【プロセス公開】FUSIONのミッション・ビジョン・バリュー完成へ Part 1
はじめまして。この度、株式会社FUSIONのミッション・ビジョン・バリューの策定に携わらせていただきました、フリーランスのコピーライター・森下夏樹と申します。
6ヶ月間の制作期間を経て、本日ついにFUSIONのミッション・ビジョン・バリューを公式に発表することができました。それにあたり2回に分けて、そもそもなぜ策定が必要だったのか、どのようなプロセスを経て公開に至ったのかを振り返りながらお伝えしたいと思います。
1. ミッション・ビジョン・バリューとは
まずはじめに、ミッション・ビジョン・バリューとはどのようなものなのか。さまざまな定義ができると思いますが、簡潔にまとめると以下のようになります(これに関しては多くの記事やブログがありますので詳細は割愛します)。
ミッション = 目指す理想像・中長期的な目標
ビジョン = 果たすべき使命や存在意義
バリュー = 使命や目標を達成するための行動指針
存在意義や価値観をしっかりと明文化していくことで、社員の共通認識をつくる役割があります。これを設定することで芯のある経営判断、目標設定、会社の色や性格の像が具体的になってきます。いわば、社員全員が一体感を持って前を向き、目指していける「旗印」ような役割を担っていきます。
2. FUSIONとはどんな会社か
FUSIONはサイバーエージェント、チョコレイト出身の前田遼介さんと、サイバーエージェントで前田さんと同期入社した廣瀬聡さんが設立した会社です。クリエイティブ × デジタル を軸に、企業や社会の持つ課題を解決していく。今飛ぶ鳥を落としまくる勢いのライジング・スターなベンチャー企業です(お世辞抜きで僕の目には確かにそう映っています)。
4月から新卒社員と中途社員が7名入社し、社員数は業務委託をしているパートナーを含め35名ほど。来年度はなんと新卒15名の採用を目指し、現在ちょうど選考が進んでいる真っ只中です。
気持ち新たにスタートを切る節目。組織が成長していく中で、ひとりひとりをルールで縛るというよりも、同じマインドで繋がるための確固たる「言葉」が必要になってくる段階です。
前田さんから最初にご相談をいただいた時に、「会社のカルチャーをつくりたい」というお話しをいただきました。若草のようなベンチャー企業にとって、カルチャーを育てるのには時間がかりますが、言葉の持つ求心力と推進力が組織を少しずつ強くしていきます。
コピーライターとして言葉ができることの可能性と責任を感じつつ、組織のカルチャーの醸成と成長の一翼を担う大きな仕事に鼻息を荒くさせながら、「旗印」をつくる旅がスタートしました。
3. 代表・前田遼介という人間
FUSIONにとって、3月は4期目が始まる新たな節目です。会社が大きく成長し変化していく中で、そもそも「FUSIONはどんな会社か?」それを振り返り、しっかりと理解することが大切でした。
しかし、それが分かれば方向性は明瞭ですが、この時点ではまだ海に撒いた砂のように、社員の皆さん各々が持つ考えやイメージが散り散りになっていて具体的ではありませんでした。そのため、制作にあたり社員ひとりひとりにしっかりとヒアリングをさせてもらう時間をいただき、じっくり話を聞いていきました。
一方、最も大切なのはリーダーである前田遼介という人間です。どんな信念を持って会社をリードしているのか、どんなキャラクターなのかを理解しなければ始まりません。前田さんがこの会社をつくった張本人であり、会社を純粋に体現している人物、まさにその人だからです。
前田さんとお話を進めていく中でひとつの大きなトピックになったのは、「マス広告とデジタル広告」「ブランド広告とダイレクト広告」の二項対立についての課題意識です。
その間にはまだまだ溝があり、両者のシナジーを最大限発揮できる余地がまだまだ残っています(そもそも溝なんてない、という考え方が正しいのかもしれません)。
私も広告会社出身者として、その二項について話されている場面を何度も耳にしたことがあります。しかし、その両者の本質を解明し、仕組みとして実現しようと考える人を初めて目の当たりにしました。どちらか一方のプロフェッショナルは当然いますが、前田さんはその両立を図り、まだ提供されていない価値を本気で見出そうとしています。
