制度の「利用ができるか、できないか」。そしてもう一つは「利用ができるようにならないか」。
制度やサービスの利用を断られた方、制度やサービスの利用ができなくて困っている方へ。
こんにちは。
名古屋で社会保障制度の調査代行をしている社会福祉士の稲山です。
仕事内容の9割は「面倒くさい」。
#やりたい仕事をやるための仕事をやらなくちゃいけない。
第一関門は制度やサービスが「あるか」「ないか」
困ったことがあって役所に相談に行った時、役所の人は困りごとが解決できる制度やサービス(以下、制度)を探してくれます。もし利用ができそうな制度があれば第一関門突破です。
利用ができそうな制度がない場合、そこから先は「黄色信号」です。
現在、あらゆる「相談窓口」と呼ばれる所では、「伴走型支援(継続的に関わること、つながり続けること)」や「断らない支援」を心がけています。しかし、実際には自分が担当している仕事の範囲内での対応が困難だった場合に、その範囲を超えてまで動いてくれる相談員はほぼいません(約20年の私のキャリアの中では二人だけいました)。誰しも自分の専門分野であるコンフォートゾーン(快適な空間)を出て、やったことがないこと、知らないこと、分からないことはしたくはないのです。これは人間の本質であり、相談員の仕事としてもそこまではやる必要性はありません。
第二関門は制度やサービスが「利用ができるか」「利用ができないか」
利用ができそうな制度があった場合、次に重要になってくるのが、実際にその制度の利用ができるか、できないかです。制度によって細かく様々な利用要件があり、それをクリアできれば制度の利用ができます。利用要件がクリアできなかった場合は、前述した「利用ができそうな制度がない場合、そこから先は「黄色信号」です」から以下の記述に戻ります。
弊所の仕事①
「利用できる制度がない」と言われても、「本当はどこかに利用できる制度があるんじゃないか」と考えて、相談者が利用できる制度を探すこと。
利用できる制度がない、と言った方は、おそらく自分が担当している仕事の範囲外の制度は調べていないと思います。弊所は特定の分野を超え、すべての可能性を考慮し、あらゆる制度の中から相談者が利用できる制度を探します。
弊所の仕事②
「制度の利用はできない」と言われても、「本当に利用できないの?」と疑って、制度の利用ができるようになる方法を考え、動きます。
どう動くか。例えば
・制度の利用要件の確認を相手方に任せきりにせずに、弊所みずから制度の利用要件、受給要件、申請要件の確認を行います。そうした要件を徹底的に調べ直した上で、本当に要件をクリアできていないのか、クリアできる方法はないのかを検討します。
実際に以下の記事のようなケースがありました。
どう動くか。ほかには
・市区町村の窓口での交渉が難しい場合は、国や都道府県と直接交渉します。
・利用できないと言われた制度が他の地域ではどのような申請、利用、運用状況なのか、情報収集を行います(収集した情報は、相談者の申請をサポートする際に活用します)。
・制度の利用ができない理由が「所得制限」であった場合、あらゆる「控除」を使って利用ができるようにします。
控除・・一定の金額を差し引くこと。控除を使って所得を下げることができれば、所得制限をクリアし制度の利用ができるようになることがあります。
・申請者や第三者(医師など)が申請書を記載する際のサポートをします。制度の利用に必要なことは詳しく、必要のないことは見極め記載せず、「制度の利用ができる申請書」を作ります。
さいごに
制度やサービスの実施主体は、国や都道府県、市区町村、企業、NPO、ボランティア団体、地域のコミュニティーなど様々で、利用要件、受給要件、申請要件も同様です。利用ができないと言われても、地道に正確に事実を調べることによって、利用ができるようになることがあります。
誰が悪いわけでもなく、どこまでいっても社会保障制度とは不完全なものだと考えています。だからといって本来利用できるはずの方が、できなくなってしまうということは、なくさなくてはいけません。そしてその方法は唯一「自分で調べて、自分でやる」というほかありません。弊所の仕事はそのサポートをさせていただくことです。お気軽にお問い合わせください。