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「だいたいでいいよ」のだいたいって、一体どれくらいなのか

「だいたい」って何?

仕事をしていると「○○やっといてくれるか。だいたいでいいからさ」や「だいたいの見積りでいいいから、送ってください」なんて場面にでくわす。そして真剣にやればやるほど、「だいたいでいいのに。時間かけ過ぎだろ」とか、「見えないところだから、ほどほどにね」などと水を差される。

「じゃあ、だいたいって何割で何パーセントなんだよ!」と叫びたくなる新社会人や新人は多いんじゃないだろうか。私が新卒で入社した会社員時代、そして職人の世界に入ってからもぶつかる問題だ。そういう曖昧さを排除して、きっちり基準を設けてほしいと何度も思った。

結論:「だいたい」がわかるのは、新人の域を出てから

身も蓋もない話だけれど、最初はわからなくて当然だと思う。一を聴いて十を知る。なんてことは、世の中ほとんどない。初めのうちは先輩や上司、担当者に素直に尋ねるべきだ。そうすれば指示をくれる。「だいたい」の本質は、手の抜きどころ、力の入れどころがどこかということ。それは十を知らなければ判断できないはずだ。

現実は行程・相手・状況によって常に変化している。「だいたい」を数量化、定量化することはできない。大切なのは、細かくやるべきところかどうかを見極めること。

以上です。

というわけにはいかない。ここまで書いてきて感じるのは現代の成果主義、スピード重視の組織において、これでは通用しないということだ。仕事の100パーセントを経験するまで待ってあげるのが可能であれば問題はない。問題なのは、100に到達する前に新人が辞めてしまうこと。

私たちの処理可能時間は減ってきている

インターネットやオンライン化の普及は、関係なさそうな職人の世界にも及んでいる。施主や受注者のやり取りの速度が上がり、変更や修正の時間的猶予ができた。しかし、最終的な工期は変わらないため、施工段階にしわ寄せがいくのである。

そんな忙しい現場で昔みたいに「見て覚えろ、技を盗め」と言うだけでは若い人は納得しない。加えて、気になることはスマホで検索してきた世代だから、結論を急ぎたいのかも知れない。現場も個人も、情報を処理する手持ち時間が減ってきている気がする。

でも技術はそう簡単に真似できないのだ。

過渡期にいる私たちにできることは、「なぜそうするのか」という理屈を伝えること。そして、それらをマニュアル化、ビジュアル化すること。「おれたちの時代は〜」を卒業して、できるだけ多くの情報量を準備する努力が後続の道を拓くことになるのではないだろうか。

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