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自認・他認/自称・他称

【自認】ばかりが強調されがちだが、問題の核心は【自認】と【他認】の不一致にある。【自認】する人が他者から認められずに苦しんでいることが、本質的な問題。(もちろん、他認されなくても問題としない人もいる。)
つまり、「他者に認められないこと」に苦しんでいると【自認】する人は、【自認】と【他認】が一致するまで、訴え続けるしかない。

 現代では、「自認」という言葉が、ジェンダー問題やLGBT、多様性、マイノリティの話題でよく使われています。しかし、それと同じくらい大切な「他認」との違いについては、あまり深く考えられていません。「自認」とは、自分がどういう人間かを自分で決めること。「他認」とは、周りの人がその人をどう見るかを指します。この二つが一致しないことで、悩みを抱える人は少なくありません。

 たとえば、トランスジェンダーの人々は、自分の性別を「自認」していても、社会がそれを「他認」しないと、生きづらさを感じることがあります。その結果、ストレスを感じたり、孤立したりすることもあります。この問題はLGBTQ+の人々だけでなく、あらゆるマイノリティに共通するものです。

 また、人は他人の評価に影響を受けやすいものです。旧友に「なんか変わったね」と言われたとき、それは自分が変わったのか、それとも相手の見方が変わったのか。このような日常の中でも、「自認」と「他認」の違いが現れます。

 職場でも同じようなことが起こります。自分では仕事にやる気があると思っていても、上司や同僚がそう思わなければ、評価されないこともあります。その結果、自信を失ってしまうこともあります。

 このように「自認」と「他認」が合わないと、人は苦しみます。特にLGBTQ+の人々は、自分を理解してもらうために努力しなければならない場面が多くあります。しかし、これは簡単なことではありません。偏見や差別に直面することもあり、家族や友人との関係が難しくなることもあります。誰にも理解されないと感じると、精神的に追い詰められてしまうこともあります。

 こうした問題を乗り越えるためには、他人の評価を待つのではなく、自分で自分を認めることが大切です。自分の考えや価値を信じ、他人の意見に左右されずに生きる力を身につけることが重要です。すぐにできることではありませんが、少しずつ自信をつけることで、周りの目を気にせず生きられるようになります。

 例えば、LGBTQ+の友人がカミングアウトしたとき、最初は周囲の反応が冷たかったり、否定的だったりしました。しかし、その友人は自分のアイデンティティを信じて行動し続けました。その結果、時間が経つにつれ、周りの人たちの理解が深まり、受け入れてくれる人が増えたのです。「自認」を貫くことで、「他認」も変わることがあるのです。


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