洋菓子店 「hannoc」
14:20受付、18:00入店。
待ち時間3時間40分。
入り口正面にショーケース
カウンター席からの眺め
食べたかったケーキは、もう無かった。
支払いを済ませ、トレーに乗せられたケーキと紅茶を席まで運ぶ。
注文したのはジャルダンフレーズ
やっと食べられる。
両サイドのダックワーズはモチモチした食感と程よい甘さでとても美味しい。ピスタチオのムースは単体では甘い。が、苺のジュレとバルサミコ酢ソースの酸味で調和される。
今までにないくらい、ゆっくりゆっくり、ひと口ずつ舐めるように味わいながら食べる。3時間40分分をこのケーキで取り戻したい。普段の倍くらいの時間をかけ、全神経を舌に集中させて、香り、甘味、酸味、食感を味わった。
そうして食べ終えた頃に、厨房から大量のケーキが大きなトレーに乗って運ばれて来た。ショーケースの中に、私が食べたかったケーキが並んだ。
今しがた食べたケーキで私の胃は満たされ、もう他のケーキが入る余裕はない。あと30分遅く入店していれば、あのケーキを食べれたのに。
このまま、すごすごと帰るのは何だか癪にさわる。
私はもっさりへのお土産を口実に持ち帰り用のケーキを2つ購入した。
翌日もっさりとのティータイム。
食べたかったケーキ、ブランシュ
ツリーのオーナメントを模した丸い形と雪のような真っ白な見た目。中を割ると白とピンク、赤のコントラストが可愛らしい。
甘いホワイトチョコに苺の仄かな酸味。下に敷かれた苺ロッシェは少し甘めだったけど、ケーキの後にロッシェをカリカリと食べ、ひとつで2つのスイーツを食べたお得感。
チョコレートケーキしか食べないもっさりに、フォレドネージュ。
甘さ控えめで大人のチョコケーキ。
中のジンジャーがアクセントになり、チョコと生姜ってこんなに合うんだ、と驚きの発見。
これが1番美味しかった。
このお店が話題なのは沢山のパティシエがいること。1人のトップパティシエのレシピを他のパティシエが作るのでは無く、数人のパティシエが各々のケーキを作っている。
全く違う発想の、全く違う種類のケーキが季節ごとに並ぶ。
若いパティシエ達が、自分の商品を提供できる場として素晴らしい試み。
ケーキの前には作ったパティシエの名前と写真が表示されている。自分好みのパティシエを見つけるのも愉しいだろう。
翌々日、私の頭の中は冷静さを取り戻す。
外でケーキを食べる時、私はティーポットで紅茶を楽しみたい。ケーキをひと口食べることに紅茶を啜りたいので、カップの紅茶では足りない。
カップのお湯にチャポンと漬けられたティーバッグ。紅茶の渋みは少なかったけど、自宅で飲むアールグレイの方が美味しく感じられた。
ケーキは細部まで凝っていて、味も美味しかった。また食べたいなとも思う。
でも3時間40分待って、またここで食べたいかと聞かれたら「いいえ」と答える。
ショーケースのケーキをただお皿に乗せ、紅茶もティーバッグ。自分で席まで運ぶセルフ方式。
特にお店で食べるメリットを感じなかった。
人それぞれ、カフェでお茶をする時の目的や求めるものは違う。私はいつもは使わないような食器と空間で、きちんとサーブしてくれるお店でゆっくり楽しみたい。
テイクアウトは待たずに購入できる。
自宅で美味しい紅茶を入れ、食べたい時間にまったりしながら食べる方がいい。
ケーキを食べたもっさりは、美味しいと言っていたが、私が入店まで3時間40分もかかった話をしたので、気を遣って「美味しい」と言っていたのかもしれない。
待っている間のお話はこちら
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