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袖振りあうも多生の縁

見知らぬ人からよく声をかけられる。おじさんのちょっとしたおふざけだったり、その場の状況確認や食材の美味しい食べ方など。先日はジーンズを褒められるという、なんとも嬉しい出来事がありました。

ほんの些細なことでも微笑みあったり、会話したり。人との触れ合いって大事ですよね。

ある朝、自転車にスカートを巻き込んでしまって身動きが取れない女性を見かけました。仕事に行く時間ギリギリだったのですが見過ごせず声をかけました。薄い生地の綺麗なロングスカート。自転車の後輪にしっかりと巻き込んでいました。良く見ると子ども乗せ自転車。「お子さん乗ってなくて良かったですね」「そうですね、今保育園に預けたところで、お時間大丈夫なんですか?」「大丈夫(もう遅刻ですw)」

自転車からスカートを外そうとタイヤを回したりスカートを引っ張ってみたりしましたがびくともしません。「これはもうスカート切るしかないね、自転車の油で汚れも取れないだろうし。でもハサミがないよね」「あ、私ハサミ持ってます」前籠のカバンの中に携帯用のハサミ。これはもう切れってことだなと判断してバッサリ。後輪に複雑に絡まった布は綺麗に外れました。

「ありがとうございます」やっと動けるようになった彼女はアシンメトリーになったスカートで自由の身になりました。

どこの誰かはお互いわからないままのエピソード。顔も覚えていないけど私の中ではしっかりと記憶の一部に残っています。

すれ違う人の心の状態はわからないし、声を掛けるのはとても勇気がいること。でもほんの一言がその人の中にぎゅっと染み込むこともあります。そしてずっとその人の中に残り続けるのです。

自分の思いや言葉を誰かに伝えられたら素敵ですね。

姿を超えた心の繋がり。

言葉は本当に大切なもの。大切なものを大事に使って世の中の幸せを増やせたらいいな。

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