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キリン「スロードリンク」を斬新な縦型動画に。本質を捉えた提案と、次に繋がるサポート

これまでビールや清涼飲料などの飲料を中心に、時代に合わせてさまざまなヒット商品を手掛けてきたキリンホールディングス株式会社(以下キリン)。

そんなキリンが提唱するのが、お酒の時間をゆっくりと楽しむ新しいスタイル「スロードリンク」。飲む「量」ではなく、流れる「時」に心が満たされるような、これからの時代のお酒の楽しみ方です。

FUSIONでは、そんな「スロードリンク」のプロモーション支援を実施。「スロードリンク」という新しい価値観を縦型ドラマに落とし込み、“何気ない日常”というシーンのなかで、「誰もが無理なく自分らしくお酒を楽しめる社会」というキリンが目指す世界観を醸成しました。

今回は、FUSIONとともに行った具体的な施策について、キリンホールディングス株式会社のコーポレートコミュニケーション部 田中碧さんにお話を聞きました。

わかりやすい適正飲酒啓発に課題。「スロードリンク」をやわらかく伝える方法を模索していた

キリンホールディングス株式会社のコーポレートコミュニケーション部 田中碧さん

──まず、キリンが提唱する「スロードリンク」について教えてください。 

田中さん:
スロードリンクは、キリンが提案するこれからの時代のお酒の楽しみ方です。飲む量ではなく、誰かと語り合ったり、食事のおいしさを味わったりと、飲む場所や時間を大切にしながら楽しむことをコンセプトとしています。 

暮らしや価値観の変化や、コロナ禍を経て飲み会が減少し、まわりに合わせて飲む時代から、個々がそれぞれのペースでお酒を楽しむ時代への移り変わりを感じていました。そこで、以前から提案していた、お酒を通じて人生を豊かにしていく提案としての「スロードリンク」はより共感いただけるのではないかと感じました。

田中さん:
私たちは、ただお客様のニーズに合わせたお酒の商品を開発するだけでなく、お酒に関する課題解決に向き合うことも重要な使命だと考えています。

お酒は本来楽しみながら飲むもの。一方で、飲みすぎによる健康への懸念や事故など、課題は多くあります。そこで弊社では、お酒を安全に楽しんでいただくために、「スロードリンク」を通じて適正飲酒に関する情報も多く発信してきました。

お酒には嫌な面だけでなく、お互いの心をときほぐしてくれたり、料理との組み合わせを楽しむことができたりと、たくさんの魅力があります。飲む量にとらわれず、時間や空間を共有する喜びを大切にしてもらいたい。「スロードリンク」には、そんな想いが込められています。

──これまで飲料業界を牽引してきたキリン様だからこそ伝えられることだと感じます。そんなキリン様が、今回FUSIONにご依頼するに至った背景や、当時抱えていた課題について教えてください。

田中さん:
「スロードリンク」をより幅広い人々に届けるために、注目していたのが縦型動画です。これまでも弊社では工場や適正飲酒セミナーなど様々な場で適正飲酒の呼びかけなどを行ってきましたが、より多くのお客様にメッセージを伝えるためには、新しい発信方法が必要だと考えていました。そこで、YouTubeやTikTokなどのプラットフォームで主流となっている縦型動画に可能性を感じました。

一方で、以前より弊社では商品の魅力を訴求する動画は制作していたものの、適正飲酒のような正しい知識を伝えるコンテンツを縦型動画で制作する取り組みは初めてのこと。短い尺のなかで知識を適切に伝えようとすると、どうしても難しくなってしまったり、とっつきづらくなってしまうという悩みがありました。 

そこで、縦型動画コンサルティングスタジオ「タテイチ」を始め、縦型動画で豊富な実績を持ち、企画立案から広告配信後の分析、活用方法の提案までを一貫して担えるFUSIONに依頼することを決めました。新しい価値観や難しい知識をやわらかく伝えられる。そんなクリエイティブを求めていました。 

“キリンらしさ”を込めた「スロードリンク」2つの動画戦略

──改めて、今回FUSION行ったプロモーションについて教えてください。

田中さん:
「スロードリンク」の世界観を伝えるために、2パターンの縦型動画の企画・制作と、広告配信のプランニングをしていただきました。一つは「スロードリンク」の概念を伝える動画、もう一つは純アルコール量などの「適正飲酒」の知識を啓発する動画です。どちらもショートドラマ仕立てではありますが、異なる切り口を採用しました。

「スロードリンクって?」~ゆっくり語らい、時を味わう~ 


「"純アルコール量"って?」スロードリンク~ゆっくり語らい、時を味わう~ 

──なぜあえて2種類の動画を制作したのですか?

田中さん:
視聴者に対して「スロードリンク」のイメージをまず掴んでもらうのか、一歩踏み込んで「スロードリンク」の具体的な内容を知ってもらうのかはすごく悩みました。

でも、FUSIONと今回のプロモーションの前提や意義のすり合わせを何度も行うなかで、「スロードリンク」の概念と適正飲酒の知識の啓発、どちらも伝えることで「お酒を適切に飲むことで、より心豊かな人生につながる」というキリンの核となるメッセージを届けることができるという結論に至りました。

また、今回が「スロードリンク」の初めてのプロモーションということもあり、どちらのアプローチが視聴者により効果的に響くのかは、実際にやってみなければ不透明な部分がありました。そこで、効果検証の意図も込めて、2種類の動画を制作することにしました。

そもそもこの動画を誰に向けて届けるのか、その結果としてキリンはどうなるのか、という会社のブランディングも踏まえてのご提案だったと思います。

──丁寧に話し合いながら進めていたんですね。施策を進めるうえで、特にこだわった点はありますか?

