「お前は恩知らずだ!」と面と向かって言ってくれる人は、実際には少ないのではないだろうか。誰かに対して「この恩知らず!」なんて言うことは滅多にないし、陰で「恩知らず」とささやかれるのがオチ。
だから、自分が恩知らずだなんて、ほとんどの人は気づかないものだ。自分がしてあげたことはずっと覚えているのに、してもらったことはすぐに忘れてしまう……
これが現実だ。
興味深いことに、これには科学的根拠があるらしい。以下は浄土真宗系の仏教伝道使から聞いた話。
歳を取って記憶が曖昧になると、自分が恩知らずかどうかもわからなくなるけれど、スーパーでの「納豆3パック58円!」の特売情報はしっかり覚えているような人なら、してもらったことくらい、しっかり覚えていられるはず。この心理実験の話を聞いて、「ああ、これ自分のことだ!」と思った。もっとも、与えるほどの愛を持ち合わせていないので、してあげたことなんて何もなかったが。
いずれにせよ、この布教師先生の話を聞かなければ、一生恩知らずのままだったかもしれない。
納税額日本一で有名な斎藤一人(さいとうひとり)さんがこんな話をしている。
とても感銘を受けた。恩を忘れず感謝できる人と恩知らずとの違いは、こういった小さなことを実行しているかどうかの違いではないだろうか。
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