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扁桃体の分類について

 結論から言うと、扁桃体は、大脳基底核に分類される場合もあるし、大脳辺縁系に分類される場合もあります。特に大脳辺縁系を構成する領域の定義はあいまいで、研究者によって異なります。

 これは私見ですが、解剖学的に見た場合、扁桃体は大脳基底核の尾状核に隣接しているので、「扁桃体は大脳基底核に含まれる」ことになるかと思います。また、扁桃体は海馬にも近接しており、機能的(生理的)に見た場合、大脳辺縁系は情動に関わる領域であり、その中心となるのが扁桃体であることから「扁桃体は大脳辺縁系に含まれる」という見解になるかと思います。


 いずれにせよ、「扁桃体は、情動に重要な役割を果たしている」このことが最も大切な点になるかと思います。

(脳科学的に「情動」とは、快・不快、怒り、恐怖、喜びなどの本能的な感情とそれに伴う身体反応をさします)


【参考図書】
・ 「解剖学 第2版」公益社団法人 東洋療法学校協会編 医歯薬出版株式会社
・ 「生理学 第3版」公益社団法人 東洋療法学校協会編 医歯薬出版株式会社
・ 「ぜんぶわかる脳の辞典」 坂井建雄、久光正 監修、成美堂出版

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