![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/154175335/rectangle_large_type_2_41cab1bd89f85ad91f09c7a3c7f63941.png?width=1200)
タダシくん
「僕は、自分がタダシだと思ってる」
タダシくんはボソッと言った。
「いや、君は違うな。僕がタダシだよ」
別のタダシくんが通りすがりに言った。
「なにいってんだよ。タダシは僕に決まってるだろ」
また別のタダシくんが遠くから大声で言った。
「君たちがタダシだって言うなら証拠を出してよ」
またまた別のタダシくんが近づいてきて言った。
「お前らうるせえ。俺以外はタダシじゃねえ」
タダシくんたちはタダシくんに蹴散らされた。
「落ち着いてよ。誰もがみんなタダシなんじゃないかな」
僕はみんなに問いかけた。
「まあ、本当のタダシは僕だけなんだけど」
僕は心の中で思った。