黒曜石とハイネケン
美しい緑のガラスが届いた。
Twitterで拝見していた作家さんのものだ。
ガラスを手にしたのは、久しぶり。私のガラス人生は、黒曜石から始まった。
黒曜石は、はるか遠い昔から、人の生活に影響を与えてきたそうだ。マグマが冷やされて出来る天然ガラスは、メタフィジカルな意味においても、深い意識下に眠るものを起こすとされている。
そして私の人生に、黒という色彩と、そのなかにある希望をもたらしてくれた。
次に出会ったのは、テクタイト。隕石の衝突による熱が、地表の珪素を溶かして出来るもの…こちらも天然ガラスらしい。モルダバイトや、リビアングラスも、鉱物女子の端くれだった私にとっての憧れだ。
(鉱物の成分や形成については、どうぞ専門家を訪ねるべし。間違っていたら、優しく教えてね。)
そんな風に、私にとってのガラスは、普段は触れられない激しい熱によって出来上がった、地球で生きるためのノウハウを詰め込んだ宝物だった。
鉱物から離れ、随分な時を経た。
そして、1人の作家さんを見つけることになる。
なんとも気になるガラスを作られる方で、Twitterを拝見してはモフモフしていた。
ある日のこと、キュートなグリーンのガラスを、その方が写していらして。作家さんご自身のSNSイベントで募集されていたのだけど、もうこりゃたまらんと、恥を忍んでコメントさせていただいた。そして、作家さんのご厚意により、我が家にやってくることとなる。
ほら、見ろよ。ハイネケンのガラスなんだぜ。もうコレ、どうやったってかわええやろ?チョイスが憎すぎるッ!(双子屋の心の声)
久しぶりに、人の熱によって溶かされたガラスを身につける。奇しくも、その日の夜に、長年シコリとなっていた…というより、ほぼ絶望していたことが一転、未来への展望が開けることとなった。
緑は、ハートの色なのだそうだ。人の心、そして本音へと繋がる色だと、以前人から教えていただいたことがあった。
人間の世界にも、ハートを溶かす熱はあったということだね。
自身の未来が明るくなったという意味でも、理性が吹っ飛ぶほどのキュートさという意味でも、本当に最高の一夜を過ごさせていただいた。愛するものがなければ、人は生きられないのよ。全ての作家さんに、幸あれ。
黒曜石から、ハイネケンへ。
目に見えない場所からやってくる熱から、人からやってくる熱へ。
願わくば、この熱が必要な人に伝わっていきますように。
素敵な作家、en.さまに感謝を込めて。本当に、ありがとうございました。
en.さまの、言葉を愛する美しいガラスの世界はこちら▶︎https://atelier-en.storeinfo.jp
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