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『旧町名さがしてみましたin東京』おすすめポイント
こんにちは!二見書房編集部です。
本日は先月に発売した『旧町名さがしてみましたin東京』(102so)の、おすすめのポイントをじっくり解説していこうと思います。
![](https://assets.st-note.com/img/1681982430067-YQho0BnUYU.jpg?width=1200)
そのまえに……
本書の製作のきっかけになった102soさんのブログをご紹介。
さかのぼること約2年半ほど前……
102soさんの旧町名ブログ「旧町名をさがす会」の存在に気付く
102soさんが2006年に新宿区「柏木」を発見して以来、旧町名の捜索活動の記録をされているブログ、「旧町名をさがす会」。
なんと2010年から今日まで更新が続いています。
年数分の蓄積で、びっくりするぐらい沢山の旧町名が紹介されています。
本も読んでいただきたいですが、旧町名愛に目覚めた方はぜひブログも見ていただきたいです。私ものぞくたびに知らない旧町名を発見しています。
本日の収穫です。ええ~!自由ヶ丘って旧町名なの!という驚き。
ここからあらためておすすめポイントに移ります。
おすすめ①唯一無二で圧倒的。こんなに集めてるのがヤバい。
本書の企画のために102soさんのブログをすべてさらって思ったことが……
ここまで旧町名を蒐集しているのは、ちょっとスゴイを通り越してヤバイ。
旧町名豊作の年、2016年の記事は見ても見ても見終わりません。
本書の著者紹介文では
「東京23区の約700の旧町名を発見済み」としていますが、
ここに多摩地域も入れ東京全体になると「東京都約800の旧町名を発見済み」とアップデートされるようです。ハンパない……!
じつは102soさんは旧町名界隈ではエキスパートとして知られる存在で、
本書に「東京時層地図」アプリの画像をご提供いただいた「一般財団法人日本地図センター」職員の方が「ブログ楽しく読んでいました」とお話されていたり、弊社で親しくさせて頂いているカメラマンさんが「ブログ、前からずっと追っかけていました‼」と熱く語っておられ、同じように全国に旧町名ファン・102soファンがたくさんいることと思います。
たくさんの旧町名たちを1冊の形にまとめることができて、より多くの方に102soさんの活動と、旧町名の魅力を布教できてよかったなと思います。
3/24に下北沢にある「本屋B&B」さんで行われた刊行記念トークイベントでも、ゲストの今尾恵介さんが「こんなに集めているのが見事ですよね」と仰っていて、ほんとにほんとに!と首がもげるほど頷きました。
今尾さんは「特に写真を真正面から撮っているのがすごい」とお話されていて、なるほどたしかに!と。
本書のこちらのカバー、そして本編に出てくるほぼすべてのお写真が、102soさんが長年撮りためてきた旧町名とその町並みたちです。
当然数年~十数年前のお写真も多いわけで、そういったものはすでに町並みが再開発によって消え去っていたり、建物自体が消滅していたりと、
この本自体が東京の町の記録になっているのです。
![](https://assets.st-note.com/img/1681991144638-pCWtiwDlwz.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1681993551523-Umq671zbBi.jpg?width=1200)
ちなみにそのトークイベントはこちら↓
https://bbarchive230324a.peatix.com/
4/25まで動画がアーカイブ販売されています!必見!
![](https://assets.st-note.com/img/1681995985168-ck4JOwu3ML.jpg?width=1200)
おすすめ②文章が面白い
旧町名?地名の本?なんか難しそう……というイメージを根底からひっくり返す、思わず笑ってしまう文章と、ウィットに富んだ表現の数々。
数ページ、数十ページと読み進めると、どっぷり102soワールドにはまってしまう、中毒性のある文章です。
ぜひ、皆さまも読んでワールドにハマる体験をしていただきたいです!
![](https://assets.st-note.com/img/1681991941334-8Smdr5Ys9p.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1681991925198-1NQ46TD980.jpg?width=1200)
宣伝の材料を探すために本を開くと、面白くてついつい読んでしまうという…
「はじめに」はこちらにて公開中!ぜひ一読を!
おすすめ③旧町名が儚く美しい
月光町に真砂町、第六天町に深川洲崎弁天町……
小梅、桃園町なんていう可愛らしい旧町名も。
ほとんどが江戸時代やそれ以前からの古い古い歴史を持つ地名。
そしてこれらすべてがいまはなき地名。
しかし、密かに町に残る旧町名の痕跡を102soさんがひたすらにさがしつづけ、1冊にまとめたのが本書です。
![](https://assets.st-note.com/img/1681996513743-TQi7Yz8okw.png?width=1200)
その名を冠した月光町アパートメントは、建物もうっとりする造形です……
真砂町は文京区。
現在の本郷に該当する旧町名。
「君が代は 限りもありじ 長浜の 真砂の数は よみつくすとも」
(天皇の命は限りなく続くでしょう、長浜の砂の数は、数えつくすことがあろうとも)
古今和歌集の古歌が由来とな。
![](https://assets.st-note.com/img/1681997445378-IXJssoiq7k.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1681997505482-zRftTUnHxA.jpg?width=1200)
おすすめ④やっぱり内容が濃い
文章の面白さもさることながら……やはり本書の魅力はその内容の濃さ!
