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見ると聞くとは大違い@イスラエル🇮🇱その弐

 イスラエルのベングリオン国際空港に降り立ったのは午前0時ごろ。パリの乗り換え時間も含めて20時間かけて到着したわけだ。入国手続きに向かう途中の通路から、下の階に広がるロビーを眺められた。休憩できるイスとテーブルがたくさん並ぶ広場の中央には噴水があり、先進国の空港と変わらない雰囲気。24時間営業なので深夜にも関わらず、大勢の人でにぎわっていた。
 入国手続きを終えて午前1時ごろに空港を出て、指定されたバスに乗り込んだ。テルアビブのビーチ沿いにあるホテルまでは30分ほど。その途中で車窓を眺めながら、目を丸くする光景に出くわした。深夜にもかかわらず、店先でテーブルを囲んで談笑するグループや一人で歩いている若い女性を何人か見掛けたからだ。
 安全と言われる日本国内であっても、午前1時や2時ごろに若い女性が1人で出歩くのは危険だろう。もしかしたら訪問前に抱いていたイメージと異なり、治安が良いのだろうか?と考えを改めた。
 翌朝にエルサレムの旧市街地を観光した時も同じ印象を抱いた。ユダヤ教やイスラム教といった宗教別に居住区が4分割してあり、石畳の通路の両側には様々な店舗が軒を連ねている。ユダヤ教徒の街区で街並みを見ながらぶらぶらと歩いていると、いつの間にかイスラム教徒の街区に入っていたことがあった。あまりにも自然な流れで街区をまたいだため、気づくのが遅れたほどだ。
 宗教上の衣装が異なるだけで、どの街区も住民と思われる人々は至って普通に生活用品を見定めていた。そこには宗教対立といった緊張感はないどころか、共存しているようにさえ感じられた。イスラム街区の土産物屋で〝Free Palestine〟との文字が描かれた幼児用シャツを見かけた時はドキッとしたが…。
 そんな穏やかな雰囲気を醸しつつも、万が一の事態に備えて要所ごとにイスラエル国防軍の兵士が警備についている。マシンガンを背負う姿は物々しいものの、若い女性兵士がソフトクリームを食べながら和気あいあいと仲間たちとおしゃべりを楽しんでいる姿も目にした。
 日本の報道番組を通して、不肖はイスラエルと近隣諸国の関係は緊迫し続けていると考えていた。実際に訪ねたら正反対。平和そのものに見えた。何かあるたびに北からレバノンの武装組織ヒズボラが、南からパレスチナ自治区の武装組織ハマスがロケット弾を撃ち込んでくるから真の意味で平和ではないけども。
 ロケット弾がらみでも興味深い話を聞いた。ハマスのロケット弾は手作りなので精度が悪い。イスラエルの国土を狙って発射したものの、実はパレスチナ自治区内に落下することも多々あるという。その場合、ハマスは海外メディアを現場へ集めて「イスラエルの空爆によって被害が出た」と主張。薄汚れた姿の子どもも用意して〝お涙ちょうだいシーン〟を演出する。
 その場面を海外メディアはこぞって撮影し、「イスラエルの非人道的な攻撃でこのような幼子まで…」と報じるそうだ。現地在住者によると、欧州人はユダヤ人が嫌い。だから〝イスラエル憎し〟の流れに乗るようなニュースは欧州で好まれるという。日本の大手メディアも似たような報道を流している。大手報道企業は、どの国でもそんな感じなのでしょうね。

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