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心理士とサードカルチャーキッズ。

サードカルチャーキッズ〟という言葉をご存知ですか?
私はタイに来て、fumiさんと出逢ってから知りました。


先日、
fumiさんの講演を聴いてきた&その講演当日のスタッフでもないのに事前のスタッフミーティングにも参加して色々な話を聴いてきたので、
自分のなかの考えや思いをまとめるためにも記事にしました。

fumiさんのInstagramはコチラ↓

サードカルチャーキッズとは?

サードカルチャーキッズ(TCK)とは…
両親の生まれた国の文化を第一文化、現在生活している国の文化を第二文化とし、この2つの文化の間(はざま)で特定の文化に属することなく独自の生活文化を創造していく子供たちのこと。

つまり我が家の場合は日本の文化が第一文化。
タイの文化が第二文化なわけです。
でも、どっぷり日本の文化だけに浸るわけではなく、
かといってタイの文化だけで生活しているわけではない我が家の子供たちが、
このサードカルチャーキッズとなるわけです。

とはいえ、
うちの子たちが通っているのは日系幼稚園&日本人学校なので
インター校に通っている子たちよりは日本色が強い生活を送っています。
そのため、
「うちはインターじゃないし、サードカルチャーキッズというのとは関係ないわ」
と思われる方も少なくないんだとか。

ただ、
周囲にいる人間のほとんどが日本人だとしても、
ここはタイであり家や学校から一歩出れば異国の地です。

空気も、道も、行き交う人々も、飛び交う言葉も、
日本とはまったく違うもの
です。

日本で育つのとは絶対に違う体験や経験を子ども達はしているので、
それはどんな経験なのか。
どんな体験なのか。
そしてそれらはその子にとってどんな影響があるのか。
さらには、
親はそれに対してどんなフォローができるのか。
それを知っておくことは無駄じゃないと思うのです。


サードカルチャーキッズであることの影響

友だちの入れ替わりが激しく、
じっくり悲しむ時間が取れなかったり、
ときには〝悲しい〟という感情自体が麻痺することもあること。

アイデンティティの確立が難しく、
安心した関係性が築きづらいために反抗期が遅れてくる可能性があること。

異国の地で生活するということには
もちろんそれ以外の影響もたくさんあります。
おそらく私が知っている、教えていただいたこと以外にも
数えきれないくらいの、
数えられるものではないような影響がたくさんあると思います。

それでも、
日本という国でずっと暮らしていた自分と、
異なる文化で生活することを強いられている子どもとでは
まったく違う成長過程を送っているということ。
それを知っているということ。
それを親が知ってくれているということだけでも、
子どもにとっては安心できるのではないかなぁと思うのです。


サードカルチャーキッズ家族に心がけてほしいこと

これは講座のなかでfumiさんが話してくれたことなのですが、
途切れない人間関係は家族だけだから、
「家族がHOME(安心できる、愛着のある場所)のひとつになること。」
それを意識すること。
それが大切らしいです。

家族という形ではなくその関係性が安心できる場所となるために、
「家族の習慣を作ると良いよね」と教えていただき、
さらにはその習慣は持ち運べるもの(fumiさんちは食事時の音楽)がより良し。
とのことだったので、我が家の習慣についても考えてみました。

以前は1日4回(朝起きてから、出かける前、帰ってきた時、寝る前)だった
ハグの習慣(というか、心掛けていた習慣)。
今は1日4回はできていないけれど、
子どもたちのなかではその習慣が染み付いているようで、
寝る前になると「ぎゅーして」と両手を広げてやってきます。
そして「大好きだよ」「愛してるよ」「生まれてきてくれてありがとう」と
愛を囁き合ってから寝ます(笑)
これは家以外の場所でもできるから、
旅行先や一時帰国中もできる我が家の習慣。
これからも子どもたちが嫌がるまで。
いや、多少は嫌がっても続けたいと思います。


自分の気持ちを言葉にできるか

これはサードカルチャーキッズに限らない話ですが、
自分の気持ちを表現できるかどうか
というのはとても大事な問題です。

これについては以前記事にしているのでこちらも読んでいただけると幸いです。

今回のfumiさんの講座でも
「家の中では、親が自信を持って関わることのできる言語で子どもに関わる」
ことが良いのではないかとお話してくださいました。

我が家の場合は間違いなく日本語です。

私自身はなるべく子どもたちと関わるときに
「子ども自身が言語化できていないであろう思いや感情を推測しながら代わりに言語化する」ことを意識しています。
これはまだまだ語彙力が少ない子どもに
「今の気持ち、感情、思いはこの言葉で表現することができるんだ」
ということを知ってもらいたいからです。

難しいことのように感じるかもしれませんが、
転んだ時に「びっくりしたね」とか「痛かったね」、
きょうだい喧嘩で泣いている時に「悔しいね」「○○したかったね」、
発表会前で表情が硬いときには「不安だね」「緊張するね」など、
そんなふうに言葉を伝えるだけでも良いのかな、と思っています。

そのなかで少しずつ、
自分のなかの感覚と言葉がつながってくれれば良いのです。

アンガーマネジメントでも、
色々なテクニックが紹介されていますが
自分の感情を言語化するだけで
〝不適切な怒りの表出(例えばキレる)〟から
〝適切な怒りの表出(言語での説明)〟に変化したりしますからね。

感情に関わる言語を獲得することって、
実はとっても大事なのです。


ダブルリミテッドの問題

ダブルリミテッド(二言語を使用する環境にいるが、両言語共に年相応のレベルに達していない状態)の問題については色々あるかと思いますが、
幼い頃は目立たなくても、
小学校高学年や中学生になって自分の中に生まれる感情は複雑になるのに、
それをうまく他者に伝えられない、表現できない、わかってもらえない、
という不全感を抱くこと。
感情が表現できずに抑えられるためにどこかのタイミングで爆発する(キレる等)という可能性があること。

これらの可能性を考えると、
家の外では英語やタイ語などを使用していたとしても
家の中では安心して話せる言語(日本人の場合は多くの場合日本語)で話せる環境を作る。
ということも大切なのではないでしょうか。


まとめ

私はタイに来て1ヶ月経つか経たないかという時期にfumiさんに出逢い、
サードカルチャーキッズという言葉に出逢いました。
早い時期に出逢えたことに本当に感謝です。

サードカルチャーキッズであることのベネフィットである
・広い世界観をもてること。
・コミュニケーション能力に長けること。
・適応能力が高いこと。
・多様性を受け入れることに抵抗が少ないこと。
・言語能力(人、環境による)。
これらが子どもたちのなかで育つためには
理解のある大人の存在が必ず必要だということ。

その〝理解ある大人〟に少しでも近づくためには
サードカルチャーキッズという概念を知っておくこと。
それはとても大切なのではないかなぁと、
改めてfumiさんのお話を聴いて感じたのでした。

特に〝何かができる〟わけでなくても、
子どもたちが「自分たち親とは違う体験をしている」ということを知る。
それだけでも子どもにとっては安心できる材料だと思うのです。

偉そうなことを書いていますが、
私も全然気持ちに余裕のない毎日を送っているので
毎日毎日〝理解のある大人〟にはなれていません。

それでも、
いざというときに子どもたちが相談しようと思える、
話を聴いてもらえると思ってもらえる親でいたいなぁと
そう思いながら日々子どもたちと関わっています。


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