なんと東京23区、約200の旧町名を紹介しています。
せっかくなので、取り上げている旧町名をすべてご紹介……
【千代田区】
三年町/神田松富町/神田五軒町/三崎町/猿楽町/須田町/神田旭町/神田田代町/神田一ツ橋
【中央区】
京橋區+日本橋區/本町/新佃島西町/日本橋兜町/月島通/宝町/霊岸島/越前堀/木挽町/小田原町/銀座西
【港区】
我善坊町/西久保広町/谷町/芝白金今里町/芝下高輪町/伊皿子町/三田豊岡町/芝琴平町/赤坂檜町/芝二本榎西町/芝三田小山町/赤坂氷川町/麻布霞町/麻布笄町
【新宿区】
十二社/淀橋/柏木/角筈/三光町/花園町/諏訪町/坂町/本塩町/三栄町/戸塚町/霞丘町
【文京区】
音羽町/東青柳町/西青柳町/久堅町/真砂町/大塚窪町/第六天町/駒込追分町/根津須賀町/竹早町
【台東区】
浅草象潟町/南松山町/浅草公園六区/浅草聖天横町/池之端七軒町/上野花園町/谷中上三崎南町/谷中天王寺町/松葉町/谷中初音町/万年町/南稲荷町
【墨田区】
業平橋/竪川/東両国/錦糸町/寺島町/吾嬬町西/吾妻橋/厩橋/小梅
【江東区】
深川白河町/深川牡丹町/深川平野町/深川洲崎弁天町/佐賀町/深川新大橋/深川住吉町/深川木場/深川門前仲町
【品川区】
南品川宿/大井伊藤町/大井鎧町/大井滝王子町/中延町/上大崎長者丸/上大崎中丸
【目黒区】
月光町/駒場町/唐ヶ崎町/向原町/清水町/衾町
【大田区】
大森區+蒲田區/池上徳持町/入新井町新井宿/女塚/道塚町/森ケ崎町/市野倉町
【世田谷区】
玉川等々力町/玉川上野毛町/玉川瀬田町/大原町/廻沢町/烏山町/粕谷町
【渋谷区】
常磐松町/金王町/北谷町/原宿/穏田/伊達町/羽澤町/大和田町/代々幡町代々木富ヶ谷/通シリーズ/上智町/桜丘町
【中野区】
囲町/桃園町/文園町/中野町字道玄/塔ノ山町/仲町/宮前町/通シリーズ
【杉並区】
高円寺/神戸町/関根町/東荻町/馬橋/宿町/成宗/東田町/西田町
【豊島区】
椎名町/池袋東/長崎東町/高田本町/西巣鴨町大字巣鴨
【北区】
王子町/岩渕町/稲付町/袋町/稲付島下町/滝野川區+王子區
【荒川区】
日暮里町/三河島町/日暮里渡辺町/日暮里町大字旭町
【板橋区】
小山町/茂呂町/根ノ上町/志村町/長後/板橋町下板橋/仲宿/徳丸本町
【練馬区】
板橋區練馬南町/田柄町/江古田町/仲町
【足立区】
四ツ家町/小右衛門町/荒川の先の千住/伊興町シリーズ/舎人公園の亡霊
【葛飾区】
本田中原町/本田渋江町/水元小合上町/本田木根川町
【江戸川区】
堀江町/逆井/葛西/桑川町/下鎌田町
ズラーーッと並べてみましたが……この数の迫力よ!
さらに、『旧町名さがしてみましたin東京』では、
第3章になんともマニアックな章、
住居表示の実施、てなんだ?
を収録。
![](https://assets.st-note.com/img/1681994791445-XdqTcVVo5F.png)
そして密かにこの第3章、個人的推しの章です!
本書を作るまで名前くらいしか知らなかった法律ですが、実はこんなことを定めていて、目的はこうだったとは……!驚嘆しきりです。
旧町名界隈では町名変更を強硬させ、根こそぎ古い町名をダメにした「天下の悪法」として忌み嫌われていますが、その住居表示法に別の角度から光を当て、102soさんならではの見解が述べられています。
住居表示法の「街区方式」にのっとって定めた住所は「地球上で唯一ここだけ」を示すことができるため、その性質を利用したミニ企画「住居表示だけを頼りに二見書房へ行ってみた」もぜひ。
「街区方式」のルールを知っていればスマホやグーグルマップを見ずとも目的地にたどり着ける!
第4章には旧町名ラバーの文筆家・能町みね子さんとの「旧町名愛をたっぷり語る」を収録(ほんとにたっぷり語ってます。対談時間2時間、計12ページに及ぶひたすらな旧町名トークをお楽しみください)。
さらにまだまだ、コラム6つにミニコラム4つと、よくここまで詰め込んだな……というぎっしり重たい(計240p、本の厚みは1.6cm。物理的にも重いです)本なのですが、これ以上紹介すると長くなりすぎるため、このあたりで止めておきます。
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中身が重たければ重たいほど、マニアックであればあるほどイイというマニア気質な方にはぴったりの1冊。
ここまでつらつらと本書の魅力、おすすめポイントを語ってきましたが、
なにはともあれ……まずは本を読んでみてください!
そして旧町名・地名愛好家にぜひ仲間入りを!!
(SNSでの感想もお待ちしております📱)
![](https://assets.st-note.com/img/1681996840047-McSY69Hjdk.jpg?width=1200)
平成30年に三崎町から旧町名が復活した町名です。
旧町名が復活する例もあり、本書でもいくつかの例をご紹介。
↑こちらから本書の詳細情報、ネット書店リンクに飛ぶことができます。