南座 歌舞伎鑑賞教室を観て来ました
2024年5月13日 午後の部鑑賞
【歌舞伎美人 公演情報詳細】
https://www.kabuki-bito.jp/theaters/kyoto/play/858
南座、恒例の歌舞伎鑑賞教室。
全席指定だが、このときだけは等級別ではなく一律3500円。
GW前にチケットweb松竹で、1階11列目という、ど真ん中特等席が買えた。
第一部は、歌舞伎への誘い 2:00〜2:55
今回の解説役は、元OSK日本歌劇団の男役トップスター 桜花昇ぼるさんと、
関西ではお馴染み上方歌舞伎塾出身の出世頭 片岡千壽丈、女形のこしらえで登場。
途中から紋付袴姿の片岡愛治郎丈も参加。
背景は、《義経千本桜》の道行の桜花爛漫たる吉野山の大道具。季節は過ぎてしまったが、ホストの桜花さんに合わせたのだろう。
詳しく実演付きで解説したのは、
◇ツケ打ち
◇黒御簾で活躍する太鼓で描写するものあれこれ
◇雨団扇、波籠、カエル(貝殻の楽器)の実演
*会場のお客様3人とともに
◇質疑応答コーナー
◇撮影タイム *自由に撮影可能
↓ こんなん撮りました
冒頭、千壽丈から紹介があったが、今回は某看護学校生の皆さんが見学の由。
外国人の方も多く、前後左右7〜8人ほどが外国の方で、日本人より多いぐらいだった。
終演後、劇場の外に出てみると、映画で “ Must - Do “ in Kyoto “ Kabuki Lecture & Kabuki Dance “ と書かれたポスターが貼り出してあった。
第二部は、舞踊《銘作左小刀 京人形》 3:15〜3:35
出演は、左甚五郎が片岡松十郎、女房おとくが片岡千壽、京人形の精が上村吉太朗。常磐津連中。
ここ何年か、鑑賞教室では、吉太朗丈の舞踊が続いている。
さもあらん、現役の上方系の歌舞伎役者でいちばんの踊り巧者なのだから。
40年を超える歌舞伎観劇歴のなかで、「これぞ、天才!」と思わず唸った子役が3人いる。
一人目は、子役時代の尾上松也。国立劇場で、尾上菊五郎が主演をつとめた《鼠小僧》の通しで、蜆売り三吉を演じて満座の観衆を唸らせた。
二人目は、子役時代の尾上右近。岡村研佑の名前は好劇家なら必ず記憶にとどめていたほど天才子役として活躍していた。
そして、三人目が上村吉太朗、その人だ。
(これに清水大希時代の中村鶴松を加えても良い。)
とにかく、まだ小さい時分から吉太朗丈の踊りは格別だった。
身体の芯から、踊りの躍動が弾けて来るような、惹き込まれずにはおれない魅力に溢れた産まれながらの踊りの名手だ。
今回の《京人形》では、とりわけぎこちないロボットのような人形振りの踊りが面白く、素晴らしかった。
同様のネタは、バレエの《コッペリア》とか、オッフェンバックのオペラ《ホフマン物語》のオランピアとか、欧米にも似た話はあるから、英語解説を聴きながらであれば、外国人にも馴染みやすかったのではなかろうか。
いなせな松十郎丈の左甚五郎含めて、充実した一幕であった。
(2024.5.13記)