私からのおすすめマテリアルです。きっとバイク模型製作に役立つはず!
私も、一つキットを用意していて同じように作ってみようと計画を立てているのですがなかなか着手できていません; 年末年始の課題にしてみようかな。
その工程もnoteにアップできたらなと思っています。