誰からもらったのか、それがきっと大事です 二人展『moment』作品解説 #002
第2回は新作シリーズから、ちょっと大きめ6作品の紙物のお話をいたします。
旅先で手にした、とりわけ手書きのものは読んだからと言って捨てられません。
内容はゲストみんな同じ文面なんですけど、ホテルでこんなちゃんとしたご挨拶もらうことあんまりないでしょう?
現地在住の友達を頼ってのLA旅行で泊まったホテルのウェルカムカードです。
友達の自家用車で、映画の舞台や名所 行きたそうなところは全て連れて行ってもらって楽しい思い出がたくさんある。中でもこの海沿いのホテルのすぐそばにあった世界一有名な桟橋 サンタモニカピアに行きそびれたことが忘れられません。旅の忘れ物!
友達からのプレゼントを包んでいた包装紙。
水玉の紙袋は夏休みの綺麗な川の水底に見えたし、19世紀の糸紬が描かれた不思議な包装紙は彼女の好きなもの、自分にはないその人らしさやイメージそのものです。
付箋girlたちを描く時もそうですが、こんなふうにいろんな人たちとの関係性や記憶から絵のインスピレーションを得ています。
Sho+1ギャラリー・ディレクター佐竹さんが行かれたスイス バーゼルのアートフェアとオークションのパンフレット。
元はこの通り文字だけのパンフレットです。フォントやGデザインの洒落てる感じもいいですし何より色が綺麗。
デザインの苦労はよくわかるので邪魔しないように、いかにイラストで面白くお互い活かせるか。
で、なぜかダルメシアン。理屈ではなく頭に浮かんだモチーフがはまってくれてこの2枚もお気に入りです。
勝手に後出しでバーゼルアートフェアにちょっと参加したふうにしました。
SNSのご紹介でも挙げられてるこの作品 写真だとマットな黄土色にしか見えないかもしれませんが金紙の包装紙です。
展覧会の差し入れでいただいた重箱みたいな大きなゴディバの包みをなんでとっておいたのか?
シンプルにお気持ちが嬉しかったからです。
描きでのある大きさであることと琳派好みの金箔風、とある名作へのオマージュになっています。教科書にも載ってるらしい、あの屏風です:)
制作途中はご覧の通り折り目やヨレの目立つ状態だったのですが、プロの手で裏打ちを施され額装されて、見違えるようです。
額装がうまく撮れなくてアップできずにすみません…
自分でも飾りたいと思う、どなたかのお家に飾られているところを見たい作品になりました。
こうしてご説明して参りますと 自分と周りの人々、観る人との間を絵が繋いで循環する関係性が見えてきます。あたかも過去、現在、未来が混じり合うようでちょっと果てしないような気持ち。
これほどまでプライベートなマテリアルを作品化できる機会はそうないと思います。
願わくば是非直接ギャラリーで楽しんでいただけたら嬉しいです。
次回のnoteは50枚組付箋絵などのご案内を書きます。