区役所職員は見た!伏見には甲冑(かっちゅう)があるんです!
みなさん、伏見区民文化祭・区民茶会にはご参加されましたか?
伏見区では、毎年10月下旬に「伏見区民文化祭・区民茶会」が開催されています。これは、御香宮神社で2日間にわたり行われているイベントで、能舞台で仕舞や謡曲、お琴の演奏があったり、参集館では生け花や絵画・写真展示、俳句の発表があったりと、文化全般を楽しむことのできるものになっています。
今年は、3年ぶりの開催となっており、私も区役所職員として見逃せない! ということで、ひっそりと満喫していました(仮面は付けずに)。
そんな伏見区民文化祭・区民茶会なんですが、今年は二つの新たな取組みが行われました。一つは京都学生能楽連盟さんによる仕舞、そしてもう一つは、御香宮神社武者組さん(以下武者組)による甲冑着用体験です。
個人的な話になりますが、刀剣を擬人化したコンテンツに触れたことがあり、その流れで甲冑にも興味があります。ちなみに甲冑体験に応募しようかと思いましたが、小中学生ではない私はあきらめざるを得ませんでした……!
ある日、区民文化祭・区民茶会の担当者から「武者組の会長さんのご自宅で甲冑の虫干しをしている」という情報を聞き、ぜひお話をうかがいたいとアポを取りました。
伏見にこんなに鎧兜(よろいかぶと)が……!
今回、お話しくださるのは、御香宮神社の氏子からなる「御香宮神社武者組」櫻井勇会長です。伺うのは伏見区にお住まいの方はご存じかもしれませんが、かつてあった「櫻井豆腐店」です。その作業場で、武者組の甲冑を虫干しされています。
「こんにちはー! 伏見区役所ですー!」と入った先には、たくさんの鎧兜が! よく見ると、足軽セットもあります!
伏見区民文化祭・区民茶会の担当者からある程度の話は聞いていましたが、実際に見てみるとすごいの一言です!
今回、ご対応くださったのは、武者組の櫻井会長と武者組のメンバーの井口さんです。
武者組は、御香宮神社のお祭りのほか、毎年伏見区役所で甲冑展示を行っています。最初に書いた通り、今年の10月には、伏見区民文化祭・区民茶会で子ども甲冑着用体験を行いました。これは、小学校中学年から中学生を対象に、御香宮武者組が所有する甲冑を着用できる催しで、当日は甲冑姿で境内を歩いてる子どもたちの姿を見ることができました。
なお、この甲冑着用体験では、山本伏見区長も簡易甲冑を着用させてもらいました。
武者組は御香宮神社の甲冑保存会だそうで、その成り立ちは、明治30年ごろまでさかのぼります。御香宮神社のお祭りで武者行列を担う組織で、武者行列は寛文7年(1667年)に発行された『京童跡追(きょうわらべあとおい』(中川喜雲[著])に見られます。
武者組には、室町時代以前のものや、戦国時代、江戸時代と、さまざまな時代のものと伝わる甲冑があります。その理由をうかがうと、明治維新の後、使い道のなくなった甲冑の置き場に困った人が御香宮神社に寄進し、その後武者組の所有物となって現在に至るということでした。
また、子どもの着用体験のものをのぞき、多くが歴史のあるものなので、取扱いにはとても気を使うとか。今回の虫干しについても、甲冑をカビから守り、次の世代に残していくために必要なことだと櫻井会長はおっしゃいます。
私、甲冑を着ます!
かなり立派な甲冑ですが、動きにくそうですし、なによりその重さが気になります。井口さんにそのあたりをうかがうと、
重さは約15~20kgと重たく、戦場までは鎧櫃(よろいびつ)にしまっていた
鎧櫃はランドセルのように背負って運ぶ
一人で着ることができないので、戦場では周りの人に手伝ってもらって着ていた
ということを教えてくださいました。
(周りからの念を感じた)私、この機会を逃さず、「この鎧って着ることはできますか? あ、無理なら構いません!」と言ってみたところ、「特別ですが、着てもらってもいいですよ。どれがいいですか」と櫻井会長にご快諾いただきました。
着てみるとやはり重い! 矢などから身を守る役割を果たしていただけあって、かなり安心感があります! ただ、甲冑を着たまま刀を振り回すのは至難の業だと感じました。※個人の感想です。
あと、視界が狭いかな……と思いましたが、それはマスクのせいでした……!
櫻井会長と井口さんからみた伏見区
御香宮神社を中心に地域で活動されているお二人に、伏見区の魅力について聞いてみると、櫻井会長、井口さんともに「住む人の人柄のよさ」と答えました。
櫻井会長は、伏見で生まれ育ち、伏見で暮らし続けていることから、「他がどうとかはわからへんけども」と前置きをしたうえで、ここに住む人の人柄のよさに魅力を感じるといいます。また、酒蔵の町「伏見」であることから、昔は新酒まつりの度にお酒を配られており、楽しみであったとお話しくださいました。
井口さんは伏見区に引越しされています。伏見区で活動しているうちに、伏見の人たちの気取らない感じがいいと思い、引越しを決めた理由の一つになったそうです。
あと、お二人とも、丹波橋駅は京阪の特急停車駅であること、近鉄との連絡ができることから、便利でとても住みやすいと感じるといいます。
櫻井会長は、以前は伏見市であったこともあり、今でも市内中心部に行く際は、「京都へ行ってくる」と言うそうです。
お二人と話していて感じるのは、利便性はもちろん、そこに住む人たちや場所、歴史など、「当たり前にある伏見区のよさ」を気に入っていることです。これをお読みの皆さん、伏見区はいつでもウェルカムです!
今回は甲冑着用という貴重な体験ができました。戦国時代の武将のみなさんは、こんな鎧を着て戦場を駆け巡っていたんですね。身をもって体験することができて、とてもうれしく思いました。
また、機会があれば、伏見区に点在する戦国時代にまつわる場所に行ってみます!
\ふしみーつ!/