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奨学金を利用するために「学ぶ意欲がある学生」であることを証明せよ
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奨学金制度を利用するには
日本には、いくつかの奨学金制度があります。どの奨学金制度も利用要件は大きく分けて2つです。
①世帯収入や資産の要件を満たしていること
②学ぶ意欲がある学生であること
今回の記事は「②学ぶ意欲がある学生であること」、特に入学した後についてです。学ぶ意欲とは具体的にどういったことを指すのでしょうか。奨学金を利用し続けるために、「学ぶ意欲」ってどんなふうに分かってもらえばいいの?ということを書いていきます。
確認しようと思ったこと
今回一例として挙げるのは、文部科学省が管轄する日本学生支援機構JASSOの「高等教育の就学支援新制度」です。
当該制度を入学後も利用するにあたり、学業における可否判断基準としてホームページに以下のような記載がありました。(ちなみに他の制度についても調査しましたが、大きな違いはありませんでした)。
<入学2年目以降>在学中のGPA(平均成績)等、または単位の取得状況と学修計画書(学修の意欲や目的、将来の人生設計等を確認)の提出などにより、学修意欲があると認められた人が対象となります。
この説明を読んで、私が確認しようと思ったのは以下の三点です。
①学修計画書に統一された様式はあるのか?
②学修計画書には具体的にどんなことを、どの程度書くのか?
③平均より成績が悪かったり単位が取れないと、奨学金の利用ができなくなることがあるのか?
確認したこと
文部科学省に問い合わせてみると、「ホームページの記載内容は大まかな規定であり、詳細についてはそれぞれの学校によって異なる」とのことでした。
次に、某私立大学(弊所代表の母校)の学生課に問い合わせをしました。
Q.学修計画書に統一された様式はありますか?
A.統一された様式はありません。それぞれの学校で用意をしています。
Q.学修計画書には具体的にどんなことを、どの程度書きますか?
A.記述式。wordを用いて全部でA4用紙2枚程度。項目は「目標」「振り返り」「計画」などで、各200字程度で記載をしてもらいます。
Q.平均より成績が悪かったり単位が取れないと、奨学金の利用ができなくなることがありますか?
A.あります。年度末に「適格認定審査会」を開催(本人は出席しない、試験もない)。今年度の成績、単位取得率、出席率などの評価を行い、その結果次第では奨学金が利用できなくなることがあります。段階としては「警告」が出され、次年度も改善されない場合、奨学金は「廃止」となります。適格認定審査会の結果によっては、一年目で廃止ということもあります。
警告、廃止を決定するのは日本学生支援機構JASSOですが、その判断材料となるのは「それぞれの学校からの情報(適格認定審査会の結果)」とのことでした。
さいごに
「高等教育の修学支援新制度」は、世帯収入の要件を緩和する予定だそうです。奨学金を使いやすくし、学びの選択肢を増やしていくことは大切なことです。今回の記事が奨学金に対する漠然とした不安や疑問を解消する一助になることを願っています。