田中さん:
1番大切にしていたのは、
キリンらしさです。誠実で丁寧なコミュニケーションを大切にしたいと考えていました。クリエイティブにおいても、派手さを求めるのではなく、親しみやすい雰囲気がキリンらしいとFUSIONに汲んでいただきました。 

特に2本目の適正飲酒の知識の啓発をする動画に関しては、あまりお酒を飲みなれていない方に対して、過度に警鐘を鳴らしてしまうと、ただお酒の悪い所だけが伝わってしまいかねないと考えました。適切な情報が届くように慎重にケアしていただきました。

田中さん:
FUSIONには、その点も含めてキリンのブランドイメージをしっかりと表現に落とし込み、視聴者に自然に伝わる動画になるようにご依頼をしました。

最終的に提案された縦型動画は、ゆったりとした雰囲気のなかでお酒を楽しみながら、正しい知識を伝えるもの。約1分と短い動画のなかに、キリンらしい親しみやすさや丁寧なコミュニケーションを盛り込んでいただけたと思います。

定性調査で視聴者の“感情”が明らかに。縦型動画が醸成した新しいブランドイメージ

──今回の取り組みの反響について教えてください。

田中さん:
広告の視聴数は想定を大きく上回りました。

お客様は基本的に商品に興味を持っているので、このような動画はなかなか見ていただくのが難しいのですが、そのなかでも今回の動画は多くの方に見ていただけました。しかも、タレントさんを起用せずに、というのはとても珍しいケースです。 

社内でも今回のようなブランディングや啓蒙活動での縦型動画は例がなかったため、「動画見たよ」「どんな経緯で作られたの?」といった声が寄せられましたね。会社的にも新しいアプローチとして注目を集めたと思います。

一方で、配信後にはネクストアクションに繋がる結果が得られることを重視していたので、FUSIONには配信データを定量的に細かく振り返る設計をしていただいたのですが、数値面では2つの動画に大きな差は見られなくて。強いて言えば、2本目の適正飲酒の知識の啓発を伝える動画のほうが再生回数が上回っている状態でした。

そこで「ユーザーの感情を調べる“定性調査”を追加で実施したい」とFUSIONから提案していただき、改めて調査をしたところ、1本目の「スロードリンク」の概念を伝えた動画が、ブランドイメージの向上に大きく繋がっていることがわかりました。

定量的な配信データだけでは見えなかった視聴者の感情や行動が明らかになり、視聴者が動画を見てどう感じたのか、どのような印象を持ったのかが詳しくわかったんです。

FUSIONが定性調査を加えてくれたことで、違った切り口でそれぞれの動画を評価することができたのは、今回の取り組みにおける大きな成果だったと感じています。

──今回の取り組みを通じて得られた気づきはありますか?

田中さん:
動画や発信方法によって届く層が異なるという点です。従来のようなセミナーではリーチするのが難しかった層にも、縦型動画だと幅広くアプローチできることを実感しました。

また、2本とも同じ縦型ショートドラマではありますが、大きく訴求内容を変えたことで、それぞれの成果や視聴者の反応の違いが明確になりました。

まず、「スロードリンク」の概念を伝える動画は、弊社の取り組みやブランドが目指すものを知ってもらう入り口として非常に良い役割を果たしたと思います。一方で、適正飲酒の知識の啓発をした動画は最後まで視聴される割合が高く、適正飲酒への理解促進に効果的だったと感じています。今後のプロモーション戦略につながる大きな気づきが得られました。 

なぜこの施策をやるのか。FUSIONが提供する“本質”を捉えた提案

──今回の取り組みを通じて感じたFUSIONの強みを教えてください。 

田中さん:
FUSIONの強みは、本質を理解する力にあると感じています。

今回のプロモーションは、一見「スロードリンク」という概念を世の中に知ってもらうことのように思えますが、最終目的は、「スロードリンク」というコンセプトを通じてキリンが目指す世界観に共感してくれる人の母数を増やすこと。

FUSIONがその本質をしっかりと理解し、適切な提案と踏み込んだ分析をしてくれたおかげで、数値だけでは見えない視聴者の心の変化を把握することができました。

FUSIONのサポートのおかげで、キリンが「スロードリンク」をプロモーションする意義を改めて深く理解できたと感じています。 

──最後に、今後のプロモーション方針や、会社として目指す姿を教えてください。

田中さん:
これまで以上に魅力的な商品を提供することはもちろんですが、それに加えて、お酒を適切に楽しむための正しい知識を伝える活動を続けていきたいと考えています。

冒頭でもお伝えしたように、お酒には素晴らしい一面がありますが、一方で、飲酒運転やアルコール中毒など、お酒が原因で起きるトラブルも無視できません。

お酒のメーカーとして責任を持って課題に向き合い、お酒についての学びの場を提供するなど、社会に貢献する取り組みを進めていく必要があると感じています。今後も正しい知識を広めて、お酒を安全に楽しめる環境を作りたいです。 

FUSIONには今回の結果を活かすためのご提案もしていただいたので、一緒にもっと多くの方々にお酒の場を楽しんでもらえる世界を目指していけたら、と思います。


最後に

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