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人間関係の相手は「知ったようなことを言う人」



こんにちは。

名古屋で社会保障制度の調査代行をしている社会福祉士の稲山です。

「わかりません、教えてください」と言える人は弱くない。
#強くなきゃ言えません。



「人間の悩みは、すべて人間関係」/アルフレッド・アドラー

弊所の相談者も人間関係と闘っていらっしゃいます。

今回は40代男性Aさんの話。

※読者の皆様にお伝えしたいことは、人間関係に悩み、闘っているのはあなただけではないということ、ここにもお一人いらっしゃるということです。#共感、同士、一人じゃない。

記事は相談者のお話を基に作成しています。内容の是非に関するコメントは差し控えていただきますようお願いいたします。





本人の希望と上司の発言


(障害)福祉関係の職場に勤めているAさん。Aさんが担当していた利用者のBさんが、グループホームを抜け出し自宅に戻ってしまいました。Bさんは「グループホームには戻りたくない、自宅で暮らしたい」と言っています。Aさんは上司から「Bさんが自宅で暮らしたい理由は確認した?」と聞かれました。さらにAさんは上司から「Bさんが自宅で暮らしたい理由を確認して、その理由に当てはまる自宅以外の場所を探してみて」とも言われました。




支援方法をめぐる葛藤


福祉の現場では職員(サービス利用者(以下、本人)を支援する人たち)が集まって、本人の支援方法について悩んでいる光景がよく見られます。なぜ悩むのか、それは多くの場合に本人が望むことよりも、一般的に正しいとされる支援方法を優先してしまい、結果的にその支援を本人が受け入れてくれないということが理由です。では、どうしたらいいのか。答えはシンプルで、本人が望むことを支援すればいい、それだけです。




上司との対立


Bさんの支援方法についてAさんが上司と協議を重ねる必要があると感じたのは、上司が最初から「自宅で暮らす」という選択肢を排除していたからです。上司は「Bさんは障害を抱えているから、生活する場所はグループホーム」という考えで、自宅での生活を認めませんでした。




本人の選択を尊重する支援


上司の「Bさんが自宅で暮らしたい理由を確認して、その理由に当てはまる自宅以外の場所を探してみて」という発言は、障害を抱えた人はグループホームのような、支援が受けられる場所で生活をするのが普通という一般的な価値観と、自宅で暮らしたいというBさんの意向の折衷案のようなものでした。

自宅はダメ、条件が合えば自宅以外でもいいだろう、これでBさんも周りも納得し丸く収まる…とでも上司は思ったのでしょうか。

AさんはBさんの自宅で暮らしたいという希望に対して、他の選択肢を探すのではなく、Bさんの希望をそのまま支援するべきだと考えました。自宅で暮らしたい理由なんて必要ない、ただその希望を尊重し支援すればいい、というわけです。




自立を支える支援者の役割


自立とは「選ぶこと」だとAさんは考えます。選んで、行う、選んで、行う・・この繰り返しが自立した生活です。例えば、目覚まし時計が鳴った時間に起きるのか、二度寝するのか、今日は会社を休むのか・・自分で選ぶことが自立です。

選ぶことはできても、それを自分一人では行えない方がいます。その「行えない」を支援するのが職員などの支援者です。あくまでも選ぶのは本人です。

本人が選んだことを一番に支援する、一般的な価値観や周りの都合は二の次です。選択肢を提供し、それぞれのメリットとデメリットを丁寧に説明し、本人が選んだものを全力で支援する、それが支援者の役割です。




さいごに


Bさんの自宅で暮らしたいという理由に合致するのであれば、暮らす場所は自宅以外でもいい、というわけではありません。Bさんは自宅で暮らしたいのです。

一旦Bさんは、グループホームに戻られたそうです。現在もAさんは上司と人間関係という闘いの途中です。悔しい思いをすることもありますが、それでも支援者としての信念を持ち続けたいとおっしゃっています。

人間関係と闘っているのは、あなた一人ではなさそうです。



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