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介護保険の主治医意見書作成に最適な診療科は?


こんにちは。

名古屋で社会保障制度の調査代行をしている社会福祉士の稲山です。

「ありのままの~♪」って人に言ってもいいけど、自分で共感して受け入れてちゃ人生そのままで終わっちゃいます。

# 仕事、筋トレ、礼節、試行錯誤して努力して毎日を大切に。




プロローグ


知り合いのケアマネは、担当している方の心身の状態によって、主治医意見書を記載してもらう医師を変えています。その話を聴いて納得ができたので、今回はその内容をお届けします。




介護保険の主治医意見書とは

主治医が申請者の疾病や負傷の状況などについての意見を記し、要介護認定を行う際のコンピュータによる一次判定や介護認定審査会での審査判定の資料として用いられます。

健康長寿ネット 介護保険の主治医意見書とは




ケアマネは医師に主治医意見書の記載を「お願い」している。


介護保険サービスを利用するには主治医意見書が必要です。その記載を医師に依頼するルートは主に二つです。


・家族から医師へ。

・ケアマネから医師へ。


しかし、家族から医師に記載を依頼する場合も、ケアマネが事前に「家族が主治医意見書を持っていきますので記載をお願いします」と、医師に連絡をしていることが多いです。また、(同じ医師に主治医意見書の記載依頼が)二回目以降になる場合は、役所や役場から直接医師に主治医意見書を郵送するということもありますが、その際もケアマネが「主治医意見書が郵送されてくると思いますので記載をお願いします」と、医師に連絡をしています。


そして重要なことは、主治医意見書の記載をケアマネは医師に「お願いをしている」、医師はケアマネから「お願いをされている」ということです。理由は


・ケアマネは、(担当をしている方が介護保険サービスの利用ができなくなってしまうので)なんとしても記載をしてもらう必要がある。


・医師は、記載をしなくてはいけないという義務はない。


その他、(結構な割合で)ケアマネが「医師」の持つ社会的地位やイメージに必要以上に「ビビってる」ということがあります。




お願いしやすい医師に依頼してしまう


普段から診てもらっている医師が一人なら問題はありません、その医師に主治医意見書の記載を依頼します。しかし、二人以上ならどうすればいいのでしょうか。ケアマネは、担当している方の心身の状態を最も正確に主治医意見書に記載をしてくれる医師を選ぶ必要があります。


例えば、高齢者がよく掛かっているのが内科と整形外科です。


全身的な健康状態や内部疾患(心疾患、高血圧、糖尿病など)で介護の手間や時間がかかっている場合は内科、骨や関節、神経、筋肉など体を動かす仕組み(骨粗しょう症、圧迫骨折、座骨神経痛など)に痛みや支障がある場合は整形外科の医師に主治医意見書を記載してもらうのがいいでしょう。その他、認知症の症状がある場合は精神科や神経科の医師が適当と思われます。




さいごに

(利用者の権利擁護) 2.私たち介護支援専門員は、常に最善の方法を用いて、利用者の利益と権利を擁護していきます。

介護支援専門員 倫理綱領


主治医意見書の記載を依頼する医師を選ぶ基準として、「普段よく診てもらっている」はケアマネの言い訳でしかありません。


ケアマネがすべきことは、ケアマネ自身が担当している方の現状を把握し、その現状を最も正確に主治医意見書に記載をしてくれる医師を選ぶことです。オートマチックに「普段よく診てもらっている医師」、はたまたケアマネ都合で「お願いしやすい医師」に主治医意見書の記載を依頼してしまうことは、担当している方の権利擁護には繋がりません。


改めて、担当している方の状態によって、主治医意見書を書いてもらう医師を変えている知り合いのケアマネ、弊所としても学ぶべきことが多いにあると感じました。


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