ふと、かの日本を代表する音楽プロデューサー・秋元康さんが発した「AKB48とは、高橋みなみのことである」という言葉を思い出しました。まさに「FUSIONとは、前田遼介のことである」。
「ビジョン」を描く力とは、これからの社会の中に眠る課題を見つけ出し、これまでになかった解決方法を導き出す力とも言えます。前田さんのもつビジョンを描く力が、これからのFUSIONをもっともっと前に進めるはずです。ひしひしと会話を通してそんな確信を覚えていました。さらに、前田さんの好きなものや苦手なもの、自身のキャラクターにまつわる事柄までも、あらゆることをシェアしてもらいました。
私がそれを受け止め、少しずつ具体的なキーワードを探しながら言葉に集約していきます。
4. 制作プロセス
ⅰ. ヒアリング
次に、30人強在籍する社員からのヒアリングを始めていきました。一人30分から1時間ほどの中で、その人のキャリア、FUSIONへジョインした理由、これからの会社の理想的な在り方、何を実現したいかなどなど、ざっくばらんに聞いていきました。
その際に注意深く観察したポイントのひとつが、社員さんの持つ人となりや雰囲気です。会社も人です。構成員次第で会社のカルチャーも色が変わっていきます。どのような人物がこのFUSIONを構成しているのか。整理していくことで会社にとっての大事な軸が浮き彫りになってくると共に、今足りない要素や中長期的な舵の切り方が少し整理されてきたように思えました。
ⅱ. ディスカッション
そして、皆さんからヒアリングした内容を元に、今度は重要だと感じたフレーズをA4用紙一枚ずつに書き出していきました。PCでメモした内容を紙に書き出すと、その言葉がまた少し違った印象に見えてきます。そのため、一度まとめた内容を整理するという意味でも、紙一枚一枚に落とし込むプロセスが重要だと考えました。
次に、その用紙に書かれた50ほどのキーワードを会社のオープンスペースである机の上に並べ、付箋とペンと共に数日間置いておき、社員全員にSlackで以下のように連絡をしました。
会社のミッションを制作する上で大切なポイントの一つは、社内への浸透を見据えてチームと制作プロセスを共有することです。社員それぞれにヒアリングをした後に、さらに抽出したキーワードを客観的に見てもらうことで再度考えてもらう機会を設けたかったのです。
そうすることで、他者の考えも併せて新たな視点を追記したり、認識のずれを改めたりしながら、ぐるぐると要素をごちゃ混ぜにしつつ熟成させることができます。その中から炙り出された言葉を私が具体化し、大きな構想を練っていきます。
そこでまず強調したいのは、そもそもミッション・ビジョン・バリューに定型の形はないことです。「ミッション・ビジョン・バリュー」とわざわざ形式から考えて、型にはめて考えることを目的にしてしまっては本末転倒です。
今回の目的は会社が持つ大切な軸を言語化し、中長期的に目指すべき方向が定まっていることです。前田さんとも最初にその点については話しており、あえて「ミッション・ビジョン・バリュー」と分けて考えなくても良いという認識で話は進んでいました。
しかし、今回はミッション・ビジョン・バリューと3つのフェーズに分けて表現していくのが適切だと判断しました。
その理由は、FUSIONは形のない商材やサービスを扱う仕事だからです。これから社会が常に変化していっても、常に新しい価値を提供できる存在でなければいけません。
その信条を言葉にして、ひとりひとりが理解した上で無意識にパフォーマンスを発揮できるような状態になっている必要があります。そのためには、しっかりと体系立てた言葉で具体化しなければいけないと判断し、ミッション・ビジョン・バリューの3つの柱をつくることにしました。
さて、長くなりましたがPart 1 はここまでです。具体的な柱の中身については 来週の Part 2 で紹介します。集約したメッセージを見ればFUSIONという会社が浮き彫りになってくるはずです。ぜひご覧ください。
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