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まだ知らない海がある

幼い頃、海は恐い場所でした。

下に何やらモサモサと生える水草が足に絡まり、波が寄せては、体が沖へ離れていく。そして水を覗いても、深くなるほど、何がいるのか分からない。

そんな場所でした。

大人になって、鉱物に触れるようになり、地層を巡る中で、海から生き物は上がってきたということを、感じるようになりました。また、かつて海だった場所に想いを馳せることも増えました。

何年か経ち。心もカラダもギュウギュウになったとき。見ていたのは、仄暗くも仄明るい海の世界の映像でした。

揺蕩うクラゲや、タツノオトシゴ。ただ生き物がいる。それを眺めることで、一つ踏み外せばガクリと来そうな時間をやり過ごすことが出来ました。

そして今。

2年前に金魚を育て始めた頃から、ほんのり思っていた『海の生き物を育ててみたい』という夢を叶え始めました。

その過程で出会ったサンゴの世界。サンゴはずっと綺麗だと思っていたし、鉱物を扱う上で、死んだものや化石になったものに触れることはありましたが、生きた珊瑚の世界がリアルに感じるようになって思ったのは

私はまだ、海のことを何も知らない。ということです。

知らないのに、恐いと思っていた。知らないのに、知っているような気がしていた。だけど、海はその時代・その場所・その時間で、まったく違う顔を持っている。見る私の目が変われば、いくらでも新しい顔を見せてくれる気がします。

知らないのに知っているふりをするのをやめて、少しずつ、海へ。


そして、今日。また新しい、海に関する夢が増えました。それはまだ秘密だけど、叶ったらまた作品に反映しますね。


余談ですが、海の底の世界は宇宙より到達が難しいと言われているそうです。まだ海の全体の85%ほどしか、科学でも解明されていないのだとか。

手が届きそうで届かないというより、誰も目指そうとしなかった暗い世界。それが海の底なのかもしれません。深海の世界を描くかどうかは分かりませんが、まだ未解明のものがたくさんあるというだけで、幸せな気持ちになるのは、私だけでしょうか?


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