出産の記録(前編)
こちらの記事は、出産の経験を記録とし自分自身の日記に書き記したものです。
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2月16日、0:20頃
すでに深い眠りの中にいたのにも関わらず、急に体から生温かい液体が流れ出るのを感じて飛び起きた。破水したのだと瞬間的に理解し、「破水した!」と叫んだ。
隣で横になっていた夫はまだ起きていた。私たちはすぐに出産を予定していた病院に行く準備を始めた。
いつの日か出産の時が来るとわかっていたけれど、いよいよその時が来たとたん、急に怖くなって体に力が入らなかった。2月の半ばの深夜、寒くて体が震えていた。
深夜の道を夫の運転で進みながら、何を考えていたのか今となっては思い出せない。会話も上の空で、携帯から流れる賛美を聞いていた。車を走らせて30分、1:20頃病院に到着。夫に祈ってもらって病院に入った。
診察を受け、破水で間違いないということで即入院が決まった。破水したからと言ってすぐに陣痛が始まるわけではないので、夫は一旦帰宅することになった。
胎児のNST検査(ノンストレス検査)、そして私は溶連菌が陽性だったため抗生剤の投与をすぐに始める。これは赤ちゃんが産道を通る際に起こる感染のリスクを下げるためだ。この抗生剤を4時間おきに投与すると聞いていた。元から注射嫌いな私である。出産はともかく注射が嫌で仕方なかった。しかしその時、針を刺すのは一度だけで、あとは簡単に抗生剤を付け替えれるようになっているということがわかった。
これも今となっては笑い話。後にこれを聞いた夫も「4回刺されると思ってたの?それは怖がるわけだね」と納得していた。
陣痛室に入り、横になったもののすぐに陣痛は始まらない。しかしお腹が頻繁に張るようになってきた。
4:00頃から定期的な痛みが始まった。陣痛だ。痛みをやり過ごすときには呼吸が大切である。痛みのあまり呼吸を止めてしまうと直に痛みを感じるが、ゆっくりと呼吸を続けていると痛みを感じにくかった。
いつまで続くかわからない陣痛。次第に夜明けが近づいてきた。