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ギターを抱えて帰って来た少女

先日、下北沢シェルターでライブを観た夜、娘が青いエレキギターを抱えて帰ってきた。部活で必要だからと、奥さんとクロサワ楽器で買って来たという。新品のギターも輝いていたが、それ以上に目が輝いてた。何かを手に入れて目を輝かせた記憶を遡ってみるけど、自分にそんなものあったかなと自信がなくなる。寝ても覚めてもそれだけのことを考えていた日々、時間。おそらくあったのかもしれないが、自分のそれは年を取る内に濁ってきた。娘のそれは純度の高い現役の初期衝動として我が家の真ん中に君臨している。素人であることを恐れておらず、疑うことを知らない怖さと頼もしさを感じ、遠くを見ずに、ただただ自分の手元だけを見ている。今の自分に足りないものをだいたい娘が持っていた。最近どう考えても一番影響を受けている。

フルタジュン


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