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父はモモちゃん (小比類巻さん、ごめんなさい)
私が子供の頃、我が家では『ポニーテールはふり向かない』と言う伊藤かずえさん主演のドラマを毎週見ていました。
主題歌は小比類巻かほるさんのNEVER SAY GOOD-BYE。
私は小さいながらに小比類巻かほるさんは声がキレイでめちゃめちゃ歌が上手いなと思っていました。
一年位たったある日、私は宿題をしながらラジオを聞いていました。
久しぶりにラジオから流れてくるNEVER SAY GOOD-BYEの曲。私はサビの部分を大きな声で一緒に歌ってしまいました。
数分後、父が「糊を貸して」と私の部屋に入ってきました。父は封筒に糊を付けながら鼻歌を歌っています。
「もーもちゃん、もーもちゃん、振り向かないで〜」
を何度もリピート。
「ねぇ、それってさっきラジオでかかってた曲?」
「そう、そう。去年見てたよねドラマ」
「それ、ももちゃんじゃなくてOne more chance だよ」
「あれ?そっかぁ。何か変だと思ったんだよね」
思わず2人で笑ってしまいました。
父が部屋から出て行った後、私は母のいる台所に行き、父のももちゃんの話をしました。
「お父さんだから仕方ないよ」
と母はちょっと呆れた感じで笑っていました。
その後、父は家で何かをしている時は
「もーもちゃん」
と鼻歌を歌うのがクセになってしまいました。
本人はわざとではなく、ももちゃんの方が歌いやすいと言っていました。
まぁ、本人が楽しいのであればと、ツッコミは入れずに聞き流すことにしました。
あの日以来、母は父のことを「お父さん」ではなく「ももさん」と呼ぶようになりました。
あれからウン十年、母は亡くなるまで父を「ももさん」と呼んでいました。
当時は違和感なく聞いていましたが、今思うと不思議な感じです。
遠い温かかった日々の思い出です。
☆小比類巻さん、適当に歌ってごめんなさい。
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ちなみに数年前に映画「シティハンター」を見に行った時、劇中の小比類巻かほるさんの歌を聴いて迫力ある綺麗な歌声に鳥肌が立ってしまいました。歌声パワー凄かったです。