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アラフィフ手前の主婦。持病の患者会活動などなどしながら、マイペースで暮らしています。

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最近の記事

天の魚 大阪公演によせて~公演主旨~

 10年ほど前のことだ。私は両親の新保健手帳申請の付き添いで、新大阪の雑居ビルを借りて行われた熊本県の検診に行った。  原因不明の体調不良が水俣病由来かもしれないとわかり、職を失って経済的に急におぼつかなくなった私は、自分と両親の医療費だけでも何とかならないかと思い、嫌がるふたりを説きふせ半ば無理やりにここへ連れて来てしまったのだ。  並んで順番を待っている人たちは、となりあう人とふるさとの言葉で話す。 まずはどこの者だという話になる。茂道だ、御所浦だ、鶴木山だ…ふだんは水

    • しまじろうと留守番

      この土日は、某学会のブースのお留守番。 先生方のご厚意で、少し聴講もできた。 会いたい先生に会えて、多少の打ち合わせ的な事もできて、実り多しだった。 規模としてはあまり大きな学会ではなく、 託児がなかったが、ひとりの先生が小さい人と一緒に参加していた。 「私、昔子育て支援センターのボランティアをしていて、 多少の研修も受けたから、いざという時は声かけてください」 なんて話のネタにと思っていたら、 「本当にお願いしちゃってもいいんですか」と、先生は至って真剣だった。 聞け

      • 映画『MINAMATA』が描いたこと、描かなかったこと

         9月23日、映画『MINAMATA』が全国の映画館で見られるようになった。  色々な人が「見て感想を聞かせてね」なんて言って来ていて、「そうだね、楽しみだね」なんて返事をしていたが、本当は映画を見るつもりはなかった。私にとって、水俣病なんて四六時中当たり前にそばにあるもの、自分達の日常そのものなのだ。できることなら普段は忘れていたいというか、上手に距離を取っておかないとすぐにマイナス思考や面倒な症状に取り込まれる。  しかし現実にはそうはいかなかったのだ。上映開始の日を境に

        • 誰だって安心して暮らしたい~コロナ感染を(家族が)体験して思ったこと~

            2021年9月現在。ここ1か月ほどの全国での新規感染者の数は、1万人を下回ることがない。   我が家では、7月初旬、夫が新型コロナウイルス感染症で入院し、同居家族である私は感染こそしなかったものの「濃厚接触者」として2週間の隔離生活を送った。自分のところに“現実”がふりかかるまでは「こんなに感染者が増えているのに、経験者に出会えないなあ」と暢気に思っていたが無理もないことだった。きっと多くの人がその事実に沈黙し、小さな秘密としてそれを隠さざるを得ないのだ。   家族の感

          布団星人、なぜ語る?

          『風通信』原稿 2020年11月号 布団星人がゆく 42(最終回)  毎年今頃の時期、昔の職場仲間等々から、「子どもたちに水俣病のお話をしてほしい」という依頼が舞い込むことが毎年のようにある。ありがたいことである。お話に行くと、前半には水俣で撮ってきた写真を見せる。教科書や資料からはなかなか知ることのできない現在の水俣の様子を紹介することが多い。現在の水俣の自然や町なみ、水銀ヘドロが埋め立てられている場所、水俣病事件の慰霊碑など。そして、後半は、今まで自分たちで学習したり私

          布団星人、なぜ語る?

          『風通信』2020年9月号 布団星人がゆく 41

          生きるために「権利」がある   口をひらけば「あつい」という三文字しか出てこない猛暑の毎日。だが、心の中では背筋がいつも何となく寒く、薄氷の上をそろりそろり進むような、そんな心境でこの夏を過ごしている。直接は知らない、でもどこかで自分と共通点のある二人の「死」が、このところずっと頭の中に重くのしかかって離れないからだ。     一人は、お芝居自体だけでなく、その前後の取材などでも真摯な仕事ぶりを見せてくれていた俳優さん。そしてもう一人が、京都で起こった殺人事件(私はあえてこう

          『風通信』2020年9月号 布団星人がゆく 41

          『風通信』原稿 2020年7月号 布団星人がゆく 40

          私達が本当にたたかうべきもの、とは?  Covid19(新型コロナウイルス感染症)は、この原稿を書いている6月中旬になってもまだ終息の兆しが見えない。ただ、みんながこのままの巣篭り状態を続けていれば、社会が停滞し新たな困難や命の危険が生まれてしまうということで「非常事態宣言」はいったん解除された。  私は5月の終わりに患者会の役務で東京に出張した。夜にはホテルの展望デッキから東京タワーがブルーに光っているのが見えた。私は「医療従事者に感謝の気持ちを示す」という意味でブルー

          『風通信』原稿 2020年7月号 布団星人がゆく 40

          やりたいこと

          noteアプリさんに「最初はあなたのやりたいことや自己紹介を書くのがお勧めです」と言われた。どうしよう。 やりたいこと、か。 あるような、ないような。 私は自分のことを「布団星人」と呼んでいる。 1週間の半分くらい布団の中等々で休めば、何とか40代半ばの人間ができる程度の活動量をこなす事ができる。胎児性水俣病疑い、線維筋痛症、慢性蕁麻疹、などなど、ある程度の病名は付いているが、どれも私の不調だらけの日々を形容するには足りない気がする。どうも日進月歩の現代の医学も、私の

          やりたいこと